深層筋へのアプローチで、腰痛予防&改善|目的別スクワット⑥
ここで紹介するのは“スクワットのみ”で構成されたメニュー。目指すカラダに合わせて日常に取り入れよう! 今回はストレッチ要素も取り入れた「腰痛の予防・改善」のためのスクワット。5つのレベルから、自分にあった種目を選んで実践しよう。
取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/村田真弓 監修/神戸貴宏
初出『Tarzan』No.813・2021年6月23日発売
腰痛予防&改善は深層筋へのアプローチ。
通常のスクワットはカラダの真下に体重をかけるが、ここで紹介するスプリットスクワットは、やや後ろ足に体重をかけることで骨盤を後傾させるのが大きな特徴。これで腰の深部にある腸腰筋が収縮し、腰痛持ちの腰部のストレスを軽減できる。
もうひとつ腰痛の予防や改善に効くのが、脚をクロスさせたり、カラダを捻りながら行うスクワット。これにより背中や腰に張り巡らされ、大臀筋や広背筋と連結する胸腰筋膜の緊張や癒着を効率的にほぐすことができる。スクワットと筋膜ストレッチの組み合わせ、お試しあれ。
今回鍛える部位
- レベル1、2、5…腸腰筋、大腿四頭筋
- レベル3、4…大臀筋、梨状筋、大腿四頭筋、ハムストリングス
「目的別スクワット」のやり方
- スクワット未経験者はレベル1~2からスタート。
- 慣れてきたらレベルアップ。
- 週に3回を目標に継続する。
レベル1
チェアバックスプリットスクワット(左右各10回×2セット)
- 椅子の左側に立ち、右足を大きく前に出す。
- 後ろ足に体重をかけつつ腰を落とし膝を90度に曲げる。
- カラダがあまり後傾しないよう右手を椅子の座面につく。
- 反対側も同様に。
レベル2
バックスプリットスクワット(左右各10回×2セット)
- 足を肩幅に開き、背すじを伸ばして立つ。
- 右足を大きく前に出し、後ろ足に体重をかけながら腰を落とす。
- 膝を90度まで曲げ、戻す。カラダが後傾しないよう注意。
- 反対側も。
レベル3
クロススクワット(左右各10回×3セット)
- 立ち姿勢から、右足を左前に出しクロスさせ、手を腰に。
- 背すじを伸ばしたままゆっくり腰を落とす。
- 右の太腿が床と平行になったらゆっくり元に戻す。
- 反対側も同様に。
レベル4
クロススクワットリーチ(左右各10回×3セット)
- レベル3と同様右足を左前に出しクロスさせる。
- 右太腿が床と平行になるまで腰を落とす。
- 同時に左腕を上げ上体を右側に倒し、左体側を伸ばしていく。
- 元に戻したら反対側も同様に。
レベル5
バックスプリットスクワットツイスト (左右各10回×3セット)
- 右足を大きく前に踏み出し、腕を肩の正面に伸ばしてクロス。
- カラダが後傾しないよう後ろ足に体重をかけながら腰を落とす。
- 同時に上体を右に大きく捻る。
- 反対側も同様に。
スクワットでカラダを変える!
スクワットといえば、下半身をガシガシ鍛える筋トレだと思っている人、結構多いのでは。故に「太くしたくないし」とつい避けてしまう人も少なくないはず。でもそれ、実はかなりもったいないお話。
スクワットで全身の筋肉の約7割が集まる下半身を目いっぱい使えば、代謝が上がり痩せやすくなるし、自体重で負荷をかける限りは、ガチガチに太くなることはまずない。むしろ逆で、正しい負荷をかけることで下半身は引き締まっていく。
また、やり方をアレンジすれば、ランナーは効率良い走りができるようになったり、腰痛予防や腹割り、果ては肩こり解消にまで繫げることができる。
この「目的別スクワット」シリーズでは、目的別に各5種類のスクワットを紹介。スクワット未経験者はレベル1~2から始め、慣れてきたらレベルアップ。週に3回を目標に、継続すれば効果を実感できるはずだ。