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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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60年前の日本人は必要十分な食物繊維をカバーできていた。主食である穀物をワシワシ食べていたからだ。かつては必要摂取量の約5割を穀物で賄っていたが、現在は約2割。つまり、現代人の食物繊維不足はズバリ、穀物離れにあり。ならば、腸活の第一選択は主食をしっかり食らうこと。今回は主食で効率的に食物繊維を摂取するアイデアをご紹介。
現在でも日本人の主な食物繊維補給源はごはん。その証拠に令和元年の「国民健康・栄養調査」では1日に摂取する総食物繊維量のランキング1位は「米」。摂れている食物繊維量は決して多くはないが、主食はやはり日本人の食物繊維の拠り所。
ならば、主食の選び方をひと工夫すれば、食物繊維量を底上げすることができる。キーワードは「白よりも黒」。白いごはんに含まれる食物繊維は100g当たりで0.3g。これに対して未精製の玄米ごはんのそれは1.4gと4倍以上。
というのも、米の表皮の糠層にはヘミセルロースという食物繊維が豊富に含まれているから。ヘミセルロース自体は不溶性だが内部のアラビノキシランという成分は腸内細菌のエサになる。黒い穀物は食物繊維を含む皮がついている証拠。米もパンもパスタなどの麺類も黒狙いで。
もち麦配合のコンビニおにぎりは、ほとんどが海藻や大豆といった食材を使った混ぜごはんタイプ。たった1個で3g以上の食物繊維が補給できる。利用しない手はない。
穀物好きの間では早くから注目を浴びていたもち麦は大麦の一種。米に普通の「うるち米」と「もち米」があるのと同様、大麦にも「うるち麦」と「もち麦」がある。後者は一般的な大麦に比べて粘り気のある食感が特徴。そのもちもちの舌触りと食物繊維の豊富さで、腸活意識の高い人々の間で高い評価を得ている。
ちなみに炊飯した大麦100g中の食物繊維量は4・2gで玄米の3倍というさらにスゴい数値。ま、100%大麦を主食にするのは現実的ではないにしろ、食物繊維の宝庫には違いない。
なかでも豊富に含まれているのはβ-グルカンという水溶性食物繊維で、これが腸内細菌の大好物。まずはここ数年、コンビニでも見かけるようになったもち麦おにぎりをひとつ試してみてほしい。
カラダによさそうなアイテムがたくさん詰まっていそうな雑穀。こちらも健康志向の人々の根強い人気を誇っている。
ただし、腸内環境改善の主役は押し麦やもち麦、もしくは玄米。玄米に含まれているアラビノキシラン、押し麦やもち麦に豊富なβ―グルカンといった食物繊維の発酵作用に期待がかかる。
ちなみにキビや粟のひと粒ひと粒を包む皮に含まれる食物繊維は不溶性のセルロース。腸内細菌のエサにはならないが、便秘改善作用は期待できる。
黒米や赤米が含まれている雑穀もあるが、これらは食物繊維というより黒や赤といった色素成分、ポリフェノールの抗酸化作用が本分。腸内環境を整えつつ、アンチエイジング効果のおまけがついてくると思えば、カラダに悪かろうはずがない。ときには白米に混ぜて炊いてみるもよし。
志が高いのは大いに結構。でもそれより重要かつ優先度が高いのは実生活で長続きさせること。筋トレと同じだ。朝から穀物の主食を用意するのが面倒という人はコンビニおにぎりを利用してもいいし、コンビニに駆け込む余裕がないときは常備しているシリアルを活用する手もあり。
ポイントは2種類の食物繊維を含むシリアルをミックスして一度に食べること。たとえば大麦のシリアルと小麦のオールブラン、またはオートミール。小麦からはアラビノキシラン、大麦とオートミールからはβ-グルカンが補給できる。
これらをローテーションしてブレンドし、乳酸菌の入ったヨーグルトをかけて食せば、腸内細菌+食物繊維のパーフェクトな腸活レシピ。好みでバナナやキウイなどのフルーツをトッピングすれば、さらに食物繊維量の底上げに。
材料:大麦グラノーラ30g、小麦のオールブラン20g、ヨーグルト100g、きなこ・はちみつ各5g
作り方:大麦や小麦ブランのシリアルを混ぜて器に入れ、ヨーグルトをかける。トッピングは好みで。
取材・文/石飛カノ 撮影/吉松伸太郎 取材協力/青江誠一郎(大妻女子大学家政学部食物学科教授)、河村玲子
初出『Tarzan』No.840・2022年8月25日発売