全15問! 筋トレ1年生のための「トレーニング超基礎テスト」
どんなスポーツでもコーチから口酸っぱく言われるのが、基礎、基本。もちろん筋トレも同様だ。基礎を学ぶことなく漠然と始めると、効果が実感できずに挫折する三日坊主率も高くなる。結果が出る筋トレライフを送るためにも、本気の新入生はゼロから学ぼう!
取材・文/神津文人 イラストレーション/竹田嘉文 監修/高瀬雅弘(フラクタルワークアウト代表)
初出『Tarzan』No.824・2021年12月16日発売
目次
- 問題① トレーニングのとき呼吸はどのようにすべき?
- 問題② どれくらい続ければ筋トレの効果を感じられる?
- 問題③ 筋トレでついた筋肉は、どれくらいトレーニングをサボると落ちてしまう?
- 問題④ 筋トレをするのに、最も適している時間帯はいつ?
- 問題⑤ トレーニングの効果を高めるために最適な睡眠時間は?
- 問題⑥ 筋トレ初心者が筋肥大のために筋トレと同時にすべきことは?
- 問題⑦ トレーニングの後に筋肉痛が! 翌日以降のトレーニングはどうすべき?
- 問題⑧ 自分のレベルに合っている筋トレメニュー選びの基準は?
- 問題⑨ 筋トレを続けていたら、ラクにできるようになってきた。どうすべき?
- 問題⑩ いざスクワット3セットに挑戦。セット間の休憩はどれぐらいにすればいい?
- 問題⑪ 腕立て伏せをするときに、スピードをゆっくりにするべきタイミングは?
- 問題⑫ オールアウトとはどのような状態をいう?
- 問題⑬ ストレッチを取り入れるタイミングはどのタイミングがいい?
- 問題⑭ 体幹とはどの部位のことをいう?
- 問題⑮ 筋トレでは、“効かせる”ことが大切。これはどんな意味?( )に当てはまる言葉を選びなさい。
問題① トレーニングのとき呼吸はどのようにすべき?
解答&解説
答えは(B)の力を出すときに吐く。
大きな力を発揮するポジティブ動作(スクワットなら立ち上がる、プッシュアップなら腕を伸ばすタイミング)のときに息を吐き出し、反対のネガティブ動作で息を吸うのが正解。
大きな力を発揮するために、あえて呼吸を止めるバルサルバ法というものも存在するが、血圧が急上昇してしまうので、一般的には推奨されない。
問題② どれくらい続ければ筋トレの効果を感じられる?
解答&解説
答えは(B)の4週間。
もちろん個人差があるのは大前提だが、例えば「ターザン」本誌の特集で紹介しているプログラムを行った場合、4週間で効果を感じることができるはず。一般的に、筋肉が大きくなる筋肥大よりも筋力アップの方が先に感じられることが多い。
タンパク質の摂取量が少なかったり、睡眠不足だったりすると、筋トレの効果が十分に得られないことがあるので注意。
問題③ 筋トレでついた筋肉は、どれくらいトレーニングをサボると落ちてしまう?
解答&解説
答えは(C)の3週間で落ちる。
病気やケガ、忙しさが原因で筋トレを休んだら、どれくらいで筋肉量が減ってしまうのか。個人差はあるものの、一般的に3週間以上トレーニングを休むと徐々に筋肉量が落ちてくるとされている。
ただ、一度発達させた筋肉を元に戻すのは、ゼロから筋肉をつけるよりも短期間で済む。過去の筋トレが無駄になることはないのだ。
問題④ 筋トレをするのに、最も適している時間帯はいつ?
解答&解説
答えは(B)の仕事終わり。
起床後すぐは血圧が低く、カラダも温まっていない。ウォーミングアップをする時間があれば問題ないが、そうでない場合は最適とは言えない。筋トレを行うと交感神経が優位になるので、就寝直前に行うと寝つきが悪くなることも。
総合的に判断すると仕事終わりがベストとなる。とはいえ継続しやすいタイミングであることが大切。
問題⑤ トレーニングの効果を高めるために最適な睡眠時間は?
解答&解説
答えは(B)の7時間。
睡眠中に分泌される成長ホルモンにはカラダの組織の修復を促す効果がある。睡眠の質が低かったり、時間が短いと筋肉は十分に大きくならないのだ。また、睡眠には心身の疲労を回復させる効果がある。
カラダの疲れが抜けていなければ、筋トレをする際のパフォーマンスが落ちてしまうし、精神的な疲れが残っていれば運動することへのモチベーションが低下してしまう。筋トレで必要な力を発揮し、その頑張りによる効果を最大化するためには、少なくとも7時間程度は寝たい。
問題⑥ 筋トレ初心者が筋肥大のために筋トレと同時にすべきことは?
解答&解説
答えは(B)のタンパク質補給。
筋肉の材料であるタンパク質なくして、筋肥大は見込めない。1日に体重1kg当たり1〜2gは摂取するように心がけたい。
ダイエットや脂肪燃焼を目的とした場合は、ジョギングなどの有酸素運動は有効だが、干渉効果によって筋トレの効果を下げてしまう可能性がある。カラダがマラソンランナーのような筋肉が少なめの肉体で適応しようとして、筋肥大を妨げてしまうのだ。
摂り過ぎている糖質を控えることは健康面から考えても大切。しかし、質の高いトレーニングには、筋肉を育てるのにある程度の糖質が必要になる。
問題⑦ トレーニングの後に筋肉痛が! 翌日以降のトレーニングはどうすべき?
解答&解説
答えは(C)の痛みがある程度治まってきたら続行する。
筋肉痛は、日常で使っている範囲よりも筋肉を伸ばした状態で力を使うと起こりやすい。たとえば猫背の人は、腕立て伏せをすると大胸筋が筋肉痛になる可能性が高いということ。
筋肉痛があると筋トレが億劫になるものだが、ある程度治まったら筋トレを再開したい。再開の目安は、痛みで動かすのも辛い状態を10としたとき、3程度になった頃。痛みが強すぎるとフォームが崩れる可能性があるし、痛みがなくなるまで待っていると頻度が不足してしまうからだ。
問題⑧ 自分のレベルに合っている筋トレメニュー選びの基準は?
解答&解説
答えは(A)の20回ギリギリ続けられる。
筋肉を効率よく肥大させるためには、適切な負荷(重量)、回数、頻度を見極める必要がある。高重量・低回数でも、低重量・高回数のどちらでも筋肥大効果はあるが、あまりにも小さすぎる負荷設定では効果は出ない。
つまり20kgのダンベルを上げ下げできる人が、500mLのペットボトルで同じ動作をしても筋肥大は見込めないということ。正しいフォームで連続してギリギリ20回できるかどうかが、自分に適したメニューを見極める一つの基準。
30回、40回と休まずにこなせるメニューは、負荷不足である可能性が高い。
問題⑨ 筋トレを続けていたら、ラクにできるようになってきた。どうすべき?
解答&解説
答えは(B)の難度の高いメニューに変える。
筋トレを続けていると、筋力向上に伴い以前よりもラクにこなせるようになってくる。さらなる筋肥大、筋力アップを目指すには、負荷を段階的に上げていかなければならない。
ダンベルやバーベルなら扱う重量(1〜5kg程度が目安)を少しアップ。自体重トレならば、より負荷の高いメニューに挑戦しよう。回数を増やすのもアリ。
問題⑩ いざスクワット3セットに挑戦。セット間の休憩はどれぐらいにすればいい?
解答&解説
答えは(B)のしっかり回復してから。
たとえば10回×3セットでスクワットをする場合、2セット目、3セット目もしっかりと10回こなせるだけの、セット間の休憩を取る必要がある。リカバリーに必要だと感じたなら2〜3分休んでOK。
休憩を短くするとキツさが増し、達成感は得られるが、こなせる回数が減ってしまうと、筋肥大や筋力アップにとってはマイナス。基本的には十分に回復してから次のセットに向かうべし。中上級者で筋持久力や心肺機能の向上が目的の場合は、あえて休憩を短く設定するという手もある。
問題⑪ 腕立て伏せをするときに、スピードをゆっくりにするべきタイミングは?
解答&解説
答えは(A)の腕を曲げるとき。
ターゲットとした筋肉が収縮するポジティブ動作の際は素早く、伸張するネガティブ動作の際はゆっくりと行うのが基本。つまり腕立て伏せなら腕を曲げて胸を床に近づけ、大胸筋が伸張するときに“ゆっくり”を心がけるといい。
2秒で腕を伸ばし、4秒で腕を曲げるのが一つの目安になる。アスリートがパワーアップのために、爆発的なスピードを意識した筋トレを行うことがあるが、一般的なトレーニング実施者はとにかくフォーム重視。じっくりと鍛え上げよう。
問題⑫ オールアウトとはどのような状態をいう?
解答&解説
答えは(A)の持っている力をすべて出し切った状態。
鍛えたい部位の筋肉に負荷をかけ続け、力を出し切った状態がオールアウト。もう無理と感じたところから、さらに振り絞った先に待っているものだ。
たとえばダンベルを使ってアームカールをしていて、もう肘を曲げる動作すら困難なところまで追い込めたら、見事オールアウト達成となる。達成感や高い筋トレ効果は得られるが、筋肥大や筋力アップを目的とした場合、必ずしもオールアウトするまで追い込む必要はない。
過度な追い込みは、心理的な疲労やケガのリスク増加にも繫がる。
問題⑬ ストレッチを取り入れるタイミングはどのタイミングがいい?
解答&解説
答えは(A)の筋トレ前にストレッチ。
ストレッチには、一定時間同じ姿勢を保って静止した状態で筋肉を伸ばす静的なストレッチと、ある動きを一定回数繰り返しながら関節や筋肉に刺激を与える動的なストレッチ(ダイナミックストレッチ)がある。
たとえば、前屈は静的なストレッチにあたり、肩を回すような運動は動的なストレッチとなる。筋トレ前に推奨したいのは、動的なストレッチ。使う筋肉をあらかじめ動かしておくと、筋トレ中に意識しやすく、ケガのリスクも小さくなる。
ちなみに筋トレ前の長時間に及ぶ静的ストレッチは、パフォーマンスや筋肥大効果の低下に繫がるとされている。
問題⑭ 体幹とはどの部位のことをいう?
解答&解説
答えは(B)の胴体すべて。
本気でスポーツをする人ほど高いパフォーマンスを発揮するために取り組む体幹トレーニング。体幹を通じての手足の連動が不可欠なため、積極的に取り組んでいる。腹直筋をはじめとしたお腹まわりの筋肉だと勘違いされがちな体幹だが、手足を除いた部分全体のことを指す。
つまり腹筋トレ=体幹トレではないということだ。体幹の筋力が不十分だったり、うまく使えないと、動作がぶれて動きにロスが出たり、思わぬケガに繫がることもある。また、体幹の中心部、横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群は、姿勢の維持や体幹の安定に欠かせない大切な筋肉だ。
問題⑮ 筋トレでは、“効かせる”ことが大切。これはどんな意味?( )に当てはまる言葉を選びなさい。
( )に対して、( )が抜けていないこと。
解答&解説
答えは(A:筋肉)に対して(C:負荷)が抜けていないこと。
筋トレの動作中、ターゲットとした筋肉に対して常に負荷がかかっていることが大切。そのためにも正しいフォームで行う必要がある。
たとえばプッシュアップをしている際、フォームが崩れて狙いを定めたはずの大胸筋から負荷が抜けてしまうと、ボリューミーな胸板は手に入らない。ターゲット筋の収縮と伸張を意識して行おう。