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違いは?摂り方は? 乳酸菌とビフィズス菌をちゃんと知る

ビフィズス菌との付き合い方

スーパーには大量のヨーグルトが並び、テレビでも乳酸菌のサプリのCMが流れる。身近な存在、乳酸菌とビフィズス菌は、なんとなく腸にいいとは知っているけれど、何をどのように選んで摂取するべきか。

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Q. 腸内環境をよくするなら、乳酸菌とビフィズス菌?

A. 善玉菌の代表格である2つの菌を増やすことはマスト

腸の健康のカギを握るのは腸内フローラ。腸内細菌は約100兆個以上が存在し、重さにすると1kg以上になる。それらは善玉菌悪玉菌日和見菌に分類され、3種の比率によって腸内のコンディションが決まる。

では、なぜ、元気な腸には乳酸菌とビフィズス菌が欠かせないのだろうか。

「いずれの菌も糖を分解して乳酸を作り、腸の中を弱酸性に保つ働きをするからです。そうすることで悪い菌の侵入を防ぐバリアを張ります。また、乳酸の量が増えると代謝を高めて免疫機能も向上させる短鎖脂肪酸も多くなります。タフな腸とカラダを生み出すうえでは外せません」(東京農業大学・戸塚護教授

善玉菌の2大巨頭は生まれながらにして、腸の中に存在している。

「赤ちゃんの腸の中はビフィズス菌がほとんどですが、成人になるとよかれあしかれ、食生活が腸内細菌に丸ごと反映されます。乳酸菌とビフィズス菌は腸内に滞留はしないので、続けて摂取することが大切です」

Q. 2つの違いは? 摂取することで得られる効果は?

A. 免疫アップの立役者の乳酸菌と、美腸を保つビフィズス菌

そもそも両者は同じじゃないの?

別物です。乳酸菌は自然界に広く存在し、人や動物の消化管内にも棲息しています。約400菌種が確認済みで、小腸では免疫機能の向上にも貢献しています。チーズや味噌といった発酵食品の製造にも大切な役割を担っていますね」

一方のビフィズス菌は?

「健康な乳児のうんちから発見され、117菌種が存在します。酸素があると生きられないため、無酸素の大腸は最良の環境というわけです。このため、ヨーグルトに入っているビフィズス菌は、企業が研究を重ねた末に見つけた、酸素に強い菌種が選ばれています。ビフィズス菌は短鎖脂肪酸の一種・酢酸を産生することで、全身の代謝調節に関わり、また、便秘の改善をはじめ整腸のカギを握っています」

ビフィズス菌 乳酸菌

棒状、棍棒状、分岐した棒状

球状、棒状
棲息場所 主に大腸 大腸・小腸・口腔
酸素に対する性質 酸素があると棲息できない(偏性嫌気性) 酸素があっても棲息できる(通性嫌気性)
主な代謝産物 乳酸、酢酸 乳酸
腸管以外の主な棲息場所 なし

牛乳・乳製品、漬物などの一部、発酵食品、自然界

大量の酢酸 産生する 産生しない

Q. 機能性ヨーグルトはどのような基準で選べばいい?

A. 整えたい目的に応じて摂取する菌をチョイス

機能性ヨーグルトは整えたい目的に応じて摂取する菌をチョイス。

「L(乳酸菌)」or「B(ビフィズス菌)」? パッケージに記載された菌の名前の頭文字もセレクトの基準としては有効だ。

「市販のヨーグルトに入っているのは、おいしさや健康効果のチェックを突破したエリート菌です。乳酸菌とビフィズス菌は“属”→“種”→“株”と細かく分類されます。例えば、同じ種に属するガセリ菌でも株ごとに性質は異なる。各社がストックする菌株の中から効果や特徴に違いが出やすいものを選んでいます」

自分に合う菌を選ぶコツは?

「機能性ヨーグルトは3種に分かれます。まず、健康効果や安全性を国が審査し消費者庁の認可を受けた特定保健用食品(トクホ)。次に、科学的根拠に基づいた機能性を企業が消費者庁に届け出をした機能性表示食品。最後に独自開発によって長所をアピールしているものになります。

分類に優劣はないので、自身の腸内細菌と合うかが鍵です。“目や鼻の不快を緩和”などのコピーを目安に目的とマッチする品を続けて摂取してみましょう。トクホと機能性表示食品は消費者庁のサイトに詳細をアップしているので参考にしては」

Q. 生きたまま腸に届いた方がいい? 数が多い方がベター? 

A. 良好な腸内環境を作る観点では生きている菌がいい

良好な腸内環境を作る観点では生きている菌がいい。

胃酸と胆汁酸の強烈なシャワーにもめげずに、腸へとたどり着く猛者の菌は腸でその持ち味をいかんなく発揮してくれる。

「お腹の調子を整える目的であれば、乳酸菌やビフィズス菌は生きていないと意味がないですね。胃酸や胆汁酸をくぐり抜けて腸まで到達する強さを持ち合わせています。ヨーグルトに含まれるビフィズス菌と乳酸菌の大半は生菌です」

ただ、最近では菌によっては生きていない死菌でも効果が得られることが分かり始めてきたそうだ。

シールド乳酸菌プラズマ乳酸菌を筆頭に、生きて腸に届かなくても風邪の予防やアレルギー症状の緩和につながる研究報告がされている乳酸菌もあります。生菌と使い分けてもいいし、併用もOKです。異なるタイプの菌が互いの効果を打ち消すようなことはないです」

やっぱり数は多い方が効果的?

「今は1カップや1粒で億単位の菌が摂取できる時代。数値が記載されていれば、ある程度の効果は見込めます。逆に明記のない製品は気休めにしかならない場合もあるので、個数の有無はチェックしましょう」

Q. サプリやヨーグルト、食品…どんな形で摂るのが効果的?

A. 自分の生活になじむもので続けることがなにより肝要

乳酸菌は自分に馴染む形で接種を

ヨーグルトの乳酸菌は優等生揃い。一方でキムチの乳酸菌は過酷な環境を生き抜いたため、サバイバル能力が高い。

「有益な働きをする乳酸菌とビフィズス菌。これら優秀なプロバイオティクスを取り入れやすいのは機能性ヨーグルトになります。原料の牛乳はタンパク質やカルシウム、善玉菌の栄養となる乳糖も含んでいます」

前述で取り上げた生菌と死菌の観点からも、ヨーグルトがうってつけの気がするが。

「生菌をフリーズドライしたサプリメントもあるので、形状は関係ありません。ヨーグルトではまかないきれない種類と数の乳酸菌とビフィズス菌を摂取したい時に便利です」

筋トレの減量期や外食が多い週など、サプリの方がサクッと飲める点でも重宝しそうだ。では、食材は?

「キムチやぬか漬けが持つ乳酸菌は野菜などの植物をエサとして増えるので、植物性乳酸菌と呼ばれています。乳製品に含まれる動物性乳酸菌と比べて、過酷な環境で育つ頑丈な性質から、生きて腸へ届きやすい

飽きずに菌活を続けるなら、いろいろなタイプから摂るのが正解だ。

Q. いつ、どれくらいの量を、どのくらいの期間摂取するのが効果的ですか?

A. 変化の兆しを感じるためにも14日間はトライしよう!

菌活も継続は力なり。積み重ねた結果が実を結ぶ。とりあえず、乳酸菌とビフィズス菌を含む食品はテーブルのスタメンにしよう!

「基本的にいつでも大丈夫。摂るタイミングで、効果にそこまで差はありません。あえて挙げるのであれば、食後ですね。食べ物が胃に入ることで、胃酸による酸性の度合いが和らぐので、乳酸菌やビフィズス菌が生きたまま腸へと届きやすくなります。回数としては毎食後でもいいし、1日1回でもかまいません」

理想的な量はある?

「ヨーグルトであれば1カップ相当の100g程度で充分。上限もないです。一つ言うならば自分が1日に必要なカロリーを超えないように」

乳酸菌とビフィズス菌で腸はすぐにバージョンアップできそうだ。

「残念ながら、プロバイオティクスに即効性は期待できません。摂取した菌が一定期間留まることで、徐々に腸内環境は変わっていきますが、少なくとも2週間の継続摂取は必要です。逆に毎日続けていたものをやめると、1週間以内に腸内からいなくなります。補給を絶やさないように心がけましょう」

Q. 自分のカラダとの相性の良し悪しを判断する基準は? 

A. 便器に鎮座するうんちの姿が腸内環境を表す鏡である

自分のカラダと菌の相性の良し悪しを判断するには、うんちをチェック

用を足した後はすぐに流すのではなく、一旦振り向いてチェック。カラダから出たものは内臓の成績表だと胸に刻んでおこう。

自分の腸内フローラと合う善玉菌の見極め方が知りたい。

うんちの状態を観察するに尽きますね。黄土色で無臭のバナナ形が理想です。出した後にスッキリするようであれば、なお良しです。その状態がキープできるのであれば、しばらくは銘柄を替える必要はありません。

排便がスムーズでなくなったら、他の乳酸菌とビフィズス菌へ乗り替えするタイミングだと心得ておきましょう」

スイッチから14日は様子見期間だとして、それ以降も調子が整わない可能性も大いにある。

「便の色が黒くなり、硬さも出てきた。さらにはそれまではなかったニオイが発生するようであれば、腸内細菌と合っていない確率が高いです。躊躇なく摂るものを替えましょう」

免疫機能の向上には時間を要する。

「いつの間にか風邪をひかなくなっているなど、腸内環境を整えるようにして1年ほど経過したあたりに、菌活の効果を実感できるはずです」

Q. 菌と食物繊維、一緒に摂った方がいい?

A. エサとなりカサとなる心強き相棒は是が非でも共に!

腸活は、変化の兆しを感じるためにも14日間はトライしよう!

なんといっても、野菜は食物繊維の宝庫!

「腸内細菌は私たちが口にした食材のカスを食して生きています。それら食物繊維などをプレバイオティクスと呼びます。食物繊維は小腸で消化ができずに大腸へと到達するため、腸内細菌のエサとなるのです。そうすると、短鎖脂肪酸が産生され全身の活性化へとつながる。なおかつ食物繊維自体がうんちを膨らませます。

量が増すと蠕動運動も盛んになるため、お通じもスムーズに。複数の種類の乳酸菌とビフィズス菌を摂り入れるのもアリですが、食物繊維の摂取も意識した方がいいです」

食物繊維に限らず、生きた菌とその栄養源は同時に食べるのが正解

「プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたシンバイオティクスも知られるようになりましたね。Synbioticsの接頭語“syn”は“一緒に”という意味。代表格は難消化性オリゴ糖です。ヨーグルトとの合わせで好相性のきな粉(大豆オリゴ糖)やはちみつ(イソマルトオリゴ糖)に含まれます」

取材・文/松岡真子 イラストレーション/イマイヤスフミ 取材協力/戸塚護(東京農業大学生命科学部分子微生物学科教授)

初出『Tarzan』No.840・2022年8月25日発売

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