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美しい人が「骨盤を整える」8つの理由

カラダの見た目も、機能も、不調も…骨盤を整える8つのメリット

どんな良いことがあるのかわからなければ何事も始められないものだ。骨盤は人体の要となる骨格だけれど、ここを整えると何が起こるのか? 大いなるメリットを学んでモチベーションを上げよう。

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① 出腹が凹む

正しい位置にある骨盤って一体どんな骨盤なのか? その答えのひとつは、極端な「前傾」や「後傾」が見られないこと。「前傾」とは文字通り、骨盤が前に向かって傾いている状態。「後傾」は骨盤が後ろに向かって傾いている状態

悪い姿勢の典型はどちらかというと骨盤後傾タイプ。腹を下から抱え上げるような姿勢になるので、太ってなくても下っ腹が出ているように見える。見かけ上、とっても損。じゃあ骨盤前傾タイプならいいかといえば、それもNG。

骨盤が前に傾くと背骨の反りが強くなって前に押し出されるので、こちらは上腹部がぽっこり出て見える。やはり見かけ上、かなり損。太ってないのにお腹ぽっこりという人、ダイエットよりまず骨盤から整えてみるのもひとつの手だ。

骨盤の前後の傾きの典型例

右は骨盤後傾、左は骨盤前傾の典型例。どちらにしてもお腹がぽっこり出て見える。痩せているのに出腹という原因はこれかも。

② 美尻になる

キュッと引き締まったおの土台となるのは骨盤だ。骨盤が正しい位置にあれば、お尻や太腿筋肉が持っている本来の力が保たれるからだ。

下に示したBAD姿勢を例にとってみよう。

正しい位置の骨盤と、正しくない位置の骨盤の姿勢比較

骨盤が後傾し、体幹の上部が後ろに傾き、頭が前に出ている。これを男性に多く見られる“スウェイバック姿勢”という。この姿勢では骨盤が後ろに傾く分、お尻の位置が通常より低くなる。太腿の前は引っ張られてたるみ、太腿の後ろは縮んで固まる。お尻と太腿の筋力はどちらにしろ低下し、境界線が曖昧なだらしないヒップラインになるのだ。

骨盤前傾タイプとて同じこと。骨盤が前に傾く分、お尻の位置は確かに上がる。その代わり、お尻と太腿裏の筋肉が引っ張られてたるみ、やはりヒップラインは台なしに。美尻の基本は骨盤にあり

③ 姿勢が美しく整う

サバンナですっくと立ち上がったそのときから、ヒトは頭を地面から最も遠いポジションに掲げることとなった。

頭を支える柱は背骨、その背骨の起点となるのが骨盤だ。重い頭を支持しながらストレスフリーで立ったり歩いたりできる条件のひとつは、骨盤がニュートラルな位置にあること。同時にそれは、「いい姿勢」の条件でもある。

静止状態での「いい姿勢」の目安は下に示した通り。正面から見たときカラダの中心線が地面に対して垂直になっていること側面から見たとき耳から外くるぶしまでの各ポイントを繫ぐラインが地面と垂直になっていることだ。

いい姿勢の目安

前と横から見たときの正しい姿勢の目安。前から見たときは頭のてっぺんから内くるぶしの間までのラインが一直線、横から見たときは耳から外くるぶしまでが一直線。

「いい姿勢」はむろん見た目にも美しい。写真を撮って確認してみよう。頭や肩が前に出ていたり、大きな左右差があるなら骨盤を整える必要ありだ。

④ 歩き方がキレイになる

ガニ股歩きの男性はたとえ若くてもおっさん臭く、周囲の人にどこか柄の悪い印象を与えてしまいがち。ヒールを履いた女性にありがちな、膝を曲げて歩くロボットのような歩き方は見た目に美しくないだけでなく、股関節や膝に大きな負担をかけてしまう。

ガニ股歩きは骨盤が後傾して太腿の骨が外側に開いてしまうのが主な原因。ロボット歩きは骨盤が前傾して蹴り出しのときに股関節が伸展しにくいことが原因のひとつと考えられる。

歩行と骨盤はかように、切っても切れない関係。骨盤がニュートラルな位置にあれば、まっすぐに踏み出した足を着地させ、股関節を伸展させてスムーズに蹴り出すことができる。これが理想的かつ美しい歩き方。しかも筋肉や関節に余計な負担をかけない。人生最後まで歩きたい人は骨盤の位置の見直しを。

⑤ 筋トレの効果が得られやすい

筋トレの効果が得られやすい

キング・オブ・トレーニングのスクワット標的はお尻の大臀筋、太腿前の大腿四頭筋、太腿裏のハムストリングスふくらはぎの筋肉、背中の脊柱起立筋と数多い。お尻を後ろに突き出し、フィニッシュでは膝下と上体が平行になるのが基本フォーム。骨盤は終始、やや前傾させておく必要がある。

骨盤がニュートラルな位置にあれば、このフォームは正しく行えるはず。でも、これを骨盤後傾した人が行うとどうなるか?

上体を沈めるときに膝が前に出るので、大臀筋にはほとんど刺激が入らない。腰が反らないので脊柱起立筋にも効かない。負荷のほとんどは大腿四頭筋に集中し、せっかくのスクワット効果は半減してしまう。

いずれの筋トレ種目でも同様。正しいフォームで効果を得たければ、まずは骨盤を整えることから

⑥ 立ち上がり動作が楽になる

立ち上がり動作が楽になる

ふかふかのソファに沈み込んだ姿勢から立ち上がるのはとっても難儀なはず。なぜかというと、ソファに沈み込んだ座り姿勢では骨盤が後傾しているから

座り姿勢から立ち上がるときの運動学的な理屈は以下の通り。ヒトの重心はちょうど骨盤の真ん中あたりにある。そこから地面に向かって垂直に下ろしたラインが重心線。座り姿勢の重心線と立った姿勢の重心線は当然異なる。

つまり、立ち上がるときはこの重心線の距離が近い方が楽ちんということ。

骨盤を立てて座る

骨盤を立てて座ると座位と立位の重心線の差が小さくなる。これなら誰かに呼ばれてスピーディに立ち上がれる。

猫背姿勢で骨盤が後傾していると座ったときの重心線は通常より後ろに位置する。なので、太腿の前や後ろの筋肉をより多く動員しないと立ち上がれない。一方、骨盤を正しい位置にキープして座れば、いつでもスッと若々しく立ち上がれるのだ。

⑦ 運動パフォーマンスがアップする

運動パフォーマンスがアップする

早稲田大学の研究グループの報告によると、骨盤後傾姿勢では運動パフォーマンスの低下が起こりやすい傾向があるという。

構えの姿勢から短距離のダッシュを行う実験で、骨盤をニュートラルにした場合と、意図的に前後傾させた姿勢の運動パフォーマンスを比較。すると、構えの姿勢で骨盤を後傾させると動作開始時間が遅くなりランの推進力となる地面反力の値も低いことが分かったのだ。

地面反力の水平成分

地面反力は鉛直成分と水平成分に分けられる。このうち推進力になる水平成分は骨盤正常位が最も大きかった。早稲田大学大学院スポーツ科学学術院 広瀬統一ら、スポーツ科学研究,10, 198-208, 2013

つまり、スウェイバック姿勢はスポーツにおいても不利、ニュートラルポジションや前傾姿勢は有利。

ちなみに、動作開始時間も地面反力もニュートラルと前傾では数値に有意差は見られなかったという。「脚が速い=骨盤前傾」説は必ずしも正解ではない。ならば、カラダへのダメージを防ぐためにも無理に骨盤前傾姿勢をとる必要はなし。

動作開始時間の比較

ダッシュ動作の開始時間は骨盤後傾姿勢が明らかに遅いという結果に。これはランでも球技でもとても不利。早稲田大学大学院スポーツ科学学術院 広瀬統一ら、スポーツ科学研究,10, 198-208, 2013

⑧ 肩こり・腰痛が軽減する

肩こり・腰痛が軽減する

骨盤が本来あるべき位置に収まっていないということは、カラダのどこかに余計な負担がかかっているということ。

骨盤が後傾すると背骨の上部、胸椎が後ろに強く彎曲して頭が前に出る。もうご存じのスウェイバック姿勢がこれ。頭の重みを受け止めるためにが頑張って凝りや痛みが生じる。加えて肩が前に入った巻き肩姿勢になると肩こりの原因に。

一方、骨盤前傾タイプ背骨の下部、腰椎が前に強く彎曲する。すると背骨を覆う脊柱起立筋が常に緊張を強いられて腰痛を引き起こす。

骨盤の前後傾がすべての肩こり・腰痛の元凶とは限らないが、結果的に骨盤が正しいポジションにないケースがほとんどだ。ならば骨盤をどの筋肉にも負担をかけない本来の位置に戻せばいい。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/サイトウユウスケ 監修・取材協力/國津秀治(理学療法士)

初出『Tarzan』No.826・2022年1月27日発売

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