しっかり食べて痩せるための4つのルール
食事を減らせば痩せる!は大正解だけれど、それはツラいのも事実。贅肉の浮き輪(=お腹まわりの脂肪)を取るには、普段の食事に栄養・機能をプラスする「足す食事」を取り入れたい。今回は、脱・贅肉浮き輪のために実践したい4つの「食べ方の工夫」を紹介!
取材・文/井上健二 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/西森萌 監修・料理作製/河村玲子
浮き輪ゾーンの贅肉とは?
浮き輪ゾーンとは、ヘソと左右の腰骨との間を中心に、腰まわりを贅肉が帯状にグルリと一周する部分(写真上の色で示した部分)。内部には内臓脂肪が溜まり、外側を皮下脂肪が腰まわりを一周するように囲み、溜まった体脂肪が、浮き輪をハメているように見えることから名付けた。
ダイエットというと、これまではカロリーや食事量を減らす「引く食事」が主流だった。でも、カロリーや食事量を減らす食生活は窮屈だし、辛くて長続きしない。
そこで脱・浮き輪のためにぜひ取り入れたいのは、贅肉を落とすために欠かせないものをプラスする「足す食事」(詳しくはこちらの記事:本気で痩せたいなら食事にタンパク質をプラスすべき理由)。
シリーズの最後は栄養素ではなく、プラスしたい食べ方の工夫を紹介。栄養・機能を足すだけではなく、食べ方も工夫すれば完璧。頑固な浮き輪も徐々に消えていくはず。
① 何時に何を食べたかを記録する
食べすぎているつもりは毛頭ないのに、なかなか痩せられない。そんな悩みがあるなら、いつ何を食べたかを記録する「食事日記」を足し算しよう。スマホアプリやノートに食べたものを書き留め、日々の食事を“見える化”するのだ。
家計の赤字を減らすには、出費を“見える化”する家計簿が有効。何に無駄遣いをしているかがわかって、どこを削ればいいのかが明確になり、出費が減って家計が黒字化する。
同じように、食事日記で何から無駄なカロリーを摂っているかが“見える化”できたら、どこをカットすればいいかが一目瞭然になり、効率的なダイエットが行える。
3食の内容はだいたい把握していても、コーヒーブレイク時の飲み物や軽食を勘定に入れていない人は案外多い。たとえば、コンビニのカフェラテLサイズ+クッキー2枚のカロリーは、ご飯1膳分と大差ない。
いちいち書くのが面倒なら、間食も飲み物も含め、口にしたものをすべてスマホで撮影する手もある。あとで見直せば、カフェラテをブラックコーヒーに替えたり、クッキーを1枚に留めたりするなど、修正ポイントが自ずと見えてくるに違いない。
② 食事の色をカラフルに整える
豚骨ラーメンに半チャーハン、牛丼とカレーの合い掛け…。現代人の食事は、油断すると茶色っぽくなりがち。それだと栄養素が偏り、高カロリーにもなりやすい。
贅肉の浮き輪とサヨナラするには、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素を過不足なく摂るべき。それを叶える近道は、できるだけカラフルな食卓。理想は、主食+主菜+副菜+汁物の一汁三菜のフルラインナップで、赤、緑、黄、白、黒の5色をコンプリートすることだ。
赤い食材は、赤身の肉や魚のようにタンパク源となるものが多い。赤、緑、黄の食材は、緑黄色野菜や果物のようにビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となる。色鮮やかな野菜や果物には、抗酸化作用を持つ成分が含まれることも多い。
ご飯、パン、麺類のような白い食材は糖質が主体。卵、大豆・大豆食品、牛乳・乳製品は、タンパク源だ。最後の黒い食材は、海藻類やきのこ類など。こちらもミネラルや食物繊維を摂るのに最適である。
SNSに思わず写真を上げたくなるようなカラフルな食事を心がけて。
③ 食べ順を意識する
同じ食事でも、何から食べるかでダイエット効果には差がつく。何よりも足し算したいルールは、カーボラスト。カーボ=糖質を最後に摂るという約束事だ。言い換えると主食ラスト。糖質を多く含むご飯、パンといった主食を最後に回すのだ。
なぜカーボラストなのか。
空腹で糖質を一度にたくさん食べると、血糖値が急上昇。血糖値を下げるインスリンが出すぎ、血糖値が急激に下がりすぎる。血糖値が急下降するとお腹が空くので、食後に甘いモノなど間食を欲するようになり、浮き輪につながりやすい。
カーボラストを守るため、主食以外の主菜、副菜、汁物を先に摂る。それで減量効果をプラス。
最初は主菜。主菜の肉類や魚類などに含まれるタンパク質と脂質は、食欲を抑えてくれるため、真っ先に口にすると食べすぎが避けられる。副菜と汁物の野菜、海藻類、きのこ類、芋類などには、食物繊維が豊富に含まれる。
すると咀嚼に時間がかかり、過食につながる早喰いにブレーキがかけられる。加えて、食物繊維が消化吸収をゆっくり進め、血糖値の乱高下が一層セーブできて間食がブロックされやすいのだ。
④ 栄養素を確認する
コンビニのサンドイッチやお弁当、スーパーのお惣菜を買ったり、ファストフード店などで手軽に食事を済ませたりする人は多いはず。
その際、習慣にしたいのが、カロリーと栄養素をチェックすること。中食や外食では、その気になれば、カロリーと栄養素が細かくわかる。確認するクセを足せば、過食や栄養素の偏りで太る心配が減らせる。
1食当たりのカロリーは、男性で700〜800キロカロリー、女性で650キロカロリー前後が目安。それを大きくオーバーしたら、その後の食事を控えめにしよう。
栄養素でとくに気にしたいのは、タンパク質と糖質。ちゃんと食べて痩せたいなら、タンパク質をしっかり摂るべき。1食当たり男性で20g、女性で15gを超えるようにする。
一度に糖質を多く摂ると、余った糖質が体脂肪に変わり、血糖値が一度上がりすぎた後、急に下がると空腹感が募って間食に走りやすい。1食当たりの糖質の上限量を40g前後に抑えると、こうした負の連鎖が起こりにくい。