「生涯で飲めるアルコール量」を超えたら、もう飲んじゃだめ?|酒とカラダの素朴な疑問(3)
酒をこよなく愛し、カラダにいい飲み方を提唱する肝臓のプロ、日本ソムリエ協会名誉ソムリエである秋津壽男先生に、正しいお酒の飲み方を聞きました。
取材・文/黒田創 イラストレーション/井内愛 取材協力/秋津壽男(秋津医院院長)
(初出『Tarzan』No.770・2019年8月8日発売)
“カラダが出すサイン”を気にした方がベター。
積算飲酒量という言葉をご存じだろうか。生涯で肝臓がどれだけアルコールを処理したかによって肝硬変のリスクを推測しようと作られた概念で、大まかに男性は500kg、女性は250kgを超えると危険領域。
ビールのロング缶を2本毎日飲むと34年、ワインボトル1本を毎日だと17~18年で到達するとされている。
「仮にお酒好きで肝硬変に罹った患者さんがいたとしても、その人が今までどの程度飲んだか調べようがありませんし、そもそも個人差がかなりある話。また女性は男性の半分の量というのも医学的根拠に乏しいです。
許容量よりも飲み過ぎれば翌日二日酔いになるし、健康診断で肝臓の数値が高くなることも。飲んで体調が悪くなればカラダはそうやってサインを出すので、それに応じて飲酒量をコントロールすればいいんじゃないでしょうか。
どんなに大酒飲みでも翌朝はスッキリ目覚められて、かつ健診の数値も問題なければ、まだ大丈夫ですよ」(秋津先生)