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インナーマッスル「横隔膜」が正しく機能した深い呼吸は、疲労や肩こり・腰痛といった不調の改善に繋がる。浅い呼吸で横隔膜を眠らせている多くの現代人は、宝の持ち腐れ状態というわけだ。そこで横隔膜を目覚めさせる3ステップのエクササイズを紹介する。ステップ③では、横隔膜使いながら全身を動かし、機能的な体幹を手に入れる。
横隔膜の機能を呼び覚ますための3ステップのエクササイズ。基本チェックを終えたら、ステップ①では、横隔膜の動きを邪魔する筋肉のスイッチを切る。ステップ②では、吐くことを重視する呼吸へシフト。ステップ③で横隔膜で腹腔内圧を高めて、強くしなやかな体幹へと整える。
今回はステップ③。横隔膜を有効活用しながら、全身を機能的に操るコツをマスターする。
エクササイズは一度に全部やらなくて大丈夫。各ステップから1〜2種目を選んだ4つのプログラムを日替わりで1日~数日おきに行おう(下表参照)。これなら5分ほどだ。
すべてのエクササイズをひと通り終えたら、ステップ⓪に戻ってチェック。1〜2週間ごとにエクササイズ→チェックを続けて、肋骨が下がって閉じ、横隔膜が躍動する呼吸が身につくまで続けたい。
目次
じっと安静にしているポジションで横隔膜を動かして深く呼吸できるようになったら、動きながらきちんと呼吸できるように整えていこう。
横隔膜で腹腔内圧を高め、強くてしなやかな体幹ができると、全身の筋肉がアクティブに連動し始める。すると日常生活でもスポーツシーンでも、カラダを機能的に操れるようになる。
深い呼吸では、お腹が上下するというイメージを持っている人が大半だろう。でも、お腹だけが上下する呼吸では、おそらく横隔膜はちゃんと活躍できない。お腹を上下させる腹直筋は、横隔膜の動きを邪魔する筋肉の代表格だからだ。
息が吐けて肋骨が下がったら、お腹に求められるのは横への動き。脇腹が動くようになれば、横隔膜が稼働して吸えている。
前屈みの格好がクセになり、胸郭全体がフリーズする人が増えている。それでは横隔膜を上下させた呼吸ができないのは当たり前。
そこで肋骨を下げて横隔膜を動かし、胸郭を捻って息を吸うことで片側の胸郭を膨らませるエクササイズを行う。左右の胸郭から空気を自在に出し入れできたらカラダの操作性が上がる。
仰向けで手足を上げる姿勢は、赤ちゃんが生後3か月前後になると取れるようになるポジション。大人でも、あらゆる動作の基本となる。
胸から息を吐き切り、肋骨を下げたら、横隔膜で腹腔内圧を高めてお腹を横に膨らませて、手足を操れるようになりたい。腹腔内圧が高まっていれば、手足をバタつかせても体幹はビクともしないはず。
下半身を駆動させる股関節を動かすのが、大臀筋や中臀筋といったお尻の筋肉。お尻が使えないと日常生活はもちろん、スポーツも満足にこなせない。
この大事なお尻を働かせるために必要なのが、肋骨を下げて横隔膜を働かせること。息を吐いて肋骨を下げ、骨盤のポジションが定まって初めて、お尻の筋肉はきちんと働けるようになるのだ。
すべてのトレーニングや運動は、横隔膜などで体幹の腹腔内圧(IAP)を高めた状態で行うべき。その方が背骨などへのストレスが減って故障のリスクが劇的に下がり、トレーニング効果も高まる。
ここでは腹腔内圧を高めたまま行う、定番のエクササイズを2つ紹介。内側から外側へ体幹を寸胴に広げるイメージで。
取材・文/井上健二 撮影/石原敦志 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/高松由佳 エクササイズ監修/大貫崇(BP&CO.代表、呼吸コンサルタント)
初出『Tarzan』No.865・2023年9月21日発売