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「高速でペダルを動かせる選手の太腿は、だいたい3D」筋肉図鑑 vol.38|太田りゆ(競輪選手)
トレーニングの軌跡を偽りなく物語るもの、それが筋肉だ。第38回は自転車競技のナショナルチーム所属で、“顔より太もも。”をキャッチコピーとする「ガールズケイリン」でも活躍する太田りゆ選手。
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【今回の筋肉】太田りゆ

私の専門のトラック競技・短距離種目のスプリントとケイリンでは持久力以上に瞬発力が求められます。重いギアをいかに速く回せるかが勝敗を決めるため強い太腿が重要です。
私の太腿を正面から見た時、内転筋や外側広筋は他の選手と比べても発達してない方。でも横から見た時の厚みがすごいんです。高速でペダルを踏んだり引くことができる選手の太腿はだいたい3Dです。

今まで世界のトップの選手たちとレースで競ってきましたが、全員ムキムキ。私も少しぶつかられたくらいじゃ絶対に転びません! 走行中にいい姿勢を保つには体幹の強さも大切です。特にトレーニングはしてませんが、腹筋は常に割れてます。

筋トレデビューは小2の頃。昔からとにかく活発で、フッキンや腕立てをして遊んでました。本格的に鍛え始めたのは大学時代にジムで働きだしてから。お客さんの見本となるべく、“魅せるため”の筋肉づくりに励みました。
当時はジムで稼いだお金で一家の家計を支える日々でしたが、進路を考えたとき、最もお金を稼げる方法として浮かんだのが競輪。幼馴染みのお父さんが競輪選手で、「キミは向いてるよ」と昔から何度も言われたんです。競輪学校に進学後、ナショナルチームのコーチにスカウトされて今に至ります。

今はパリ五輪でメダルを獲ることを目標に、週6日の練習の合間を縫って週3日はウェイトトレ。正直毎日疲労困憊ですが(笑)、今拠点としているのは伊豆なので、週2日は温泉に駆け込み交代浴をするのがルーティンです。
練習に打ち込める最高の環境と周りの方のサポートのおかげで、先日行われた『全日本選手権』のスプリントでは優勝できました。とはいえ、自分はまだまだこれから! 練習を重ねて納得のいく成績を必ず残したいです。
取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗
初出『Tarzan』No.801・2020年12月17日発売