- 走る
- 遊ぶ
山を走る上で、大切なこと。
PR
仕事中も休憩中も座っている。以前より明らかに運動量が減った。そりゃ硬くもなります。まずはストレッチを始める前に、6つの部位をチェックしてみよう。
半巣ごもり生活が続く今、メリハリのないテレワークで終始同じ姿勢で過ごしているうち、首や肩、腹やお尻が縮こまってガッチガチ。そうとは知らないうちに以前より柔軟性が乏しくなっているかもしれない。
そこで、主要な関節や筋肉の動きをチェックしてみたい。判定は簡単。それぞれの動作がクリアできれば柔軟性あり、そうでなければ柔軟性に難ありだ。こんなの簡単? いや、ただ見るのと実際やってみるのとでは大違い。びっくりするほどカラダは硬くなっているかもしれない。
この部位をチェック!
目次
朝から晩までPC画面とにらめっこ。仕事がひと息ついたらスマホでゲーム、あるいはタブレットで動画をガン見。この間、7つの頸椎からなっている首の骨はずっと前方に傾いたまま。屈曲動作がデフォルトになり、伸展動作はそっちのけだ。
ときに羽を伸ばして外食でビールジョッキなど傾けたとき、首がうまく反らせない、なんてことにもなりかねない。
パソコンのキーボードを打つ、スマホで両手フリック入力をする、デスクに広げた資料を覗き込む。このとき、いずれも肩は体側より前に位置しているはず。胸の筋肉が縮み、背中がちんまりと丸まっているに違いない。
肩甲骨が開いて両肩が前に突き出したこの姿勢を一般的には「巻き肩」と呼ぶ。脳がこれを標準仕様と捉えれば、胸の筋肉はいつも縮みっぱなしで伸びるヒマなし。
巣ごもる巣ごもらないにかかわらず、現代人が圧倒的に使う機会を逃しているのが肩関節。ハタキ掃除など滅多にしない、洗濯物もドラム式洗濯機が乾かしてくれる、肩関節を動かし腕を持ち上げる機会といえば、電車やバスの吊り革を握るくらい。とはいえ昨今は感染リスクを負わないよう、意地でも吊り革を握るまいと決めている人も少なくない。で、肩まわりは岩のごとく硬くなる。
延々続くリモートワークで最も硬くなりがちなのは、意外なことにお腹。骨盤と頭蓋骨を繫ぐ脊柱の役割は体幹部を滑らかに動かすこと。ところが、いつ終わるとも知れないリモートワーク中、体幹部は不動のまま。しかも、ビシッと背すじを伸ばした姿勢ではなく、おそらくは時間を経るごとに猫背姿勢になっていく。つまり、脊柱は丸くなりお腹の筋肉は縮みっぱなし。
大臀筋および太腿裏のハムストリングスが硬くなると、股関節がしっかり屈曲できなくなる。でも本来、正しい姿勢で座っていればおのずと股関節は屈曲する。よってお尻や太腿裏の筋肉は始終伸ばされているはず。なのにお尻周辺が固まってしまう理由は、骨盤を後ろに倒したグダグダ姿勢で座っているから。チェックをクリアできない人は座り姿勢に問題ありと心得るべし。
かつての日本人全員に身についていたのが、ふくらはぎの筋肉と足首の関節の柔軟性。理由は布団を上げ下げしたり和式トイレで用を足すときなど、そのつどしっかりしゃがみ込むという動作が必須だったから。畳のある和式生活から遠ざかることによって、これらの柔軟性は確実に衰えがちに。踵を床につけたまま腰を落としてしゃがめなければ、かなりヤバい。
取材・文/石飛カノ 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/坂詰真二(スポーツ&サイエンス)
初出『Tarzan』No.793・2020年8月6日発売