3つの基本姿勢で行うベーシック3
体幹作りにおすすめなドローイン、ブレーシング、IAP呼吸法の3大呼吸法(詳しくはTarzanWebの記事:衰えがちな「体幹のインナーマッスル」を刺激する3つの呼吸)でインナーマッスルを目覚めさせたら、3つの基本姿勢で行う基本の体幹作りに取り組みたい。
体幹作りでは、うつ伏せでブリッジして体幹が動かないように固める「プランク」というトレーニングが流行した時期もあった。でも、体幹作りの真の狙いは、体幹をガチガチに“固定”することではない。手足をしなやかに動かせるように、背骨と骨盤を中心に体幹を“安定”させることにある。
そこで、仰向け、四つん這い、横向きという3つの基本姿勢で行うベーシック3で、体幹を安定させながら手足を自在に操ってみよう。
簡単そうに見えても、呼吸に気をつけながら1回ずつ確実に行うのは案外難しい。正しく行えるように、熟練トレーナーの「声かけ」に相当する“キューイング”をプラスしているので、ぜひ参考にしてほしい。
1セッション当たりの回数は控えめにしてあるから、その分頻度を上げて週3回以上行ってみたい。2週間ほどで、体幹から手足が使えるような感覚が得られるだろう。
① 仰向けでの安定|デッドバグ
生まれたての赤ちゃんと同じ、仰向け姿勢からトライする体幹作りの基本のキ。
1. スタート姿勢を取る
- 床で仰向けになり、頭を床につける。
- 両膝を腰幅で90度曲げ、太腿を床と垂直、ふくらはぎを床と平行に。
- 両腕を肩幅で天井へ伸ばし、手のひらを向かい合わせる。
- 腹圧が抜けない程度に、鼻から軽く息を吸い、腰のアーチを押し潰す。
キューイング:みぞおちを床に押し付ける
2. 腕を動かす(左右各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、片腕を床に近づける。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、腕の動きにつられない。
キューイング:腕を下ろすのではなく、できるだけ遠くへ伸ばす
3. 脚を動かす(左右各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、片脚を伸ばして床に近づける。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、脚の動きにつられない。
キューイング:脚をできるだけ遠くへ伸ばす
4. 腕・脚を同時に動かす(左右交互に各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、片腕を床に近づける。
- それと同時に、逆側の脚を伸ばして床に近づける。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、腕・脚の動きにつられない。
キューイング:対角の手足をできるだけ遠くへ引き離す
② 四つん這いでの安定|スイミング
寝返りを打ち、ハイハイができるようになった赤ちゃんに戻ったつもりで、四つん這いで。
1. スタート姿勢を取る
- 両手、両膝を床についてうつ伏せになる。
- 両手は肩の真下につき、両腕を床と垂直にする。
- 両膝は股関節の真下につき、両太腿を床と垂直にする。
- 爪先を立てる。
- 頭、肩、胸、腹、お尻を一直線にし、背中をフラットにする。
- 腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
キューイング:両手と両膝で床を押す
2. 腕を動かす(左右各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、片腕を背中の高さで伸ばす。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、腕の動きにつられない。
キューイング:亀が甲羅から頭を出すように、首を長く伸ばして肩(肩甲骨)を下げる
3. 脚を動かす(左右各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、片脚を頭、肩、胸、腹、お尻の延長線上で伸ばす。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、脚の動きにつられない。
キューイング:骨盤に乗せたトレー上の飲み物をこぼさないように
4. 腕・脚を同時に動かす(左右交互に各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、片腕を背中の高さで伸ばす。
- それと同時に、逆側の脚を頭、肩、胸、腹、お尻の延長線上で伸ばす。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、腕・脚の動きにつられない。
キューイング:背中に乗せたフォームローラーを落とさないように
横向きでの安定|サイドプランク
赤ちゃんはそろそろ卒業。日常生活には滅多にない横向きで、あえて体幹を刺激してみる。
1. スタート姿勢を取る
- 左を下にして床で横向きになる。
- 左肘を肩の真下につき、前腕を真正面に伸ばし、手のひらを床に。
- 両膝を揃えて30度ほど曲げる。
- 右手を腰に添える。
- 腰を落とさず、頭、胸、腹、お尻を一直線に並べる。
- 腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
キューイング:肘で床を押し、首を長く伸ばして肩(肩甲骨)を下げる
2. お尻を引き上げて膝を開く(左右各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、お尻を床から引き上げる。
- 頭、胸、腹、お尻、太腿、両膝を一直線に並べ、床から45度のイメージで保つ。
- 右膝を開いて天井へ向ける。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
- 体幹を安定させて、脚の動きにつられない。
キューイング:頭から膝まで一本の棒のようにキープ
3. スタート姿勢を取る
- 左を下にして床で横向きになる。
- 左肘を肩の真下につき、前腕を真正面に伸ばし、手のひらを床に。
- 左膝を30度ほど曲げ、右脚を伸ばす。
- 右手を腰に添える。
- 腰を落とさず、頭、胸、腹、お尻を一直線に並べる。
- 腹圧が抜けない程度に、鼻から息を軽く吸って準備。
キューイング:肘で床を押し、首を長く伸ばして肩(肩甲骨)を下げる
4. お尻を引き上げ、脚を引き上げる(左右各3〜4回)
- 口から息を吐きながら、お尻を床から引き上げる。
- 頭、胸、腹、お尻、太腿、膝を一直線に並べ、床と45度ほどの角度で保つ。
- 右脚を引き上げ、爪先を天井へ向ける。
- 元に戻し、左右を変えて同様に行う。
キューイング:左側の体側を床と平行にキープする