教えてくれた人
腸トレ×腰痛解消。
厚生労働省の推計によれば、腰痛を抱えている日本人はおよそ2800万人。ざっと4人に1人が悩まされているという計算だ。腰痛の原因はさまざまあるが、体幹部分の筋力低下や柔軟性不足、それに伴う不良姿勢は大きな要因に挙げられる。
つまり、腹部、腰背部のトレーニング&ストレッチを兼ねた腸トレは、腰痛解消に効くということ。もちろん体幹部の強化は、腰痛予防にもなる。
プログラム①では、腹直筋や腹横筋といったカラダの前面を主に鍛え、腰背部の筋肉をストレッチ。プログラム②では、脊柱起立筋や広背筋といった背中の筋肉を鍛え、腹直筋をストレッチする。①と②はできるだけセットで行おう。
プログラム①
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プランクトントン(20回)
体幹を固めながら腸にもアプローチ。
- 両手は肩幅に、両足は腰幅に開いて床に。背すじを伸ばし、頭から踵までがなるべく一直線になるようにする。視線は斜め下に。
- 腰が落ちないように気をつけながら、片足をなるべく高く上げる。
- 上げた足を元に戻し、反対側の足を上げる。リズミカルに繰り返す。
膝抱えストレッチ(10秒×3セット)
腹式呼吸をしながら腰背部を伸ばす。
- 床に仰向けに寝る。両膝を胸に近づけて、脚を両手で抱える。
- ゆっくりと腹式呼吸をしながらストレッチをすることで、自律神経のバランスが整い、腸の不調の改善に繫がる。
- プランクトントンと膝抱えストレッチで1セット。
- これを3セット行い、プログラム②へ。
プログラム②
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爪先バックエクステンション(20回)
背筋強化で姿勢改善。同時に血流も促進。
- 両足を腰幅に開いて立ち、踵を上げる。両手は耳に添え、膝を軽く曲げて上体を倒す。
- 背すじを伸ばして、胸を開く。
- 踵は上げたまま、胸は開いたままで、上体を起こす。
- 爪先立ちで行うことで、ふくらはぎの筋ポンプ作用も促す。
うつ伏せ腹ストレッチ(10秒×3セット)
縮みがちな腹部の筋肉をストレッチ。
- うつ伏せになり、両肘を床についてカラダを少し反らせる。
- ゆっくりと腹式呼吸を繰り返しながら、腹部を伸ばす。深い呼吸をすることで自律神経の乱れを整える。
- 猫背の人、デスクワークが多い人は腹部の筋肉が縮みがちなので、じっくりと伸ばしておこう。
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なぜエクササイズが腸に効く?
「全身の血流の改善、腸の周辺の筋肉と神経への刺激、蠕動運動をサポートする腹まわりの筋肉の強化。この3つをバランスよく行うのがポイントです」と、おぜきトレーナー。
血流の悪さやカラダの冷えは、腸の働きを鈍くする大きな要因。下半身の筋肉を動かし、全身の血流を促進する必要がある。
振動などによる腸の周辺への刺激は、眠っていた筋肉や神経を目覚めさせる。刺激によりスイッチが入ると、消化吸収がスムーズに。さらに、腸の働きに関係する自律神経の乱れが整う効果もある。
蠕動運動には、腹直筋、腹横筋、腹斜筋といった腹まわりの筋肉も関係している。これらを鍛えることは、腸の不調改善にも繫がるのだ。