いつもの悪姿勢を1か月で脱却できるか!? 改善グッズ、ガチで使ってみた
編集の現場は姿勢に悪いことばかり…、いつものクセを直すため、姿勢改善ギアを試してみました(テスト実施期間は、3月19日〜4月20日)。
取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央 イラストレーション/林田秀一 取材協力/岡田隆(日本体育大学准教授)
初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売
試したのはこんな人たち
- デスクワーク中、つい前屈みになる編集者。
- 類を見ない“寝姿勢”で作業をこなすデザイナー。
- いい姿勢を意識しすぎて反り腰になるライター。
- 脚組みをやめられず、時折不調に悩むスタイリスト。
- 下半身の全体的な歪みを抱えるウェブ編集者。
① バックジョイ メディコアリリーフ
デスクワーク中、つい前屈みになる編集者。
編集部でも3本の指に入る筋トレ好きの編集ワタベ。週3で鍛えていて、20代の頃より30代の今のほうが体調がいいと日々豪語する。
「肩こりも経験ないです。でも首は疲れやすいほうかもしれない」
編集部で座り仕事するワタベは、ガクッと首を落っことすようにしてモニターを覗き込んでいる。
「首が前に出やすいんです。あと骨盤が後傾しやすいかも。以前、整体の先生に“背中のS字がほぼないので疲労が溜まりやすい”と言われました。骨盤の後傾とストレートネックのせいなのかな」
そんなワタベが以前から愛用しているのはイスの座面に置くサポートギア〈バックジョイ〉。座ると骨盤の後傾が直り、背すじが自然に伸びるような設計で、頸椎、胸椎、腰椎、骨盤にかかる力が分散されるので負担が少ない。新製品の《メディコアリリーフ》に座るや否や、これまでとの違いに気づいたようだ。
「これは以前よりバランスボールに座ってる感覚に近いなあ。ポジションが自在に変えられます」
1か月、ガチで使い続けたら首が前に出なくなってきた。
「骨盤の後傾が直り、下から順に首まで整う感じです。立ち上がる時も腰の負荷が少なくラク。骨盤の適正な位置が分かったからか、これなしでソファに座る時も、もたれたり背中を丸めることが減って首の疲れが消えました」
② 姿勢を守る MAMO
類を見ない“寝姿勢”で作業をこなすデザイナー。
本誌のレイアウトを数多く担当するデザイナーのオオシカ。だからこそ編集部の(おそらく)全員が、彼の悪姿勢を心配している。
「まあでも僕自身は長年これでやってるし(笑)。確かに肩は常に異常に痛くて、何か塗ったり鍼を打ったりしても全然ダメ。巻き肩だけはどうにか直したくて、数か月前から肩まわりのストレッチを日課にしてるんだけど、だいぶ肩まわりが軽くなって、最近はいい姿勢を保つのがラクになった!」
では今こそ座り姿勢も改善を!オオシカの救世主の名は《姿勢を守る MAMO》。デスクワーク中、机とお腹の間でMAMOをムギュッと抱くことで猫背を改善。オオシカのように寝姿勢みたいな座り姿勢の人でも、上体を起こした姿勢を保てるようになるかも?
オオシカはMAMOを抱いて仕事するようになった。家にも持ち帰って使った。1か月の間に一度だけ、デスクに置き忘れたMAMOが転がっているのを目撃したが、それ以外いつもMAMOと一緒のオオシカは背すじがシュッと伸びて、凛々しさが増したようだ。
「確かに正しい姿勢で使うと背中の筋肉を使えてる気がする」と、MAMOについて語るオオシカ。
「ただコイツを正しく抱こうという意思がないと、二人でずるずるダメな感じに……。でもコイツの魅力は柔らかさ。抱いてる間、不思議と安心感に包まれます。夏向きじゃないけど息子2人も気に入ったみたいで、家に持ち帰るといつも取り合いになってます(笑)」
③ 腰マクラ
いい姿勢を意識しすぎて反り腰になるライター。
“万年ダイエッター”を自称するライターのカドカミ。理想とするボディシルエットには程遠い。しかし高校生の頃から、常に背すじを伸ばすことを己に課している。モデルの多くは“天井から頭頂部が吊られているイメージで姿勢を正す”と聞くし、背すじを伸ばせば贅肉も引き伸ばされたりして!?
でも頑張りすぎた。28歳になりパーソナルトレーナーから反り腰を頻繁に指摘される。仕事のせいか数年前から腰痛に悩み、夜は帰宅すると床に座るのも腰がしんどく、すぐベッドに臥せってしまう。
だから《腰マクラ》を使うことにした。山型のクッションの上に仰向けに寝て、背中から臀部にかけてフィットするように腰椎部分を乗せるだけ。ゴロゴロする時も就寝時も使うことにした。腰にも枕をあてがうなんて贅沢だな。
就寝時に初めて使用した翌朝、起きた瞬間ハッとした。腰がしんどくない!! 今まで気づかなかったが、反り腰に対するケアを何もせず寝ると、背面に負荷がかかってしまうようだ(カドカミは仰向け派)。使い続けたら、反り腰に起因する腰痛がラクになるかも。
1か月経った今、反り腰が改善されたか自分では判断が難しいが、腰の疲労感が軽減されたのは確かだ。帰宅直後に臥せることもなくなった。ニュートラルな姿勢に近づいたためか、筋トレ中に腹圧をかけやすくなった。これでカラダの前側の筋肉をうまく使えるようになれば、ぽっこりお腹がすっきりするかも?
④ CuCuBi
脚組みをやめられず、時折不調に悩むスタイリスト。
スタイリスト=華やかな職業というイメージだが、衣装の手配や現場の作業はまさに体力仕事。
「前に一度、頸椎を痛めたことがありました。普段の姿勢が悪いのかな? 少し巻き肩&反り腰な気はするけど、自分では分からない(笑)。頸椎の不調は、スポーツマッサージに通って治しました」
しかし編集部で事務作業をする姿は優雅だ。なぜか。セイコはいつも脚組みして座るため、何だかスタイリッシュに見えるのだ!!
「脚組みは長年のクセです。随分前ですが、脚組みした姿勢でPC作業をしていて、終わって立とうとした瞬間、グキッと腰が……。軽いぎっくり腰だったのかも?」
時折脚を組み替えるなど、本人なりに配慮しているようだが、脚組みによる不調は避けられない。よってセイコは今回《CuCuBi》を使うことにした。お尻が半分乗るくらいのミニクッションで、脚組みによる骨盤の傾きを補正。座ってすぐ、本音がぽろり。
「脚組みに慣れてるから不思議!」
日が経つにつれ、セイコは《CuCuBi》の骨盤のサポート力以外にも、魅力に気づいたという。
「今までついだらんとした姿勢で過ごしがちでしたが、《CuCuBi》の上に座ることで、ちゃんと姿勢を正さなきゃという意識になりました。正直この1か月は撮影の立ち仕事が多く使用時間は長くなかったけれど、体感的な変化はあると思う。これからも編集部でデータを書いたり校正を確認する時は使おうかな?」
⑤ 柔軟ボードXO
下半身の全体的な歪みを抱えるウェブ編集者。
20代にして「ターザンウェブ」を担う編集ムラタ。業務をバリバリこなす彼にも、長年解決できない姿勢の悩みがあるようだ。
「昔から結構なO脚なんです。僕、ハムストリングスが異様に硬くて、骨盤が後傾しやすいので股関節が外旋するみたい。自宅でストレッチを習慣化していた時期もあるけど、忙しいとヨガマットを敷くのが面倒でサボっちゃうんです……」
仕事中も本人は気づかぬうちに股をパカ〜ンと開き、足首を不自然に捻りながら接地している。
「スミマセン! 見た目として美しくないので直さなくては!!」
ストレッチ習慣を再び定着させるべく《柔軟ボードXO》を取り入れることに。前屈や屈伸などの基本のストレッチを、角度を調整できるボードに乗って行うことで、脚全体のさらなるストレッチ効果が期待できるというわけだ。
ムラタは編集部の自身のデスク脇に置き、長時間の作業を終えて帰宅する前に使用。リモートワークの際は自宅に持ち帰り、玄関に置いて外出後などに乗るように。
「とにかく視界に入る場所に置くことが習慣化するにはいい気がします。このボードは場所を取らないし、一度置いたら後は乗ってストレッチするだけ。1か月でO脚の改善はさすがに叶いませんでしたが、ハムや臀部を意識して前屈した時の深さは変わったような」
モチベーション的にも変化が。
「週5日欠かさず使うと普段も姿勢に意識が向いて、座る時に内転筋をキュッと締めてます(笑)」