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① 健診1週間前から禁酒する
「こんな俺でも健診の結果、特に肝機能の数値は気になるんだよ」と普段は毎晩ガバガバ酒を飲む生活を送る上司が、健診1週間前からキッパリ禁酒。でもこれ本当に意味ある?
「肝機能の数値が高い人は、最低1か月程度禁酒しないと改善しません。健診1週間前から禁酒しても付け焼き刃です。逆に、1週間禁酒できるなら試しに1か月我慢してみては? 全く飲まないのは無理でも、平均1日20g(ビール500ml程度)のアルコール摂取に抑えれば数値が改善するかもしれません」(市原先生)
② 健診結果のために食事抜きダイエット
「せめて体重だけは少なく見せたいじゃん?」と見栄を張るべく前日は食事抜きで健診に挑む人もいるはず。
「ご飯を抜くイコール、水分の摂取量も減るということ。確かに健診の体重測定の結果は良くなるかもしれませんが、カラダが脱水症状に陥ってしまい、尿酸値が上がったり腎尿路系検査の項目に影響する可能性があります。
絶食が必要な検査を受けるならともかく、体重の結果を気にするあまり絶食するような方には、代わりに尿酸値などに異常が出てもいいですか?と問いたいですね」
③ 健診前日だって筋トレはやめられない
もはや筋トレは歯磨き同然。毎日やらないと気が済まないという人もいると思うが、そこにちょっと待ったをかけるのが市原先生だ。
「健診前日もガシガシと筋トレをすると、筋線維を傷つけた結果骨格筋内のクレアチニンの数値が高まるばかりか、あまり高い状態が続くと腎機能にも影響を及ぼす可能性があります。日常的に筋トレすること自体はいいのですが、せめて健診の前日と前々日くらいは控えましょう」
ちなみに、健診前日の軽い有酸素運動はOK。何事もほどほどに。
④ 1か月前から新型タバコにチェンジ
加熱式タバコはタールを、電子タバコはタールもニコチンも含まないらしい。
そこで、ニコチンが数値に影響する中性脂肪やコレステロールの数値が改善したり、肺がキレイになるかも?と先月から紙巻きから電子タバコに切り替えたんだけど…。
「ニコチンを含まなくても、中性脂肪やコレステロールの数値が改善するとは思えません。その方の生活習慣なりの数値が出るだけです。またタールを含まなくても発がん物質の影響は懸念される。新型タバコも健康リスクは高いのです」
⑤ 健診直前に糖質制限をする
最近糖質制限食にどハマリ。ほぼ糖質を摂らないアトキンスな糖質制限を実践中。私、ストイックだわ。
「極端な糖質制限をしていると、健康診断で血糖値などの糖代謝検査について正常な判断がしにくくなるリスクがあります。糖尿病患者のガイドラインでも1日150gは糖質を摂りましょうと推奨されるほど。ですので、糖質制限を実践中でも健診の3日前からは1日150g、お茶碗約3杯分のご飯を食べましょう」
ちなみに、健診直前の油抜きは健診結果に影響しないので問題なし。
⑥ 日々のプロテイン習慣はきっちり守る
今年こそ夏のコンテストで予選通過するべく、ただいま絶賛肉体改造中。健診前日も朝晩2回のプロテイン摂取で、ガッツリ筋肉をつけてやろうと思っているんだけど…。
「健診前日にいつも通りたくさんのプロテインを摂ってしまうと、腎尿路系の検査項目であるクレアチニンや尿素窒素の値が高くなる可能性があります。特に高齢者やもともと腎機能が少し悪い人は、要注意です」
通常の食事でタンパク質を摂るのはいいが、この場合も健診前日は高タンパクのものは避けておこう。
⑦ カラダに良かれと、前日も食物繊維を摂取
腸内環境を良くするべく、普段から食物繊維を意識的にモリモリ食べている人は、健診の前日くらいは控えた方がよさそうだ。
「繊維質の多い食事は、胃や腸の中に残ってしまい、胃カメラや大腸カメラ、胃透視(バリウム)に支障をきたすことがあるので健診前日は食べない方がいいでしょう。病院によっては〇日前から控えましょうと指定しているところもあるほどです」
特にきのこ類や海藻類などの不溶性食物繊維は消化が遅れがち。健診前日は消化のよいものを!
⑧ 健診前日にセックスしちゃった
翌日に健診だろうと、愛は止まらない! とばかりにSEXに励むカップルもいることだろう。しかしそれが健診結果に意外な影響を…。
「健診前夜のSEXやマスターベーションなどによって、男性の精子が尿に混ざり尿タンパク陽性になるケースがあります。この場合再検査になるので、前夜はなるべく我慢した方がいいでしょう。また、女性も避妊具なしだと同様に尿に精子が混ざるのでやはり注意が必要です。尿酸値など、他の項目で前夜の性行為が影響を及ぼすことはありません」