① 腰痛、肩こり、首こりが軽くなる
日本人は世界一坐っている時間が長い。その間ネットやテレビをじっと見続けると、姿勢が悪くなり、腰痛、肩こり、首こりが生じる。その多くは、骨格のアライメント(連なり)が崩れるため、患部周辺の筋肉の局所的な緊張と血行不良を伴っている。
それらの予防と改善には、体幹作りが有効。背骨、骨盤、肩甲骨といった骨格が無理のないニュートラルゾーンで動けるようになれば、特定の筋肉の緊張や血行不良が避けられる。
② カラダが引き締まる
浅い呼吸がクセになったり、心身の緊張が続いたりすると、インナーマッスルを中心とする体幹の筋肉は開店休業状態。体幹作りを通じて体幹を刺激すると、サボっていたインナーマッスルが活性化。
基礎代謝が上がり、無駄な体脂肪が燃えて全身が絞れる。基礎代謝は消費エネルギーの60%前後を占め、その約20%を筋肉が担うからだ。さらに体幹の腹横筋のスイッチが入ると、コルセットを締めたように腹がギュッと引き締まる。
③ ライフパフォーマンスアップ
日本人の平均寿命は世界有数だが、自立して健康的に生きられる健康寿命はそれより10年ほど短い。健康寿命を延ばすために老化しやすい足腰の筋トレが推奨されるが、体幹作りもお忘れなく。
足腰が元気でも、肝心の体幹が弱いと歩行など生活全般に必要な動作が満足にこなせない。また体幹が安定するとカラダのブレが減り、効率的に動けるため、疲れにくくなる。体幹作りで生活と人生(ライフ)のパフォーマンスを上げよう。
④ スポーツ障害予防
健康寿命を延ばすのに運動は有効だが、夢中になりすぎると故障(スポーツ障害)が生じる恐れも。ランナーの膝の痛み(ランナーズニー)やテニス愛好者の肘の痛み(テニスエルボー)がその代表だ。
こうしたスポーツ障害の大半は、使いすぎによるもの。関節、靱帯、腱などに繰り返し力が加わると起こる。体幹を安定させて手足が効率的に使えたら、特定部位へのダメージ集中が避けられるので、スポーツ障害予防につながる。
⑤ 運動能力アップ
体幹作りに真っ先に飛びついたのは、アスリートたち。野球、ゴルフ、サッカー、陸上、競泳など、ほとんどのスポーツ種目では手足をムチのようにしなやかに用い、末端を加速することがパフォーマンスアップにつながる。そのために欠かせないのが、土台となる体幹の安定だからだ。
さらにサッカーやラグビーや格闘技のように、相手との接触を伴うコンタクトスポーツでも、当たり負けしない体幹の強靱さが競技力を左右している。