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必要なのは三大栄養素だけじゃない! 気にすべき食事の基礎「PFCV」を解説

よく耳にする「PCFバランス」とは、食事における三大栄養素(P=タンパク質、C=糖質、F=脂質)のバランスのこと。このPFCにカロリーにならない栄養素=Vを加えた、「PFCV」を気にすべき理由を解説する。

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カラダづくりにはタンパク質以外も必要

シュワルツェネッガーは言った。「腹筋はキッチンで作られる」と。トレーニングに夢中になり、キッチン=食事を疎かにするのは、愚か者。運動に励んでも、食生活がメチャクチャだと効果は半減する。

せっかく鍛えるなら、正しい食事の摂り方もトレーニングしよう。略して「食トレ」だ。食トレで、もっとも意識したい栄養素は、もちろんタンパク質

「ボディビルダーでも、高齢者でも、体重1kg当たり1.52gまで1日のタンパク質の摂取を増やすと、筋トレの筋肥大効果を最大化できることがわかっています」(立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授)

タンパク質増量で筋トレ効果が最大化

質の高い研究を精査したシステマチック・レビュー/メタ・アナリシスでは、ボディビルダーでも高齢者でも筋トレをする人は筋肉量と比例する除脂肪量は1日体重1kg当たり1.62gで最大化。Mor ton et al. BJSM. 2017

ランのような有酸素運動でも、運動時にタンパク質を消耗するため、タンパク質の必要量は増える。

タンパク質だけではない。ビタミンB群は、運動のエネルギーとなる3大栄養素の代謝に欠かせない。最新の研究では、体内のビタミンDの濃度が高い人は、筋肉量が多く、体脂肪率が低いこともわかっている。

また、ミネラルのうちでも、は運動に不可欠な酸素を運ぶ働きがあり、亜鉛はカラダづくりをサポートする男性ホルモンの分泌に関わっている。

ビタミンD濃度と体脂肪率

65歳以上のオランダ人453人を対象として、血液中のビタミンD濃度と、体脂肪率との関係を調べたもの。ビタミンD濃度が高いほど、男女ともに体脂肪率は低くなることがわかる。Snijder et al. JCEM. 2005

こうしたトレーニーの食事への意識は、年齢とともに高めるべき

「筋肉合成を最大化する1回当たりのタンパク質摂取量は、若者で体重1kg当たり0.26gですが、高齢者では0.4gです。加齢につれて、運動の効果を高めるために必要な栄養素は増える傾向があるのです」(藤田聡教授)

食トレ×運動で、脂肪を減らすも、筋肉を増やすも自由自在。相乗作用でベストなボディに最速で近づこう。

改めておさらい!「PFC」の基礎

カラダを磨くヘルシーな食事と聞いて、誰もが頭に思い描くのは、低脂質で低カロリーなものだろう。

「しかし、それは古い栄養学に基づいたもの。低脂質、低カロリーだからといって、必ずしも健康的な食事とは言えないのです」(食事療法を重視する医師の亀川寛大先生)

大食漢で年々太り続けているなら、適正レベル(1日に男性2500キロカロリー、女性2000キロカロリー)までカロリー摂取を抑えるべき。でも、食べすぎていないのに、低脂質を貫いてカロリーを抑えすぎると筋肉が減り、代謝が落ちて逆効果。一時的には体重が減少しても、代謝の低下でリバウンドを起こす。

ならば、目を向けるべきは、カロリーの中身。カロリー(エネルギー)になるタンパク質(P)脂質(F)糖質(C)の3大栄養素だ。

タンパク質は筋肉をはじめとするカラダの材料になる大切な栄養素。余計な食欲を抑える消化管ホルモンの分泌を促す作用もある。脂質は、肉や魚などのタンパク源にセットで含まれる。必要以上に脂質をカットしようとすると、タンパク質が減りがちだから、要注意。

最後は糖質。日本人は摂取カロリーの半分以上を糖質から摂っている。

「糖質を摂りすぎると、体脂肪の合成を促すインスリンというホルモンの分泌が促されますから、糖質の摂りすぎは肥満につながります。本気で脂肪を減らすなら、1日60g以下が理想ですが、それが難しいなら1日130g以下を目指しましょう」(亀川寛大先生)

P=タンパク質(Protein)

タンパク質

筋肉や骨といったカラダのパーツを作る栄養素。足りないと筋肉が減り、代謝が落ちる。筋トレで筋肉を増やすなら、タンパク質の積み増しはマストだ。

タンパク質は20種のアミノ酸からなり、うち9種は体内で必要量を十分合成できない必須アミノ酸。肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆食品といった食品が、必須アミノ酸を偏りなく含むタンパク源。これらは脂質、ビタミン、ミネラルも含み、大豆食品には食物繊維も入る。必要なら、牛乳などを原料としてタンパク質を純度高く精製したサプリ=プロテインを有効活用しよう。

F=脂質(Fat)

脂質

タンパク質と糖質は1g4kcalだが、脂質は1g9kcal。ゆえにカロリー制限時には真っ先に減らされるが、脂質は体脂肪を合成するインスリンの分泌を促さないし、満腹感を誘発して過食を防ぐ。ラーメンや揚げ物の爆食で太っている人は別として、それ以外は減らしすぎなくていい

脂質のなかでも、植物油に多いリノール酸とα−リノレン酸などは体内で合成できないため、食事から摂るべき必須脂肪酸。サバなどの青魚に含まれるEPAとDHAも、体内で必要量を合成しにくいので、必須脂肪酸の仲間といえる。

C=糖質(Carbohydrate)

糖質

PFCの「C」は厳密には炭水化物。「炭水化物=糖質+食物繊維」だが、体内でエネルギーになるのはおもに糖質。ここではC≒糖質とする。

糖質は、脂質と並ぶ運動時の主要なエネルギー源。とくに筋トレのように強度の高い運動時には優先的に使われる。糖質は、ご飯、パン、麺類といった主食に多く含まれ、イモ類、甘い果物、お菓子などにも多い。

部活に励む学生のように、毎日激しく運動するなら積極的に摂りたいが、日常の活動量が激減した現代人は糖質の摂りすぎが余分な体脂肪の蓄積につながる恐れがある。

PFCに加えて気にしたい「V」とは?

見逃せないのは、PFCと違い、カロリーにならない栄養素。ここでは「V」と総称する。Vはビタミン(Vitamin)の頭文字。その他、ミネラル、食物繊維という大事な栄養素も含み、野菜、海藻、きのこ、果物などが供給源。

全身の機能を整えて健康体へ導く。カロリーだけに目を奪われないで、PFCVで食事を組み立てることが、食トレの基本なのである。 

V=ビタミン・ミネラル・食物繊維

ビタミン・ミネラル・食物繊維

ビタミン、ミネラル、食物繊維は基本的にカロリーにならない。だが、ビタミンは3大栄養素を代謝するし、ミネラルは酵素の成分となるほか、新陳代謝にも欠かせない。

加えてビタミンもミネラルも、運動で発生する有害な活性酸素を除去する抗酸化作用を持つ。食物繊維は、消化酵素では分解されない食物中の繊維質。大腸まで届いて、そこに棲む腸内細菌の代謝で微量なエネルギーを生み、腸内環境を整える。

供給源は野菜、海藻、きのこ、果物。いずれも現代人は不足気味なので、きちんと補うように心掛けたい。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 取材協力/藤田聡(立命館大学スポーツ健康科学部教授)、亀川寛大(亀川ひかるクリニック)

初出『Tarzan』No.819・2021年9月22日発売

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