お腹・背中にアプローチ!体幹を攻めるダンベルトレ7選。

「鍛えにくい」と言われる体幹部分も、ダンベルを使えばピンポイントで攻略できる。下半身・上半身をバランスよく鍛えられたら、仕上げにお腹・背中のトレーニングを。

取材・文/井上健二 撮影/園山友基 スタイリスト/川合康太 ヘア&メイク/細江祥莉 エクササイズ監修・指導/白戸拓也

初出『Tarzan』No.903・2025年5月22日発売

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教えてくれた人

白戸拓也(しらと・たくや)/1963年、青森県生まれ。フージャース ウェルネス&スポーツ。元BODYPUMP/BODYCOMBATマスタートレーナー。法政大学卒業。大学卒業後、大手フィットネスクラブに入社。約30年在籍し、クラブマネージャーや教育担当などを歴任する一方、フィットネスの新たなトレンドを作るようなエクササイズプログラムを数多く開発。日本におけるレジェンドトレーナーの一人として一目置かれる存在。

下半身・上半身の仕上げに体幹トレ。

まず、基本プログラムをおさらい。

効率的なカラダ作りのためには、一度に10回しか反復できない重さ(10RM)を3セット行って鍛えるべき。2〜3セット目も10回(最低8回)できるよう、セット間のインターバル(休憩)は長めに取る。

全身をバランス良く整えたいなら、主要8部位を網羅する。ただ一度にやろうとすると時間がかかりすぎるので、2つのルーティン(日課)に分け、それぞれ週2回以上行う(疲れにくいお腹は毎回やる)。

複数の部位を鍛えるときは、下半身(お尻、脚、ふくらはぎ)→上半身(胸、背中、肩、腕)→体幹(お腹)の順に。重たいウェイトで鍛える下半身は最初に片付けたいし、先に疲れるとフォームが乱れがちな体幹は後回しにするのが正解。消去法で上半身をその間に行うのである。

週2日×4週間続ければ、カラダは確実に輝き始める。

基本プログラム。
  1. 重さの目安を参考に、一度に10回しか反復できない負荷を見つける。
  2. その負荷で一度に10回×3セット行う。
  3. 2〜3セット目も10回(最低8回)できるように、セット間は十分休む。
  4. 1〜2日おきに週2回以上行う。
  5. 15回以上余裕でできるようになったら、5〜10%ほど重さをプラスする。
全身鍛える場合のルーティンの作り方。
  1. 胸、肩、上腕外側、お尻+お腹
  2. 背中、上腕内側、脚、ふくらはぎ+お腹

*2つのルーティンを交互に行い、どちらも週2回以上実施する。

お腹を絞るメニュー。

ダンベルシットアップ

ダンベルシットアップ

ダンベルシットアップ

  1. 仰向けでダンベル1個を両手で縦に持ち、両腕を床と垂直に伸ばす。
  2. 顎を引いて頭を床から少し浮かせる。両膝を腰幅に開き90度曲げて立てる。
  3. ダンベルを天井へ突き刺す気持ちで、胸を骨盤に近づけるように背中を丸めて上体を起こし、戻る。

ダンベルシットアップ1

ダンベルと腕はずっと垂直にキープ。そうしないとお腹に刺激がうまく伝わらない。

ダンベルシットアップ2

両脚の太腿を平行にする。膝が開いたり、閉じたりすると、他の部分に力が逃げてしまう。

ダンベルシットアップ3

上体はブレーキをかけながらゆっくり戻す。その際、腰椎のストレスにならないように腰を反らさない。

ダンベルオンザチェスト・シットアップ

ダンベルオンザチェスト・シットアップ

ダンベルを両手で胸に抱えてシットアップを行うダウングレードバージョン。ダンベルがお腹に近づくほどテコのアームが短くなり、腹筋への負荷は抑えられる。

ダンベルレッグレイズ

ダンベルレッグレイズ

ダンベルレッグレイズ1

  1. 椅子に浅く坐り、膝を90度曲げてその間にダンベル1個を縦に挟む。
  2. 上体を背もたれに預け、両手で椅子の座面を摑んで姿勢を安定。
  3. 骨盤を近づける気持ちで両膝を胸に近づけ、戻す。ダンベル落下に備え、下にマットやクッションを置いても。

ダンベルレッグレイズ2

両膝を引き寄せる際、上体を軽く前へ倒すようにするとトレーニング効果がアップする。

ダンベルレッグレイズ3

膝の角度を変えない。角度を変えない方が強度は高くなるし、ダンベル落下も防ぎやすい。

ダンベルレッグレイズ4

足首を伸ばして爪先を床に向ける。足首を曲げると、太腿に余計な力が入りやすくなる。

ダンベルピンチアンクル・レッグレイズ

ダンベルピンチアンクル・レッグレイズ

足首でダンベル1個を縦に挟み、ダンベルレッグレイズを同様に行う。ダンベルの位置が遠くなるため、テコのアームが長くなり、腹直筋下部への負荷が増える。

ロシアンツイスト

ロシアンツイスト

ロシアンツイスト1

  1. 床に坐り、ダンベル1個を両手で縦に持つ(上部プレートを持つとやりやすい)。
  2. 上体を後ろに倒し、両脚を揃えて軽く曲げ、脛を床と平行に浮かせる。
  3. 上体を正面に向けたままダンベルを左右の床すれすれに近づける。左右交互に行う。

ロシアンツイスト

両足をくっつけたままで保ち、床から浮かせた脚が左右に大きくブレないようにする。

ロシアンツイスト2

ダンベルはできるだけ左右対称に動かす。そうしないと腹筋の発達に偏りが生じる。

ロシアンツイスト3

頭、へそ、揃えた両脚の間とカラダを縦に貫くライン(正中線)を軸にダンベルを動かす。

バイシクル・ロシアンツイスト

バイシクル・ロシアンツイスト

ロシアンツイストでダンベルを左右の床に近づける際、同じ側の膝を胸に引き寄せて、左右交互に自転車のペダルを漕ぐような動きをプラスする。狙った外腹斜筋・内腹斜筋により強めの刺激が加わる上級者バージョン。

背中を引き締めるメニュー。

ベントオーバーロウ

ベントオーバーロウ

ベントオーバーロウ1

  1. 両手にダンベルを持ち、両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. 股関節から上体を前傾し、膝を曲げて背中を床と平行に倒す。肘を伸ばして肩の真下にダンベルを平行になるように下げる。脇を閉じて肘を高く上げ、ダンベルを脇腹まで引き上げ、戻す。

ベントオーバーロウ2

腰と肩を床と平行にし、腰を丸めないようにする。丸めると腰椎のストレスとなる。

ベントオーバーロウ3

前腕が床と垂直に動き、どの場面を切り取っても、肘の真下に拳が来るようにしておく。脇は締めておこう。

ベントオーバーロウ4

みぞおちを突き出すように胸を張り、左右の肩甲骨を寄せた結果、肘が高く上がってくる。

アンダーグリップ・ベントオーバーロウ

アンダーグリップ・ベントオーバーロウ
  1. 両足を腰幅に開いて立つ。股関節から上体を45度ほど前傾し、肩の真下で手首の内側が正面を向くようにダンベルを握る。
  2. 脇を閉じて肘をできるだけ高く引き上げ、元に戻す。これだと通常よりも重いダンベルが持てて、効果が高い。
プルオーバー

プルオーバー

プルオーバー1

  1. クッションを2個重ね、間にワインボトルなどを挟む。
  2. 両手でダンベル1個を縦に持ち、肩甲骨をクッションに乗せて仰向けに。両膝を腰幅で90度曲げて立てる。両腕を頭の先に伸ばし、胸の真上まで大きな弧を描くように引き上げ、戻す。

プルオーバー2

クッションに肩甲骨を乗せて胸を開く(ボトルなどは両肩と平行に)。お尻、胸、肩を一直線上に保つ。

プルオーバー2

両手を重ねて三角形を作り、手のひらでダンベル上部のプレートを包み込むように持つ。

プルオーバー4

腕を伸ばしたままで。肘の曲げ伸ばしをせず、肩を中心とした大きな円運動を意識する。

ベントオーバー・プルオーバー

ベントオーバー・プルオーバー
  1. 両手にダンベルを持ち、両足を腰幅に開いて立つ。股関節から上体を前傾し、膝を曲げて背中を床と平行にし、肩の真下にダンベルを下げる。
  2. 脇を閉じ、腕を伸ばしたまま、ダンベルをお尻の上まで引き上げ元に戻す。広背筋の収縮を意識する。
ワンハンドロウ

ワンハンドロウ

ワンハンドロウ1

  1. ダンベルを左手に持ち、右手を椅子の座面につく。右腕は垂直にし、背中を床と平行に。両足は腰幅で開く。
  2. 肩の真下に肘を伸ばしてダンベルを下ろす。
  3. 脇を閉じて肘を天井へ突き刺すように上げてダンベルも上げ、戻す。左右を変えて同様に。

ワンハンドロウ3

腰と肩を平行にし、背中を丸めないようにする。丸めると腰椎のストレスになる。

ワンハンドロウ2

どの場面を切り取っても、肘の真下にダンベルがあり、前腕を床と垂直に動かす。

ワンハンドロウ4

肩を下げて肩甲骨を開いた状態から、胸を張って肩甲骨に近づけ、ダンベルを上げる。

ワンハンドロウ(ハイプル)

ワンハンドロウ(ハイプル)
  1. ワンハンドロウのスタート姿勢を取り、ダンベルを両肩と平行に構える。
  2. 脇を開きながら、肘を天井へ突き刺すように引き上げたら、元に戻す。左右を変えて同様に行う。広背筋に加えて僧帽筋中部、菱形筋にも効く。
シュラッグ

シュラッグ

シュラッグ1

  1. 両手にダンベルを持ち、両足を肩幅に開いてまっすぐ立つ。
  2. 肘を伸ばしてダンベルを肩の真下に下げる。顎を引きながら、肩をすくめるようにやや斜め上方へ思い切り引き上げる。
  3. リラックスして肩を落として元に戻る。

シュラッグ2

腕はずっと伸ばしたまま。肘の曲げ伸ばしを行わないように気をつける。

シュラッグ3

顎を引くと僧帽筋の収縮が得られやすい。肩を落とすときには逆に顎を上げる。

シュラッグ4

左右の肩甲骨を寄せて上げることにより、両手に持ったダンベルを引き上げる。

アングルド・シュラッグ

アングルド・シュラッグ

股関節から上体を45度ほど前に倒してシュラッグを行う。ノーマルなシュラッグはおもに僧帽筋上部に効くが、このフォームは僧帽筋中部にも刺激が入りやすい。