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走って動ける最強ボディ。ラン+筋トレで“スパルタンボディ”を手に入れる!

「スパルタンレース」をご存じだろうか。楽しみながら数々の障害物を攻略する過程で、無駄な脂肪は削ぎ落とされ、筋肉の凹凸が現れる。スパルタンレースで磨かれた彼らのボディに学べ!

さまざまな障害物が、屈強な肉体を作り上げる!

「スパルタンレース」はいわば大人のアスレチックだ。

自分の身長よりも高い壁を乗り越え、ロープを登ってテッペンを目指し、猿のように棒から棒に飛び移る。いつからかやらなくなったそんな遊びに、大の大人が大興奮。

選手たちは目を輝かせながら、必死に汗を流している。そして口々に言う、「童心に帰れて楽しい」「できなかった動きができるようになると嬉しい」と。その中毒性の高さから、国内外のレースを渡り歩くリピーターも多い。

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スパルタンレース
MONKEY BARS/昔なつかし“うんてい”。あの遊具に比べるとバーの間隔が広いため、片手でカラダを保持できるだけの握力が必要。
スパルタンレース
SPEAR THROW/8m先の的めがけて槍を投げ、刺さればOK。出場選手曰く、テクニックというより“運”。トップ選手でも失敗する確率が高い種目。
スパルタンレース
ATLAS CARRY/約40㎏の石の塊を反対側の旗まで運び、戻ってくる。往復できなきゃダメ、途中で落としてもダメ。まあるい形が厄介で、苦戦者続出。

福間仁さんも、そんなスパルタンレースに魅了された一人だ。始めた頃は旅行の言い訳として世界各国のレースに参加し、終わった後にビールを楽しむ“ファンラン派”だったが、じわじわとのめり込み、そのうちチャンピオンシップ(世界選手権)を目指すようになったという。

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スパルタンレース
A-FRAME CARGO/ネットが張られた三角形の構造物をよじ登り、反対側に下りる。動きは比較的イージーだけど、高さは約5mとなかなかスリリング。
スパルタンレース
VERTICAL CARGO/垂直に張られたネットの壁を乗り越える種目。足を置いたネットがグラグラと揺れて、スムーズに移動するのは意外と難しい。

「チャンピオンシップを狙うようになってまず取り組んだのは、ランニングの強化です。スパルタンレースの95%はランニングが占めるので、苦手な走りを仕方なく(笑)。低酸素ジムでフォームをチェックしてもらったときにトレーナーから指摘されたのが“お尻の筋肉がない”ということでした。

週に3回クロスフィットに通っているのでそれなりに筋力はあると思っていたのですが、ようは、走るための筋肉がなかったんですね。お尻の筋肉がうまく育ってくると、なんとか2日間のレースで80kmが走れるようになり、体重も落ちてカラダが軽くなりました」

スパルタンレース
HERCULES HOIST/片足を地面につけた状態でロープを引っ張り、重りを頂点まで上げる。元に戻すときも慎重に。ドスンと落とせば即バーピー。

レースのタイムがぐんと縮み、カラダつきも変わってきた。

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スパルタンレース
SLIP WALL/ロープを使って傾斜のついた壁を登る。上半身に頼りすぎないようにするには、体重を後ろにかけて、壁と垂直になるのがコツ。
スパルタンレース
ROPE CLIMB/上から垂れるロープを登り、頂上のベルを鳴らせばクリア。後半の種目のために上半身の力を温存するには、足を使って下りるのがミソ。

「ワールドチャンピオンであるRobert Killian選手のように、スパルタンアスリートはいわゆる細マッチョの人が多いんです。上半身の筋肉はそれなりにあるけれど、下半身はランナーといったような」

細身の選手が多い理由を、スパルタンレースの公式トレーナーである中野ひろゆきさんはこう分析する。

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スパルタンレース
PLATE DRAG/ソリのような入れ物に入った重りのプレートを、ロープを使って引き寄せる。目印まで到達したら、今度は逆側から引っ張り元へ戻す。
スパルタンレース
MULTI-RIG/均等に張られた吊り革を、うんていの要領でゴールまで伝っていく。ベルを鳴らせばクリア。疲労が溜まったラストにこれはキツイ!
スパルタンレース
7 FT. WALL/7フィート=約2.1mの壁を乗り越える。片足で地面を踏み切り、逆足で壁をポンと蹴る。あとは腕にお任せ、トップを摑んで乗り上がる。

「筋肉がゴツゴツした人は、重りを運ぶ種目は得意でもランは苦手。反対に速く走れるランナーは、重りを持ち上げるのが苦手。つまり、どちらか一方が得意でも、スパルタンレースを制することはできないのです。ランも筋トレも総合的に鍛えることで、結果的に細マッチョになる。スパルタンボディは、究極の“動けるカラダ”なのです」

What’s SPARTAN RACE ?

世界42か国で、これまでに250を超える大会が展開されている大規模な障害物レース。日本では、2017年に在日米軍相模総合補給廠で行われた第1回大会以降、現在までに9回のレースが開催されている。ハードコア向けの「エリート」、年代別カテゴリー「エイジ」、チームでも参加できる「オープン」、4歳から出場可能な「キッズ」とカテゴリーもさまざまで、年代や性別問わず楽しめる。3月28〜29日には、初の沖縄開催が決定。

【スパルタンボディを磨く実践編】細マッチョな“究極の動けるカラダ”になるトレーニングも公開中!

取材・文/黒澤祐美 撮影/小川朋央 エクササイズ監修/中野ひろゆき(スパルタンレース公式トレーナー)

初出『Tarzan』No.781・2020年2月13日発売

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