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座業などが長く続くと、姿勢を支える筋肉が硬くなりがちに。筋肉をゆるめる「マッスルリセッティング」を実践して、血液やリンパの流れが改善すれば、疲労の原因にもなる老廃物もスムーズに排出されるはず!
中村尚人さん
なかむら・なおと/理学療法士として、医療、介護と幅広く臨床経験を積んだのち、ヨガ、ピラティスの国際ライセンスを多数取得。八王子にて〈Studio TAKT EIGHT〉を主宰。
長時間のスマホ操作やデスクワーク、加齢などの影響で、姿勢を支える筋肉は常に硬直しがち。これを自宅で簡単にケアできる画期的なメソッドが「マッスルリセッティング」だ。開発者である中国医師の黄烟輝(ファンエンキ)さんは、その仕組みをこう説明する。
「筋肉が硬くなって弾力を失うと、強く引っ張られて神経を圧迫します。そこで、テンションがかかった筋肉を物理的にゆるめ、脳がリラックスすると、血液やリンパの流れが改善。疲労や痛みの原因になる老廃物もスムーズに排出されるのです」
実際に行うと、筋肉がフワ〜ッと軽くなり、温かくなるのを感じるだろう。トレーニング前後のコンディショニングとしてもおすすめだ。
「筋肉をリセットして柔軟にしておくと、パフォーマンスは確実に上がります。さらに筋肉を酷使した後に行えば、翌日の筋肉痛が格段に軽くなるのもスゴイところ」(理学療法士・ヨガインストラクターの中村尚人さん)
筋肉を骨から「浮かせる」ようなイメージで、ふわ〜っと軽く包むように持ち上げる。続いて筋肉を骨の付着部、または真ん中にスライドさせるように軽く、優しく寄せて30秒キープ。このとき、ゆるめたい側の筋肉をしっかり脱力させておくことも大切。
筋肉をそっと持ち上げたまま、皮膚を優しく10往復ゆらして筋肉に振動を与える。速度は1秒につき2往復が目安。強くつかんだり、ギュッと引っ張るのは厳禁!
歩行や血流促進に欠かせない筋肉をリセット。
猫背や巻き肩の原因をリセット。
板状筋は頭の重みを支え、スマホやPC操作で緊張しやすい筋肉。
背骨全体を両側から支える筋肉群がターゲット。
骨盤と肋骨をつなぎ、背骨を側屈・伸展させる筋肉。
立ち姿勢や歩行を支える微細な筋肉群の硬直をほぐす。
取材・文/オカモトノブコ 撮影/小川朋央 ヘア&メイク/大谷亮治 スタイリスト/高島聖子 監修/中村尚人、黄烟輝
初出『Tarzan』No.827・2022年2月10日発売