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座りすぎで丸まった「猫背」をリセットするストレッチ&エクササイズ
気付いたときにする「ちょこっとリセット」、本格的に正す「しっかりリセット」の二段構えのプログラムを習慣化して、本気の姿勢改革を!
姿勢改革は、ストレッチと筋トレで。
骨格が歪んで姿勢が乱れる背景には、硬く縮こまった筋肉と、緩んで弱くなった筋肉がある。
そこで、硬い筋肉を見つけてストレッチで伸ばし、柔軟性をアップ。弱い筋肉は、エクササイズで鍛えて強化する。ストレッチとエクササイズをセットで行うからこそ、より効果的だ。
今回紹介するストレッチとエクササイズは、デスクワーク中でもできる「ちょこっと」と、本格的な「しっかりと」の二段構えになっている。
【連載・6大「姿勢の改善」プログラム】
- スマホ首(首こりの原因「スマホ首」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 巻き肩(肩こりの原因「巻き肩」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 猫背(本記事)
- 反り腰(腰痛の原因「反り腰」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- X脚(女性だけの悩みではない「X脚」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 踵骨外反・扁平足(姿勢の土台「踵骨外反・扁平足」をリセットするストレッチ&筋トレ)
猫背の原因は「体幹の筋力の衰え」。
日本人は世界でもっとも坐っている時間が長いとか。昨今のテレワークや在宅勤務により、その時間はさらに長くなっているに違いない。そうなると心配なのが、猫背の増加だ。
運動不足だと体幹の筋力が衰え、上体の重みがまともに支えられなくなる。それでも立位なら、倒れないように否が応でも頑張って支えるしかないが、座位だと椅子の背もたれに背中を預けて体幹がサボることが可能。
その結果、緩やかに後ろにカーブしている胸椎の彎曲がきつくなり、背中が丸まって肩こりの誘因となる。胸郭まわりの筋肉のインバランスを整えたい。加えて余裕があれば、こちらの記事で紹介する体幹トレで上体を支える筋力も養っておこう。

肩の凝りを感じたら、気分転換に「ちょこっと」リセット。
①ソラシック・エクステンション(15秒キープ)
- 壁に頭の高さで両手を肩幅でつき、両腕を伸ばして壁から1歩離れて肩幅で立つ。
- 股関節から上体を前傾させて、背すじを伸ばして胸を張る。耳が腕よりも低くなるくらいまで、胸を開いて両腕の間に下ろしてキープ。
②パッキング・ストレッチ(10回)
- 両足を腰幅に開いてまっすぐ立ち、背すじを伸ばして胸を張る。両腕を体側で下げる。
- 体幹を固定したまま、肩関節から両腕を外側へ回す外旋をしながら肩を後ろに引いて胸をストレッチ。2カウントキープして元に戻る。
背中の筋力をアップさせる、「しっかり」リセット。
①オーバーヘッド・スクワット(10回×3セット)
- 両足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、両腕を肩幅でまっすぐ上に伸ばして手のひらを向かい合わせる。肘を耳より後ろに引く。背すじを伸ばして胸を張る。
- その姿勢のまま、後ろの椅子にしゃがむようにお尻を引き、膝が90度曲がるまでしゃがんだら、踵で床を押して元に戻る。
②ショルダーフレクション・アット・ザ・パワーポジション(10回×2セット)
- 両足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、股関節から上体を45度ほど前傾させて膝を曲げたパワーポジションを取る。背すじを伸ばして胸を張る。両腕を体側で下げ、手のひらを向かい合わせる。
- その姿勢を固定したまま、肘が耳よりも高く上がるまで両腕を引き上げ、元に戻す。
③キャメル&ドッグ(10回×2セット)
- 両手を両肩、両膝を股関節の真下にそれぞれついて四つん這いになる。背すじを伸ばし、背骨の延長線上に頭を置く。ヘソを覗き込むように頭を下げながら背中を丸めて背骨で凸状のカーブを作る。
- 次に、正面を向くように頭を上げながら背中を反らせて背骨で凹状のカーブを作る。
④マーメイド(15秒キープ×2セット)
- 床でうつ伏せになり、脇を締めて両手を脇腹の真横につく。両脚を腰幅に開いてまっすぐ伸ばし、爪先も伸ばす。
- 両手で床を押して肘を伸ばし、顔を天井に向けてお腹をストレッチする。腰を反らさないこと。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/重成悠馬(FLUX CONDITIONINGS)
初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売