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座りすぎのカラダに。股関節・骨盤・腰椎の歪み改善エクササイズ

股関節・骨盤・腰椎の歪み改善エクササイズ

「パッと立てない」「腰が重だるい」「脚を組みがち」これらの項目にことごとく思い当たったというあなた。実はこれ、座り姿勢が長く続き、3つの部位が衰えているサイン。弱体化した周辺の筋肉をほぐしつつ鍛え、歪んだバランスを整えるエクササイズで、凝りや痛みの出にくい安定した姿勢を目指そう!

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股関節・骨盤・腰椎を救おう!

「座りすぎ姿勢で最も悪影響を受けるのが、臀筋群。この奥にある深層外旋六筋とともに、骨盤と大腿骨をつないで股関節の動きに関わる筋肉です。“人間は脚から衰える”と言いますが、現代生活では“尻から衰える”と言うのが実情に近い」と話すのは、トレーナーの澤木一貴さん

では、座りすぎで足腰に不調をきたすのはなぜか。

機能解剖学的に見ると、それには股関節・骨盤・腰椎が連携して働く“腰椎骨盤リズム”というメカニズムが影響する。

「簡単な例で言えば、股関節が屈曲すると腰椎も連動して曲がり、伸展すると腰椎がほどよく反るという仕組みのこと。

座りすぎでこのバランスが崩れると、骨盤を中心とした股関節腰椎の衰えが進行し、姿勢の悪化により多くの不調を招きます」

「座りすぎ」による3大部位のトラブル

「座りすぎ」による3大部位のトラブル

股関節:骨盤と大腿骨をつなぐ尻や太腿まわりの筋肉が硬く衰え、関節がねじれて歪む。脚も開きづらくなり、つい脚を組んでしまう原因にも。

骨盤:正しい姿勢では軽く前傾するのが本来のポジション。周辺の筋肉が弱化して前後へ過度に傾くと、座ってから素早く立つ動作が困難に。

腰椎:土台の骨盤が傾くと過剰なカーブや反りが生じ、腰が重だるくなる。骨同士や、間にある椎間板が圧迫されることで腰痛にもなりがち。

まずはチェック骨盤の後傾/前傾

姿勢の崩れを骨盤から見ると、多くは後傾・前傾の2タイプに分類される。そこで原因となる筋肉や関節の歪みにアプローチするエクササイズを紹介。

ただし周辺の筋群は全体的に弱化しているため、もし迷ったら両タイプを行っても構わない。カラダがしっくり感じれば、それは自分に必要なエクササイズなのだ。

骨盤の傾き2タイプ

後傾タイプ

骨盤の上方が後ろへ、下方は前へ傾いて腰椎が丸まり猫背になりやすい。腹筋がうまく機能せず下腹ポッコリの原因にも。

前傾タイプ

骨盤の上方が前へ、下方は後ろへ傾いた、いわゆる反り腰タイプ。一見、キレイな姿勢に見えても腰椎への負担は大きい。

タイプ別・股関節のエクササイズ

「骨盤まわりを動かさないでいると、腿裏の筋肉が硬く縮んで股関節の動きが悪化します」と澤木さん。骨盤を逆側に倒しながらの動的ストレッチで、関節まわりのねじれを整えよう。

後傾タイプは前後の筋バランスを整える

チェック

股関節チェック

骨盤が後傾すると、股関節はダランと外に開いてガニ股になりやすい。硬く収縮して骨盤を後ろに引っ張る腿裏のハムストリングスを、骨盤の前傾ポジションから伸び縮みさせることで歪みの調整を。

改善エクササイズ:ヒップヒンジ&リーチ(10回×1〜2セット)

ヒップヒンジ&リーチ

足幅はやや開いて膝を軽く曲げ、手のひらを正面に向けて立つ。ここから手を遠くへ押し出すと同時に、腰を反らしながら尻を後ろへ大きく突き出す。スタートの姿勢に戻って繰り返す。

前傾タイプは腰を丸めて腿裏をストレッチ

チェック

股関節チェック

骨盤が前に傾くと股関節が内側にねじれ、膝が近づいて内股になりがちなタイプ腰椎を丸めた状態からハムストリングスを伸び縮みさせ、骨盤とも連動したストレッチで股関節の柔軟性は取り戻せる。

改善エクササイズ:サイハグハムストリングス(5回×2〜3セット)

サイハグハムストリングス

両足を軽く開いてしゃがみ、膝をハグするように抱えて両肘を持ってホールドする。腰の丸みをキープしたまま膝を伸ばしてゆっくり立ち上がり、ゆっくりしゃがんでを繰り返す。

タイプ別・骨盤のエクササイズ

骨盤の傾きは、下部に位置する「坐骨」でチェックできる。「尻の下に手を敷き、骨が垂直に当たるのが正しい座りポジション。弱化した臀部や鼠蹊部の筋肉にアプローチして改善を」(澤木さん)。

後傾タイプは骨盤裏側の腸腰筋をストレッチ

チェック

骨盤チェック

骨盤が後ろに倒れて坐骨が前に突き出たこのタイプは、腰椎と骨盤から大腿骨をつなぐ腸腰筋」が硬く縮んだ状態。骨盤のポジションを意識しながら鼠蹊部を伸ばすことで、ストレッチ効果を最大に。

改善エクササイズ:フェンシングストレッチ(左右各30秒×1〜2セット)

フェンシングストレッチ

片脚の膝をまっすぐ立て、後ろ脚は膝をつけて大きく開く。胸をいったん広げて上体を前に倒し、床に手をつけて後ろ脚の付け根をストレッチ。骨盤をやや丸めるイメージで、腰の反らしすぎに注意。反対側も行う。

前傾タイプは尻の引き締めで傾きを補正

チェック

骨盤のチェック

反り腰で骨盤が前傾すると、坐骨の位置は後方に。このタイプで衰える尻の大臀筋やインナーの深層外旋六筋は、股関節の外旋によって働く。加齢により衰えやすい骨盤底筋群もあわせて強化したい。

改善エクササイズ:フロッグヒップリフト(10回×1〜2セット)

フロッグヒップリフト

仰向けで両足の裏を合わせ、手はカラダの横で下に向ける。息を吸って鼠蹊部を上に突き出し、吐きながらゆっくり下ろして繰り返す。腰は反らさず尻を締め、股関節の外旋で最大に縮めた筋肉を効率よく鍛えよう

タイプ別・腰椎のエクササイズ

「骨盤の傾きに連動する腰椎は、丸まりすぎても反りすぎても悪影響が。失われた自然なカーブを取り戻すエクササイズが有効です」と澤木さん。座りすぎの腰痛対策にも効果的だという。

後傾タイプは腰椎の自然なカーブを生み出す

チェック

腰椎チェック

骨盤が後傾すると、腰椎はバランスを取るため前へ傾く。すると背中は丸くなり、椅子の背もたれに手を挟むとピッタリ隙間がなくなる。背骨全体の動きと連動させて、腰椎の自然なカーブを取り戻そう。

改善エクササイズ:コブラプレス(5回×1〜2回セット)

コブラプレス

うつ伏せで肘先を床につけ、上体を支える。息を吸い、口から「ハーッ」と一気に大きく吐きながら、できる場合は手で床を押して上体を起こす。へそは床に近づけ、腰椎の自然なカーブを意識して吐く息を繰り返す

前傾タイプは股関節との連動で反り腰を改善

チェック

腰椎チェック

骨盤が前傾した反り腰タイプは、背もたれの間に手を挟むと隙間が大きく空くので一目瞭然。腰椎を連動させて股関節を曲げ伸ばしする動的ストレッチで、前後で衰えた腸腰筋と大臀筋にアプローチを。

改善エクササイズ:ウォールニーハグ(左右計10回×1〜2セット)

ウォールニーハグ

足を20cmほど離して壁にもたれ、頭・肩・仙骨(骨盤の中央)をつけて立つ。股関節から膝を持ち上げて抱え、2カウントで下ろして繰り返す。股関節の屈曲とともに腰椎も軽く丸めるのがコツ。反対側も行う。

編集・文/オカモトノブコ 撮影/松橋晶子 ヘア&メイク/大谷亮治 スタイリスト/高島聖子 イラストレーション/鈴木衣津子 監修/澤木一貴(SAWAKI GYM代表)

初出『Tarzan』No.849・2023年1月26日発売

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