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人前でも脱げる極上ボディを。体脂肪率10%未満の人のための、黄金率トレーニング

イマドキのカッコいい体型「菱形体型(=黄金率ボディ)」をめざし、体脂肪率別に、5つのフェイズに区切って紹介する本連載。今回は、体脂肪率10%未満の人のための極上ボディを目指すトレーニング。

体脂肪率10%未満の人のためのトレーニングメニュー
  1. 絞る(有酸素運動):インドアHIIT×週1〜2回 (詳しくはこちらの記事を参照)
  2. 盛る(筋トレ):フェイズ4の上半身+下半身、上半身+体幹にフェイズ5の上半身3種目ずつプラス。フェイズ4の上半身+下半身、体幹+下半身にフェイズ5の下半身1種目ずつプラス×1日おきに週3回。

人前でも脱げる極上ボディを。

フェイズ4(10〜15%の人のための黄金率トレ)まででも自慢できるボディだが、ここまで精進してきたら、さらなる高みへ上ろう。

筋トレの中身は更新せず、フェイズ4までの筋トレを続けながら、上半身と下半身で6つの筋肉にフォーカスした8種目のダンベルトレを新たにトッピングする。

上半身では、背中の広背筋僧帽筋、肩の三角筋、上腕外側の上腕三頭筋という4つの筋肉で計6種目。下半身では、お尻の大臀筋、太腿後ろ側のハムストリングスという2つの筋肉で計2種目だ。

フェイズ4では上半身+下半身、体幹+下半身、上半身+体幹というルーティンを1日おきに行った。上半身の6種目は2つに分け、上半身+下半身と上半身+体幹のルーティンに3種目ずつトッピング。下半身の2種目は上半身+下半身、体幹+下半身のルーティンに1種目ずつトッピングしよう。

有酸素のインドアHIITはそのまま続けるか、カラダが十分絞れたと感じたら省略も可だ。

背中のトレーニング。

背中に求めるのは、厚み&広さ。僧帽筋が厚みを演出して、広背筋が広さを醸し出す。

ベントオーバー・サイドレイズは、僧帽筋をピンポイントで鍛える種目。肩甲骨を寄せる内転を意識すると効き目がアップする。

広背筋を鍛えるプルオーバーは、広背筋と一緒に働いている大円筋にも効く。大円筋は肩甲骨の下にある小さくて地味な筋肉だが、鍛えると正面から見たときに脇からはみ出し、体幹の縁を広げて菱形ボディ作りに一役買ってくれる。

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ベントオーバー・サイドレイズ(10回×3セット)

ベントオーバー・サイドレイズ
  1. 両手にダンベルを持ち、両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. 股関節から上体を45度ほど前傾させる。
  3. 左右の肩甲骨を寄せる。
  4. 腕を伸ばし、ダンベルを肩の真下で「ハ」の字に構える。
  5. 左右の肩甲骨をさらに寄せて肘を肩の高さまで引き上げ、元に戻す。
  6. 肘の角度を変えない。
  7. 上体を深く前傾して肩甲骨を寄せたままで行う。

プルオーバー(10回×3セット)

プルオーバー
  1. ベンチにクロスするように、肩甲骨を乗せて仰向けになる。
  2. ダンベル1個を両手で縦に持ち、 両手のひらに上側のプレートを乗せる。
  3. 両脚を曲げ、腰幅に開く。
  4. 左右の肩甲骨を寄せて胸を張る。
  5. 両腕を伸ばし、ダンベルをできるだけ低く下げる。
  6. 両腕を伸ばして肩甲骨を寄せたまま、弧を描くようにダンベルを胸の真上まで引き上げ、元に戻る。

肩のトレーニング。

ビルダーが憧れるのは、体操選手の「デカくて丸い肩」だとか。肩を覆う三角筋を漏れなく強化し、内村航平選手のような肩を作ろう。

三角筋はフロント(前部)、サイド(側部)、リア(後部)の3パーツからなる。フェイズ4までで焦点を当てなかった前部は、フロントレイズで改めて攻める。あのシュワちゃんが好んだとされるアーノルドプレスでは、三角筋を全方位から鍛え上げる。背中の種目ベントオーバー・サイドレイズは、三角筋後部にも効いてくれる。

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フロントレイズ(左右交互に10回×3セット)

フロントレイズ
  1. 両手にダンベルを持ち、両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  3. 腕を伸ばし、ダンベルを肩の真下で平行に構える。
  4. 両膝を軽く曲げる。腕を伸ばしたまま、片肘を肩の高さまで上げ、元に戻す。
  5. 膝の屈伸を使わず、上体を床と垂直に保ってブレさせない。

 ※左右交互に行う。

アーノルドプレス(10回×3セット)

アーノルドプレス
  1. 両手にダンベルを持ち、ベンチに坐る。
  2. 両膝を腰幅で90度曲げる。
  3. 両肘を体側につけ、前腕を外向きに回して床と垂直に上げる。
  4. ダンベルを肩の高さで水平に構える。
  5. 左右の肩甲骨を寄せ、上体を床と垂直にキープ。
  6. 前腕を内向きに回し、肘を左右に開きながら肩より高く上げる。
  7. 続いてダンベルを勢いよくできるだけ後ろに上げ、元に戻る。

上腕外側のトレーニング。

上腕の筋トレでは、力コブを作る上腕内側の上腕二頭筋がトレーニング対象になりやすいが、黄金率ボディを狙うなら上腕外側の上腕三頭筋が標的。上腕が太くなり、上半身全体にが出るからだ。

上腕三頭筋は、長頭、外側頭、内側頭という3本の筋肉の集まり。このうちフレンチプレスで長頭が肥大すると、上腕が逞しく見えるうえにメリハリと陰影が出る。キックバックで外側頭が発達すると外側に張り出して、上半身の菱形フォルムが強調できる。

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フレンチプレス(左右各10回×3セット)

フレンチプレス
  1. 右手にダンベルを持ち、ベンチに坐る。
  2. 右肩の真上に右肘を上げ、右肘を天井に向ける。
  3. 肘を曲げ、ダンベルを首の後ろに下げる。
  4. 両膝を腰幅で90度曲げる。
  5. 左手は左太腿に乗せる。
  6. 肘の位置を固定したまま、右肘を伸ばしてダンベルを右肩の真上に押し上げ、元に戻す。
  7. 上体を床と垂直にキープしてブレさせない。

 ※左右を変えて同様に行う

キックバック(左右各10回×3セット)

キックバック
  1. 左手にダンベルを持ち、ベンチに右手と右膝をつく。
  2. 上体を床と平行に倒す。
  3. 脇を締め、左肘を左肩の高さに上げ、上腕を床と平行にする。
  4. 肘を90度曲げ、ダンベルを肘の真下に下げる。
  5. 肘を高く保ったまま、肘をしっかり伸ばしてダンベルを後ろに引き上げ、元に戻す。
  6. 肘のポジションを決して下げないこと。

 ※左右を変えて同様に行う。

下半身のトレーニング。

太すぎないシャープな足腰を作る鍵は、お尻の大臀筋と太腿後ろ側のハムストリングス。どちらも、脚を後ろに上げるときのように、股関節を伸展させる筋肉だ。

日常生活ではじっと坐っている時間が長く、股関節は曲がったままなので、大臀筋もハムも衰えやすく、足腰が緩みやすい。この2種目では、いずれも股関節を強く伸展させて大臀筋とハムを鍛錬する。シングルレッグ・デッドリフトが完璧にできたら、下半身は相当仕上がってきたと喜んでいい。

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シングルレッグ・デッドリフト(左右各10回×3セット)

シングルレッグ・デッドリフト
  1. 両手にダンベルを持ってまっすぐ立ち、肘を伸ばして体側で下げる。
  2. 右足を軽く後ろに引き、片脚立ちになる。
  3. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  4. 右脚を伸ばしたまま後ろに上げ、骨盤を前傾させる。
  5. 右脚の動きとシンクロするように、上体を股関節から前傾させる。
  6. 上体と右脚を床と平行に近づけて静止し、左足の踵で床を押して元に戻る。
  7. ダンベルは肩の真下に下げたままで行う。

 ※左右を変えて同様に行う。

ステップアップ・ニーアップ(左右各10回×3セット)

ステップアップ・ニーアップ
  1. 両手にダンベルを持ってまっすぐ立ち、肘を伸ばして体側で平行に下げる。
  2. ベンチに左足を乗せる。
  3. 上体を前傾させて、左足に体重を乗せる。
  4. 右足の踵から頭まで一直線に保つ。
  5. 左右の肩甲骨を寄せる。
  6. 左足の踵でベンチを強く押し込み、その反動で立ち上がる。
  7. 立ち上がった勢いで、右膝を高く引き上げ、元に戻る。
  8. 右足で床をなるべく押さないようにする。

 ※左右を変えて同様に行う。

守るか、攻めるか。フェイズ5以降のトレーニング術。

今回ご紹介したフェイズ5まで終えたら、その後はどうすべきか。トレーニングを一切ストップし、暴飲暴食の生活に逆戻りしたら、体型はいずれ元の緩んだ状態に逆戻りする。せっかくの努力を無にしないために、目的に応じて次の2つの方法を提案しよう。

  1. 作った体型を守りたいなら…フェイズ4+5(本記事)のメニューを続ける。カラダを変えるには週2回以上のトレーニングが求められるが、作ったカラダを保つなら、週1回でも十分。フェイズ4+5の上半身+下半身、体幹+下半身、上半身+体幹という3つのルーティンから1つ選び、週替わりで週1回続けたい。余力があればHIITもプラス。
  2. もっとカラダを磨きたいなら…自宅トレを卒業してジムへGO。ここまで自宅でできることは、かなりやり切った。ジムならダンベルはもちろん、マシンやバーベルだって使い放題。新たな刺激が次々と筋肉に入るから、コンテスト入賞レベルの黄金率ボディを作り上げることも夢ではない。

プロテインの賢い活用術。

筋肉を盛るにはタンパク質の増量が不可欠だが、絞ってキレを出すには無駄な脂質は極力排除したい。

フェイズ5では、これまでよりもさらに増量して体重1kg当たり1.6g以上のタンパク質を摂りたい。しかし、肉類や魚介類といったタンパク源には、少なからず脂質が含まれる。食事からタンパク質を増やそうとすると、脂質の摂取量も増えるというジレンマがある。

このジレンマを解決するために利用したいのが、プロテイン。牛乳などを原料に精製したパウダー状のタンパク質サプリだ。低脂質でタンパク質を効率的に摂れるのが特徴。とくに牛乳を原料とした「ホエイプロテイン」に豊富なロイシンという必須アミノ酸には、タンパク質の合成スイッチをオンにする働きがある。

プロテインの摂取タイミングは、食間筋トレ直後。食間で空腹を感じるときは、エネルギー源として筋肉のタンパク質が分解されている恐れがある。そして筋トレ直後は、筋肉の合成が盛んだ。プロテインで筋肉の分解を抑えて、合成を促そう。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/イオクサツキ 取材協力/清水忍(IPF)

初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売

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