スパルタンボディを磨く実践編。 普段あまり運動習慣がない「ビギナー」、週に2〜3度運動している「ベーシック」、運動頻度が高く、スパルタンレース出場を目指す「アスリート」に分けて回数の目安を設定した。レベルに応じて挑戦しよう。
重りを運び、速く走り抜ける。超過酷な「スパルタンレース」を完走するためのカラダとはすなわち、細マッチョな“究極の動けるカラダ”。
必ずしもレース出場を目標にせずとも糧となる、“スパルタンボディ”を手に入れるためのトレーニングをスパルタンレース公式トレーナー・中野ひろゆきさんに教えていただく全5本の記事を大公開!
「スパルタンレースは、全身をバランスよく鍛えるのが基本」と言う中野さん。
「レース出場・完走を目指すならすべての種目を行ってほしいところですが、時間が取れない日もあるはず。そんな日は、上半身、下半身、心拍コントロール、連動性、関節可動域のカテゴリーから1~2つずつピックアップしてメニューを組みましょう」
中野ひろゆき(なかの・ひろゆき)/1984年生まれ。SPARTAN SGX。大阪・堀江のパーソナルトレーニングスタジオ〈GRACE HORIE〉代表、ReebokONE アンバサダー。15歳から23歳までカナダに留学し、オカナガン大学卒業。カナダCJFLや日本Xリーグでアメフト選手を経験し、日本でトレーナーとして活動。
裏面の強化が障害物攻略の鍵。
上半身の中でもとくに背中、肩、腕の裏側は意識的に鍛えておきたい。
「ロープを引っ張って重りを動かしたり、ロープをよじ登って頂点を目指したりと、スパルタンレースでは”引く”動作が多く登場します」と言うのは、 スパルタンレース公式トレーナー・中野ひろゆきさん。
「胸や腕といったカラダの前面は自体重トレでも十分鍛えられますが、カラダの裏側は何かにぶら下がったり、実際にウェイトを引き上げる動作をしないと筋肉がつきません。
筋力アップを目指すなら、普段から背面に意識を向けることも大切。たとえば、肩よりも肘が後ろにある状態だと背中に刺激が入りやすいので、手のひらを後ろに向けて、体側よりも少し後ろの位置で重い買い物袋を持つだけでもOK。公園のうんていなどを使って懸垂するのもいいでしょう」
【背中】 不安定な場面で軸をぶらさず、カラダを支持。
1. ワンハンドスナッチ(ビギナー左右5回ずつ、ベーシック左右10回ずつ、アスリート左右15回ずつ)
2. ハングスイング(ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回)
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両腕を肩よりもやや広めに開き、懸垂マシンにぶら下がる。両膝を曲げて姿勢をキープしたまま、うんていのように片手を離し、再び摑む。
続いて逆も同様に行い、片手でカラダを支持。これを左右交互に繰り返す。ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回。
【腕】ロープを引き、壁を乗り越える力を強化。
1. タオルハング(ビギナー15秒、ベーシック30秒、アスリート60秒)
懸垂マシンにタオルを掛けて、2股に分かれたタオルを左右それぞれの手で摑む。次にタオルを引きながら両肘を曲げ、カラダ全体を床から持ち上げる。タオルを摑んだ手を胸に引き寄せた状態でキープ。ビギナー15秒、ベーシック30秒、アスリート60秒。
2. トライエクステンション(ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回)
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椅子をカラダの正面に置く。少し離れた場所で脚を肩幅に開いて膝立ちになり、両足を浮かす。両腕を椅子に向かって伸ばし、座面の手前側に両手を乗せる。
ここから、両肘を真下に向かって曲げ、腕の裏側を刺激。ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回。
【肩】 物を上げる・投げる動作をスムーズに。
1. ビハインドネックプレス(ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回)
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深く曲げる。タオルの端を左右それぞれの手で持ち、首の後ろにスタンバイ。
タオルがたるまないよう張ったまま、両腕を天井方向に伸ばす。お尻の位置は変えないこと。ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回。
2. フロントレイズ with チェア(ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回)
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足を腰幅に開き、椅子の脚を左右それぞれの手で摑む(ダンベルやペットボトルでも代用可、その場合は1つずつ持つ)。
肘を伸ばした状態で、腕が肩の高さに来るまで椅子を持ち上げる。戻す時はゆっくりと。ビギナー10回、ベーシック20回、アスリート30回。
取材・文/黒澤祐美 撮影/小川朋央 スタイリスト/齋藤良介 ヘア&メイク/天野誠吾 エクササイズ監修/中野ひろゆき(スパルタンレース公式トレーナー)
初出『Tarzan』No.781・2020年2月13日発売
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