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憧れの細マッチョに! 体脂肪率10〜15%の人のための、黄金率トレーニング

今回は、体脂肪率10〜15%の人向けのダンベルを使用したトレーニング。イマドキのカッコいい体型「菱形体型(=黄金率ボディ)」をめざし、体脂肪率別に、5つのフェイズに区切って紹介する連載です。

体脂肪率10〜15%の人のためのトレーニングメニュー
  1. 絞る(有酸素運動):インドアHIIT(20秒→20秒→20秒×3〜4セット(インターバル10秒)×週1〜2回)
  2. 盛る(筋トレ):ダンベルトレ(上半身+下半身、体幹+下半身、上半身+体幹という3つのルーティン(各8種目)を1日おきに週3回(所要時間30分))

武器はダンベル、憧れの細マッチョ。

いよいよカラダ作りも大詰めに近づいた。フェイズ3(体脂肪率15%〜20%の人のための黄金率トレ)よりも、盛る筋トレの比重を高めて「細マッチョだね!」と言わせる体型に。筋トレの中身も、自体重トレからダンベルトレへバージョンアップ。ダンベルを使うと、狙った筋肉が思い通りにデザインしやすい。

ダンベルトレで大事なのは、重さの設定。筋肉を盛るには、一度に10回反復するのがやっとという重さ(10RM)で、限界まで10回×3セット行うのが有効(インターバルは60秒以内)。基礎筋力や種目で10RMは変わるから、いろいろ試して適した重さを見つける。筋肉がつくと、10RMの重さは右肩上がりになる。3セットとも余裕で12回できるようになったら、10%程度ウェイトを上乗せしたい。

プログラムは、フェイズ3と同じくスプリットルーティン法で。上半身+下半身、体幹+下半身、上半身+体幹という3ルーティンを1日おきに週3回やるのだ。有酸素はHIITを行おう。

上半身の筋トレ、4種目。

上半身の花形的なダンベルトレはダンベルプレスだが、黄金率を刻むダンベルトレの4番打者はショルダープレス。菱形ボディの頂点を際立たせるために、肩をジャケットのパッドのように覆っている三角筋に全集中しよう。

上半身の種目に限らず、ダンベルトレ全般で気をつけたいのは、重さにこだわりすぎないこと。10RMを見つけることは重要だが、重さばかりが気にかかると、フォームが乱れても決められた重さを上げることにやっきになりがち。

でも、それは間違い。1セット10回の種目でも、途中でフォームが崩れたら、そこで強制終了。それ以上やっても効かないし、思わぬ故障を負うリスクもある。意識はダンベルではなく、つねにフォームに向けることをお忘れなく。

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ダンベルプレス(10回×3セット)

ダンベルプレス
  1. 両手にダンベルを持ち、頭からお尻までベンチにつけて仰向けになる。
  2. 両膝を90度曲げ、両足を床に下ろす。肘を伸ばし、肩の真上に
  3. ダンベルを押し上げ、床と平行に並べる。
  4. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を軽く反らせる。
  5. 肘を曲げてダンベルを乳首の高さまで下ろす。
  6. 前腕はつねに床と垂直に保つ。
  7. ダンベルを押し上げて元に戻す。

トライセプス・エクステンション(10回×3セット)

トライセプス・エクステンション
  1. 両手にダンベルを持ち、頭からお尻までベンチにつけて仰向けになる。
  2. 肘を伸ばし、肩の真上でダンベルを平行に構える。
  3. 両膝を90度曲げ、両足を床に下ろす。
  4. 肘を90度曲げ、前髪の生え際までダンベルを下ろし、元に戻す。
  5. 脇を締め、肘の位置を変えないで行う。

ショルダープレス(10回×3セット)

ショルダープレス
  1. 両手にダンベルを持ち、ベンチに坐る。
  2. 肘を曲げ、耳と肩の中間でダンベルを構える。
  3. 前腕が床と垂直になるように構える。
  4. 左右の肩甲骨を寄せ、上体を床と垂直に保つ。
  5. 両膝を腰幅で90度曲げる。
  6. 肘を伸ばし、肩の真上よりもやや外側へダンベルを押し上げ、元に戻る。
  7. 上体が前後にブレないように注意する。

ワンハンド・ロウイング(左右各10回×3セット)

ワンハンド・ロウイング
  1. 左手にダンベルを持ち、ベンチに右手と右膝をついて上体を床と平行にする。
  2. 肘を伸ばし、ダンベルを左肩の真下に下げる。
  3. 背骨の延長線上に頭を保ち、目線はやや前方に向ける。
  4. 左側の肩甲骨を内側に寄せ、肘を天井に向けてダンベルを脇腹に引き寄せ、元に戻す。
  5. 肩甲骨を寄せる際、つられて体幹が回らないように体幹を床と平行に保つ。

 ※左右を変えて同様に行う。

体幹トレ、4種目。

フェイズ3と同じように、体幹は高回数で攻めるのではなく、高負荷&1セット10回でギブできるように追い込む。ときにはダンベルの重みを上手に使おう。

鍵を握る種目は、ドラゴンフラッグ。筋トレマニアにはよく知られたエクササイズであり、動きが派手で習得が難しく、強度も高いので、こなせることが強者の証明のような扱いを受けている。

でも、このフェイズでドラゴンフラッグを加えたのは、マウンティングの道具にしてほしいからではない。ベンチを両手でホールドし、ブリッジしながら下半身を低く下ろす動きは、体幹のみならず、上腕外側の上腕三頭筋や背中の広背筋にも効く。つまり菱形体型をデザインするうえで、一石三鳥の種目。5回できたら上出来だ。

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スローダウン・クランチ(10回×3セット)

スローダウン・クランチ
  1. ダンベルのプレート1枚を両手で持ち、床に坐る。
  2. 両脚を腰幅に開き、膝を軽く曲げる。
  3. 両腕を床と垂直に伸ばし、プレートを天井へ向け、上体を軽く後傾させる。
  4. 腕を伸ばしてプレートを天井へ向けたまま、背骨を下から1個ずつ床につけるようにゆっくり上体を床に近づけ、肩甲骨が触れたら元に戻る。
  5. プレートが膝側へ倒れないように注意する。

ホバー・ニーレイズ(10回×3セット)

ホバー・ニーレイズ
  1. ベンチに坐り、両手で前側の縁を摑む。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  3. 両膝を90度曲げ、両足を床に下ろす。
  4. 両手でベンチを強く押し、お尻を浮かせる。
  5. 両膝をできるだけ高く引き上げ、2秒間静止。元に戻る。
  6. 上体が前後にブレないようにする。

シッティング・ツイスト(10往復×3セット)

シッティング・ツイスト
  1. ダンベルのプレート1枚を両手で持ち、床に坐る。
  2. 両脚を腰幅に開き、膝を軽く曲げる。
  3. 脇を締め、肘を曲げてプレートを胸の前で構え、上体を軽く後傾させる。
  4. プレートを真横に向けるように、左右交互に上体をひねる。
  5. 腕を伸ばすほど、テコのアームが延びて負荷が高まる。

ドラゴン・フラッグ(3〜5回×3セット)

ドラゴン・フラッグ
  1. ベンチで仰向けになり、座面の中央を両手で摑み、脇を締める。
  2. 両脚を揃えて膝を90度曲げ、床と垂直に上げる。
  3. お尻を高い位置に保ったまま、膝を曲げたままで両脚を遠くへ下ろす。
  4. お尻がベンチにつきそうになったら、元に戻る。

 ※安定感のあるベンチで行うこと。シートの角度が変えられる可変式の場合、座面が不安定になることがあるので注意。

下半身の筋トレ、4種目。

下半身トレには、両足を床について行うものと、片脚立ちで行うものがある。前者は姿勢が安定しているから、重たいウェイトで鍛えられるのがメリット。一方、後者には左右の筋力のアンバランスが修正できるという利点がある。

均整の取れた体型になる秘訣は、ブルガリアン・スクワットのような片脚立ちの種目を疎かにしないこと。利き脚があるから、片脚立ちだと「右脚はいいけど、左脚はダメ」といった偏りが必ず出る。

弱点が明らかになったら、苦手な方に合わせて重さや回数を調整。得意な方に合わせると左右差が一層拡大し、体型に歪みが生じるからだ。苦手な方ができる重さ&回数に留め、フォームを崩さず丁寧に行い、苦手な方の筋力が高まり、左右差が矯正されるのを待とう。

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ブルガリアン・スクワット(左右各10回×3セット)

ブルガリアン・スクワット
  1. 両手にダンベルを持ち、左足の甲をベンチに乗せ、大股1歩分離れて立つ。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  3. ダンベルを体側で下げ、平行に構える。
  4. 右足に6〜7割の体重をかけ、上体を前傾させる。
  5. 右太腿が床と平行になるくらいまでしゃがむ。
  6. 右足の踵で床を強く押して元に戻る。

 ※左右を変えて同様に行う。

フォワードランジ(左右各10回×3セット)

フォワードランジ
  1. 両手にダンベルを持ち、腰幅スタンスで立つ。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。上体は床と垂直に。
  3. ダンベルを体側で下げ、平行に構える。
  4. 左膝を腰の高さまで引き上げる。
  5. 床板を踏み抜く気持ちで、左足を大股1歩分前に踏み出す。
  6. 体重を思い切り乗せた1歩にブレーキをかけて受け止める。
  7. 右足の膝を床すれすれまで下ろす。
  8. 左足の踵で床を蹴って元に戻る。

 ※左右を変えて同様に行う。

ダンベル・スクワット(10回×3セット)

ダンベル・スクワット
  1. 両手にダンベルを持ち、腰幅スタンスで立つ。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。
  3. ダンベルを体側で下げ、平行に構える。
  4. お尻を後ろに引きながら、太腿が床と平行になるまでしゃがむ。
  5. 股関節から曲げ、それにつれて膝も曲げる。
  6. 骨盤を後傾 (肛門が前を向く動き)させない。
  7. 両足で床を強く押して元に戻る。

デッドリフト(10回×3セット)

デッドリフト
  1. 両手にダンベルを持ち、腰幅スタンスで立つ。
  2. 左右の肩甲骨を寄せ、胸を張る。上体は床と垂直に。
  3. ダンベルを肩の真下で下げ、太腿前で床と平行に構える。
  4. お尻を後ろに引きながら、カラダに沿ってダンベルを膝より低く下げる。
  5. 股関節から上体を曲げ、それにつれて膝も曲げる。
  6. 両足で床を押して元に戻る。

有酸素運動は、HIITで最小限に。

このフェイズでも、盛る筋トレの邪魔をしないように、有酸素運動はHIITで短時間&最小限にセーブする。

フェイズ3のアウトドアHIITがお好みなら、そのまま続けるのもアリ。ここでは、いちいち有酸素のために外に出るのが面倒と感じる人のために、インドアで静かに行えるHIITを紹介しよう。3種類のエクササイズを20秒間全力で可能な限り素早く行い、10秒のインターバルを挟みながら連続させる。これを3〜4セット。所要時間はわずか5〜6分で済む。

近所迷惑にならぬように気をつけると、自然にブレーキをかけながら静かに動くようになる。ブレーキをかける=筋肉が伸びながら力を出すエキセントリックの動きを伴うと、筋肥大も起こりやすい。

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バーピー(20秒)

バーピー
  1. 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. 両腕を体側で下げる。
  3. その場でしゃがみ、両手を床につく。
  4. 軽くジャンプして両脚を伸ばし、腕立て伏せの開始姿勢に。
  5. 頭から踵まで一直線に保ち、腰を落とさない。
  6. 軽くジャンプして③に戻る。
  7. まっすぐ立ち上がる。
インターバル10秒

クロスカントリー(20秒)

クロスカントリー
  1. 両足を揃えてまっすぐ立つ。
  2. その場で軽くジャンプして両足を大股1歩分前後に開く。
  3. 同時に前足側の肘を後ろ、後ろ足側の肘を前に振る。
  4. その場で軽くジャンプして両脚、両腕を素早く入れ替える。

 ※クロスカントリースキーのイメージでリズミカルに続ける。

インターバル10秒

アームサイクル(20秒)

アームサイクル
  1. 両肘を肩の真下で床についてうつ伏せになる。
  2. 両脚を揃えてまっすぐ伸ばし、爪先を立てる。
  3. 肘と前腕、爪先で全身を支え、頭から踵まで一直線に保ち、腰を落とさない。
  4. 右手→左手と肩の真下で床につく。
  5. 右肘→左肘と肩の真下でついてスタート姿勢に戻る。

 ※以上を10秒行ったら、左手→右手→左肘→右肘と左手スタートを10秒行う。

腸内環境を整えて代謝を引き上げるには。

腸内環境を整えて代謝を引き上げる

腸内環境が脚光を浴びているが、実はカラダ作りとも関わっている。

キーワードは、短鎖脂肪酸。短鎖脂肪酸とは、腸内の善玉菌が作り出す酪酸や酢酸などのこと。短鎖脂肪酸は大腸から体内へ吸収されると、自律神経のうちでも交感神経を活性化して代謝をアップ。脳にも作用して食欲を抑える。

短鎖脂肪酸を合成する善玉菌を元気にするのに大切なのは、食物繊維の摂取。なかでも水に溶ける水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなり、短鎖脂肪酸の生成を促す。水溶性食物繊維はもち麦、ラッキョウ、海藻、きのこなどに含まれる。

それ以外でも善玉菌は、難消化性のオリゴ糖を原料として短鎖脂肪酸を作る。難消化性オリゴ糖には、タマネギやゴボウのフラクトオリゴ糖、大豆の大豆オリゴ糖などがある。

食物繊維の1日の摂取目標量は男性21g以上女性18g以上だが、成人男女の平均摂取量は15g。食物繊維自体は気になるカロリーはほぼゼロ。水溶性を中心に穀物、野菜、海藻、きのこなどから摂取を増やそう。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/イオクサツキ 取材協力/清水忍(IPF)

初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売

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