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「手のひら」で目安量を知ろう! 筋肉を増やしたい人の「食事のPFCVバランス」

気にするべき食事の栄養素「PFCV」について、こちらの記事(気にすべき食事の基礎「PFCV」を解説)で紹介した。今回は、いわゆる“筋肉を増やしたい人”のためのPFCVバランスの実践法をお伝えする。

減脂肪で筋肉増量。一石二鳥のPFCV

ボディビルダーの筋肉作りは長期戦。モリモリ食べながらハードに鍛えて筋肉を増やし、コンテスト前に食事を制限して体脂肪を落とし、筋肉に見事な切れ味を出していく。

今回はより短期間で仕上げたいので、体脂肪を付けないで筋肉を増やす一石二鳥の食事術を追求する。PFCVでまず確実に摂るべきなのは、タンパク質。筋肉を作るタンパク質が足りないと、話にならない。

「減量期には減らしたい糖質も、筋肉の増量期には適度に摂りましょう。糖質は、筋トレのように強度の高いトレーニングのエネルギー源です」(管理栄養士の河村玲子さん)

さらに、糖質を摂ると分泌されるインスリンは筋合成を助ける働きがある。インスリンは体脂肪の合成も促すが、運動量が確保できていれば、体脂肪の蓄積を恐れるより、筋肥大を進める作用に期待すべきだろう。

脂質は肉や魚といったタンパク源からも入ってくるので、脂質は植物油大さじ1杯程度にセーブする。

筋トレで筋肉を肥大させるプロセスでも、ビタミンミネラルは重要な役割を果たす。野菜などからのV(ビタミン・ミネラル・食物繊維)の摂取を多めにして、肉体改造を加速する体内環境をキープしたい。

体格とリンクする手のひらや拳のサイズを基準にPFCVのボリュームを決める手軽な方法にトライしよう。

P=タンパク質の1日の目安量

タンパク質の摂取目安量

1日体重1kg当たり1.6gを摂取。これは筋トレの筋肥大をブーストする量だ。肉、魚、卵、大豆食品、牛乳・乳製品という5大タンパク源を1日で制覇しよう。

手ばかりは「脂肪を減らす場合」の分量と同じだが、多少脂質を含む食材を選び、タンパク量を調節。それにプロテインを1日1回摂れば完璧だ。

F=脂質の1日の目安量

脂質の摂取目安量

肉や魚といったタンパク源を低脂質の食材に限定していないので、その分だけ脂質の摂取量は控えめにしよう。オリーブオイル、ゴマ油、アマニ油といった植物油なら、大さじ1杯が上限だ。

植物油をたんまり吸うフライなどの揚げ物を避けて、焼く、蒸す、煮るといった調理法の料理を選ぶようにするといい。

C=糖質の1日の目安量

糖質の摂取目安量

糖質の摂取は「脂肪を減らす場合」より増やす(それで成人男性の標準的な摂取量とほぼ同じ)。

主食は1食当たりおにぎり2個分(ご飯茶碗大盛り1杯分)、1日で計6個分が上限。おにぎり1個分の糖質は、食パンなら6枚切り1枚半、パスタやそばなどの麺類は半人前が目安となる。おかずに糖質が多い場合は、主食を少し減らす。

イモ類と果物も1日にそれぞれ拳半個分を。

V=ビタミン・ミネラル・食物繊維の1日の目安量

緑黄色野菜
緑黄色野菜の摂取目安量
淡色野菜+きのこ+海藻
淡色野菜+きのこ+海藻の摂取目安量

糖質の摂取が増えると、それを代謝するビタミンやミネラルも多めに必要になる。加えてビタミネは筋肥大にも不可欠。そこでその供給源となる緑黄色野菜の摂取量を増やす。

Vの食材は総じて味わいが淡泊。濃い味のドレッシングで味付けしたくなるが、それは脂質&カロリーの摂りすぎにつながるので避けよう。

取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 イラストレーション/渡邉唯 監修・調理/河村玲子(管理栄養士)

初出『Tarzan』No.819・2021年9月22日発売

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