- 痩せる
- 走る
“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
PR
日常の延長で歩数は十分稼げる。でも、もっと歩きたい、もっと運動量を増やしたいという人は、休日を活用したり、ギアを使ったり、家にいる間も抜かりなく歩数を増やす工夫を取り入れよう。今回は、楽しみながら運動量アップと歩数稼ぎができる「レベルアップウォーキング」のアイデアを紹介する。
忙しくて何かとバタバタの平日には難しくても、時間に余裕がある休日はウォーキングの可能性を広げる好機。できそうなものを選んでトライして。
マラニックは、マラソンとピクニックを合わせた造語。名所などを織り込んだ少し長めの距離を、ピクニック気分でタイムを気にせずに走り、歩くのだ。休日に楽しむランナーも多いが、一人かつウォーキングでも行える。
まずは目的地を設定。長距離を歩いてでも行きたい場所なら、神社仏閣でもレストランでもOK。
体力次第だが、5〜10km/2〜3時間を基準にしよう。近所の散策ではないから、財布やスマホはもちろん、タオルや軽食などもウェストポーチなどに入れて。飲み物はコンビニなどで調達しよう。
無理は禁物。疲れたら途中でストップ。バスやタクシーで帰るべし。
平日はのんびり歩きでいい。けれど、週末は少しスピードアップした「速歩」に挑もう。
ずっと速歩を続けるのは辛いから、休み休みやるのがお薦め。これは「インターバル速歩」と呼ばれる。歩幅を広げてスピードアップする速歩と、普段の歩幅の歩きを交互に行うと、筋力や心肺機能の向上、生活習慣病リスクの軽減といった恩恵が期待できる。
取り組みやすいのは、ゆっくり歩きと速歩を3分単位で切り替えるやり方。トータル15分を目標にするといい。慣れるまでは、速歩は2分ほどと短めにしてもOK。続けるうちに体力が上がり、連続3分の速歩がこなせるようになる。
ウォーキング中に筋トレも欲張りたいなら、最適なのはフロントランジをしながら歩くランジウォーク。
太腿表側の大腿四頭筋、裏側のハムストリングス、お尻の大臀筋、ふくらはぎの下腿三頭筋など、下半身の筋肉がまるごと鍛えられる。通常は1歩ごとに元に戻るが、左右交互に踏み出し続ければ、ウォーキングになる。
平日の通勤時などは人目もあるし、普段着だと股関節の可動域が制限されてやりにくい。休日に着替えて公園や河川敷などを歩く際、気が向いたら途中でランジウォークを織り交ぜてみよう。左右交互に各10回×3セットできたら、かなりいい筋トレになるに違いない。
週末、ショートトリップ気分で出かけたいのが、郊外型アウトレットモール。ターミナル駅から直通バスが出ていることも多く、安・近・短で終日遊べる。
アウトレットには多くの店舗が集まるから、気になる店を覗くだけでも、いつの間にか想定以上に歩いているもの。スポーツ関連のショップも必ず入っているから、ウォーキング向きのウェアやシューズをアウトレット価格で買おう。
たとえば、国内最大級のショッピングモールである〈御殿場プレミアム・アウトレット〉の敷地面積は42万㎡以上。東京ドーム9個分もの広さがある。これだけ広ければ、飽きずに思う存分歩ける!
ダンベルが筋トレをサポートしてくれるように、いつものウォーキングをアップグレードしてくれるギアもある。そのアシストで効果的に歩こう。
ウォーキングの運動効率を上げるなら、下半身だけでなく、上半身も動員すべき。 上半身を意識して使うのに有効なのが、両手にポールを持ち、地面を押しながら歩くノルディックウォーキング。
もともとはクロスカントリースキーの夏場のトレーニングとして始まったものだが、現在はクロカンと縁のない人たちの健康・体力作りにも役立つと注目されている。これだと全身の筋肉の約90%を使い、カロリー消費は通常のウォーキングより20〜30%アップするとされている。
「ポールで地面をできるだけ長く後ろに押すように意識すると、上半身がうまく使えます」(全日本ノルディック・ウォーク連盟公認指導員の池田ノリアキさん)
重りを付けて歩くと、ウォーキングの運動負荷は高まる。そこで、小さなダンベルを握ったり、足首にアンクルウェイトを巻いたりして歩く人もいる。けれど、末端の手足に余分な重りを付けると歩き方が変わり、重りを付けないときのウォーキングのフォームが乱れやすくなる。
「そうしたリスクを避けるなら、ベストに重りを入れたウェイトベストを着て歩いた方がいい。体幹に密着するので、フォームが崩れにくくなります」(パーソナルトレーナーの神戸貴宏さん)
ウェイトベストを買わなくても、フィッシャーマンズベストのようなポケット多めのベストに、ペットボトルを重り代わりに入れて歩けば、同様の効果が得られる。
歩く際は、足裏の踵、親指の付け根の拇趾球、小指の付け根の小趾球の3点で、地面を確実に摑むことが求められる。
その感覚を身につけるのに役立つ意外なギアがある。
それが、歯が1本だけの一本歯下駄。1000年以上の歴史があり、山中を歩く修験者が愛用したことで知られる。
「歯が2本のお馴染みの下駄より、バランスを取るのが難しくなり、それだけ3点で地面を捉える感覚が身につきます」(神戸さん)
一本歯下駄より手軽に、同様の効果が得られるのが、竹馬。普通の竹馬は爪先荷重だが、強度に優れたステール製の空き缶に紐を通して作る竹馬状の「缶ぽっくり」なら、足裏3点で着地する感覚が摑みやすくなるのだ。
コロナ禍以降、おうち時間は急増。外出が制限されると歩かなくなるが、工夫すればインドアでも歩く機会は増やせる。チリツモ精神で取り組もう。
ゴミ箱は、手の届くところに置くもの。でも、あえて部屋の隅っこに移動させると、歩数を増やすきっかけとなる。
不要の紙ゴミのように、投げても問題なく遠投できるものは、バスケのフリースローのつもりで、遠くのゴミ箱を狙って投げる。
距離が離れるほど、1回で見事に入る確率は下がる。外れたらゴミ箱まで歩いてゴミを拾い、元のポジションまで戻り、再挑戦。入るまで何回でも繰り返せば、失敗するほど歩数が増やせる。
たとえゴミが出なくても、投げやすい丸めた紙ゴミを手元に置いておけば、いつでも何度でもゴミ箱ウォーキングが行える。
日本人は世界一坐っている時間が長い。坐っていると足腰の筋肉が衰えやすいし、下半身の血液を心臓へ還流させるふくらはぎの筋肉ポンプが開店休業に追い込まれるため、血液循環が悪くなり、代謝も落ちやすい。
デスクワーク中も、30分に一度は立って歩き、トイレに行ったり、キッチンで水分補給をしたりしよう。坐っているときと比べると、立つだけで代謝は1.4倍になり、歩き出すと1.6倍になる。
ついでに行いたいのは掃除。立って掃除機をかけると代謝は3倍以上、四つん這いでフロア掃除をすると、代謝は4倍以上に。部屋中ピカピカになり、一石二鳥だ。
インドアでは、外のように大股で何千歩も歩くことはできない。ならば発想を切り替え、外ではできない歩き方をしよう。
ここで紹介するのは、「エアスイカ割り」。スイカ割りを始める前のように、目を閉じてその場で何回か回ってから、目を開けてまっすぐ歩き出すのだ。
「閉眼で回転してからだと平衡感覚が狂い、まっすぐ歩けなくなります。まっすぐ歩けるまでゲーム感覚で何度も繰り返すと、歩数が稼げますし、平衡感覚も鍛えられるようになります」(神戸さん)
インドアなら外より安全だが、それでも障害物を極力排除。安全を確保してから挑んでほしい。
階段の上り下りのカロリー消費は、通勤時のウォーキングに匹敵する。しかも階段は、平地の歩きと比べると、足腰の筋力アップにも効く。日頃から、駅ではエスカレーターやエレベーターではなく極力階段を使い、オフィスでは3〜4階以内の移動は階段で行うというルールを定めると、歩数が上乗せできる。
在宅時、雨などで屋外を歩けない日は、自宅やマンションの階段を上り下り。1段飛ばしで上ると、膝だけではなく股関節まで働き、筋トレ要素がアップ。タワマン高層階の住民なら、1日1回エレベーターを使わずに自宅まで上るだけでハードトレーニングになる。
取材・文/井上健二 撮影/五十嵐一晴 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/大谷亮治 イラストレーション/Hi there 取材協力/池田ノリアキ(ウォーキングトレーナー)、神戸貴宏(Body Design Studio ASK代表、トレーナー)
初出『Tarzan』No.843・2022年10月6日発売