保存用袋で作れる! 腸に嬉しい自家製の発酵食品3レシピ
腸内環境を良好に保つなら、発酵食品に含まれる“菌”の力に頼らない手はない。難しそうに思えるが、作ってみると自家製も案外簡単。料理研究家・荻野恭子さんに教えてもらった、保存用袋と材料だけで作れる3つのレシピを紹介。
取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央 編集/阿部優子
初出『Tarzan』No.840・2022年8月24日発売
荻野恭子さん
教えてくれた人
おぎの・きょうこ/料理研究家、栄養士、フードコーディネーター。世界65か国以上を訪れ、現地で習った料理に基づくレシピで人気。著書に『ポリ袋漬けのすすめ』など。
発酵食品を作るのは手間がかかりそう。そんな思い込みを覆すのが料理研究家の荻野恭子さんのレシピ。
「乳酸菌や麴菌などの善玉菌は毎日摂ることで腸内環境が整います。発酵食品は野菜やきのこなどの身近な食材と家にある道具で作れます。常備すると発酵食品を習慣化しやすく、いろんな料理に活用できますよ」
野菜を使えば、食物繊維×善玉菌を一緒に摂れてさらに腸活に役立つ。
「発酵食品を手作りする一番の魅力は、味の加減や発酵具合を自分好みにできること。漬物にすれば皮などを剝く必要はなく、食材の栄養をまるごといただけるのもいい点」
今回は保存用袋と材料さえ揃えれば作れる簡単な発酵食品3品を紹介。
「保存用袋なら冷蔵庫や冷暗所でもかさばらず、少量作りが叶うので一人暮らしの人や発酵食品作り初心者でもトライしやすいはず。ミネラル豊富な粗塩を味付けに使うのがおいしく作る秘訣。ぜひお試しを」
① きのこの乳酸発酵漬け
ロシアの“キャベツの乳酸発酵漬け”に着想を得た一品。塩や水と混ぜ合わせるだけでよく、保存用袋に入れた後、手入れは一切必要なし。粒黒胡椒やニンニクなどのスパイスを一緒に漬けてもおいしく仕上がる。きのこに限らず、野菜や乾物、肉や魚にも応用の利くレシピだ。
材料(作りやすい分量)
- きのこ(シイタケやシメジ、マイタケなど)…350g
- 水…2カップ
- 粗塩…小さじ2
作り方
② パン床漬け
パン食のハンガリーで定番の“パン床”。パンの酵母とヨーグルトや塩水による乳酸発酵の漬物ができる。硬くなった食パンやフランスパンの塩味とヨーグルトの酸味の軽やかな味わいが特徴。2度目以降、食材を漬ける時は塩をまぶし、パン床の水分が増えればパンを足して楽しもう。
材料(作りやすい分量)
- 食パンまたはバゲット…300g
- 水…2カップ
- 粗塩…大さじ2
- [A]
- プレーンヨーグルト…大さじ2
- ニンニク…1/2片
- ローリエ…1枚
- 赤唐辛子…1本
- キャラウェイシード…小さじ1
- 野菜(赤ピーマンやセロリ、ズッキーニなど)…適量
作り方
③ 豆豉・豆味噌
揃えるべき材料は食物繊維豊富な大豆の豆麴と塩だけ。豆麴に塩を加えれば豆豉、塩水を加えれば豆味噌になる。よって豆麴を購入したら2品仕込むのが得策。豆味噌は米味噌より熟成期間が長く、旨味が強い。月1回混ぜる時に豆を手で潰せば裏ごしの手間を省ける。
材料(作りやすい分量)
- 豆麴…250g
- 粗塩…50g
- 水…1/2カップ