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デスクワーカーの肩こりの原因「巻き肩」をリセットするストレッチ&エクササイズ
気付いたときにする「ちょこっとリセット」、本格的に正す「しっかりリセット」の二段構えのプログラムを習慣化して、本気の姿勢改革を!
姿勢改革は、ストレッチと筋トレで。
骨格が歪んで姿勢が乱れる背景には、硬く縮こまった筋肉と、緩んで弱くなった筋肉がある。
そこで、硬い筋肉を見つけてストレッチで伸ばし、柔軟性をアップ。弱い筋肉は、エクササイズで鍛えて強化する。ストレッチとエクササイズをセットで行うからこそ、より効果的だ。
今回紹介するストレッチとエクササイズは、デスクワーク中でもできる「ちょこっと」と、本格的な「しっかりと」の二段構えになっている。
【連載・6大「姿勢の改善」プログラム】
- スマホ首(首こりの原因「スマホ首」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 巻き肩(本記事)
- 猫背(座りすぎで丸まった「猫背」をリセット! ストレッチ&筋トレ)
- 反り腰(腰痛の原因「反り腰」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- X脚(女性だけの悩みではない「X脚」をリセットするストレッチ&筋トレ)
- 踵骨外反・扁平足(姿勢の土台「踵骨外反・扁平足」をリセットするストレッチ&筋トレ)
「巻き肩」ってなに?
巻き肩とは、肩が前に出て丸まって見えるもの。ラウンドショルダーとも呼ばれており、肩甲骨が上へ上がる挙上、外へ広がる外転、下の角が上に回る上方回旋が複合的に起こる。
胸の筋肉が硬くて背中の筋肉が弱くなり、肩こりが生じやすい。テレワークのパソコン仕事のように、坐って前屈みの姿勢を取り続けるとなりやすい。
そもそもニュートラルな姿勢では、腕は外側へ回る外旋をしている。そのままだと坐って作業ができないので、腕を内側へ回す内旋を行うが、それに伴って肩甲骨が挙上・外転・上方回旋しやすく、巻き肩に陥ってしまうのだ。
巻き肩は、スマホ首や猫背と同時多発的に起こりやすい。この3つはセットで矯正しておきたい。

スキマ時間に筋膜をリリースする、「ちょこっと」リセット。
①パッキング・ストレッチ(10回)
- 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。両手を後ろで組む。
- 肘を伸ばして両手を真下に下げ、胸を広げて大胸筋と小胸筋をストレッチ。両肘を緩めて元に戻る。両手を斜め下に下げると肩甲骨が外転するので逆効果。必ず真下に引くこと。
②マッサージ&ショルダーローテーション(左右各20回)
- 両足を揃えてまっすぐ立つ。左の鎖骨の下の小胸筋に右手を添える。
- 右手の指で小胸筋を押してマッサージしながら、体側で伸ばした左腕を後ろから前へ10回、前から後ろに10回大きくゆっくり回す。腕の動きにつられて体幹がブレないように注意する。左右を変えて同様に行う。
背中の筋肉を強化する、「しっかり」リセット。
①ローテーショナル・ショルダーストレッチ(左右各60秒キープ)

左手を肩の高さで壁につく。左腕が伸ばせる距離まで壁から離れて、体幹を右へ向けて左の胸を軽くストレッチ。ヘソから下を固定したまま、天井を見るように頭を右斜め後ろに倒し、左の胸をさらにストレッチ。ゆったり呼吸をしながら60秒キープ。左右を変えて同様に行う。
②トランク・ローテーション (左右各10回)
- 右側を下にして横向きになり、頭をクッションで支える。左脚を右脚へクロスさせて床につける。左膝を90度曲げ、右手で左脚の太腿を上から押さえる。右脚はまっすぐ伸ばす。顔を右側へ向け、左腕を床と平行に伸ばす。
- 手の動きを目で追いながら、左手でなるべく大きな弧を描いて後ろの床まで近づけ、元に戻す。左右を変えて同様に行う。
③コプラ(30秒キープ×3セット)
- 床でうつ伏せになり、両腕を体側でハの字に開き、手のひらを床に向ける。両足は腰幅で開いて爪先を立てる。
- みぞおちの少し手前まで胸を反らして上体を起こし、ゆったり呼吸しながら30秒キープする。
④プローン・プルダウン(10回×2セット)
- コブラで胸を反らした姿勢のままで、両腕を床と平行にまっすぐ前に伸ばして、手のひらを床に向ける。
- 両肘を脇腹に突き刺すように引き寄せて左右の肩甲骨の下の角を近づけ、元に戻る。
取材・文/井上健二 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/重成悠馬(FLUX CONDITIONINGS)
初出『Tarzan』No.787・2020年5月14日発売