ジムの長居は要注意!痩せない人が陥りがちな運動にまつわるNG行動。

「とりあえず走る」「ダイエット情報を鵜呑みにする」「週末に1週間分の運動を」。こういった発想に陥っていたら要注意。あなたが痩せない原因になっているかもしれない。運動にまつわる15のNG行動のうち、1つでもアクションや考え方が当てはまる人は注意すべし。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/谷端 実 取材協力・監修/白戸拓也、澤木一貴、清水 忍、河村玲子

初出『Tarzan』No.894・2025年1月4日発売

痩せない人がやっている NG行動(運動)
教えてくれた人

河村玲子(かわむら・れいこ) /パーソナルトレーナー・管理栄養士。栄養・運動を組み合わせたボディメイク、姿勢改善、老けないカラダ作りを得意とする。本誌をはじめ雑誌でのレシピ作成、アスリートの栄養指導を行う。

澤木一貴(さわき・かずたか) /SAWAKI GYM代表。整形外科病院でトレーナー科主任を務めた後、専門学校講師を経て現職に。医学的根拠に基づいた指導に定評あり。

清水忍(しみず・しのぶ) /トレーニングジムIPF代表。メジャーリーガー、プロ野球選手、プロボクサーなど多くのアスリートを指導。論理的根拠を示す指導に定評あり。

白戸拓也(しらと・たくや) /大学卒業後、黎明期のフィットネス業界に進みフィットネスプログラム開発やトレーナー育成を担当したレジェンド。昨年MSFitness鷺沼のディレクター就任。

1.とりあえず走れば痩せると思っている。

とりあえず走れば痩せると思っている

有酸素運動で痩せようとする人の多くは、時速10kmのスピードで続けて走れないのにそこからスタートしようとします。最初の1〜2週間はすごく頑張るんですけど、その後めっきりジムにいらっしゃらなくなるパターンがほとんどです。(白戸さん)

2.筋トレの強度が低すぎる。

筋トレの強度が低すぎる

カラダを絞る目的なのに、筋トレの強度が低い。フォームが悪くて負荷が逃げてしまったり可動域が小さかったり、長すぎるインターバルでスマホを見ていたり。たまにスマホを見ながら筋トレしている人もいます。むろん効果は半減です。(白戸さん)

3.運動中に水を飲まない。

運動中に水を飲まない

女性に多いのがトレーニング中に水をあまり飲まない方。体脂肪を効率よく燃やし心臓に負担をかけないためには、水分摂取で血液の粘度を高めないことが重要。「私、水飲めない人なんです」と言わず、30分ごとに350mLは摂りましょう。(白戸さん)

4.毎日体組成計に乗って一喜一憂する。

体重計に乗って一喜一憂

ジムで運動した後や、お風呂やサウナに入った締めで体組成計に乗り、一喜一憂する人は珍しくありません。でも体脂肪率は体内の水分量に大きく影響されるので、頻繁に計測するより4週間ごとに計測してモチベーションにするのがベター。(白戸さん)

5.お腹を凹ませたいから腹筋をしている。

お腹を凹ませたいから腹筋をしているお腹を凹ませたいから腹筋をするという人はいまだに後を絶ちません。シットアップで腹直筋だけ鍛えてもお腹は凹みません。それよりドローインをした方が効果的。お腹を凹ませたいなら、まず食事で体脂肪を減らすことが先決です。(河村さん)

6.筋トレさえすれば痩せると思っている。

筋トレさえしてれば痩せる

ガチで30分筋トレをしても消費エネルギーは200kcal程度。しかも消費されているのは糖質で脂肪は燃えません。期待するほどの痩せ効果はありませんが、日常の活動がアクティブになれば体脂肪は落ちる。この仕組みを理解しましょう。(清水さん)

7.運動した日は自分にご褒美を与えている。

運動した日は自分にご褒美

筋トレをしているからどんなに食べても大丈夫、ウォーキングしているから何を食べても大丈夫、と運動のご褒美を与える人がいますが、そもそも運動で消費できるエネルギーは期待している以上に少ないです。ご褒美ですぐ帳消しに。(河村さん)

8.つい「僕には無理」と言ってしまう。

つい僕には無理という

ジムにいらっしゃる方の中には「そこまで求めてないのでできません」とステップアップを拒む人もいます。それなら階段を上っている方がよほど運動になります。手間とコストをかけた分、日常生活以上の刺激をカラダに与えてほしいです。(白戸さん)

9.自分にとって心地のいい情報しか受け入れない。

自分にとっていい情報しか受け入れないカラダ作りは運動と食事との2軸で進めるという話をコンコンとした後で、「ところで今飲んでるサプリなんですけどね」という答えが返ってくることが。有益な情報より自分にとって心地いい情報を欲しがる人は痩せられません。(清水さん)

10.まとまった時間がないと運動できない。

まとまった時間がないと運動できない

まとまった時間がないから運動できないというのは言い訳。僕は空いた時間に懸垂を3セットだけやるなど、細切れの運動で筋肉量を保っています。24時間中、隙間時間はいくらでもあるはず。まとまった時間=運動時間ではありません。(澤木さん)

11.痩せたと思ったときしか体重を量らない。

痩せたと思った時にしか体重計に乗らない

太っていると思っているときは体重計に乗らず、痩せたかな?と思ったときだけ体重計に乗る。それで思ったほど体重が落ちていなくて心が折れる人がいます。体重を毎日量る人は自然に痩せていきます。体重計測は気分ではなく習慣に。(河村さん)

12.バラエティ番組のダイエット情報を鵜呑みにする。

バラエティ番組のダイエット情報を鵜呑みにする

「太っている芸能人に1週間同じものを食べさせて痩せた太ったというバラエティ番組を見て、真に受けてしまう人がいました。短期間の食事で体脂肪が変動するわけがありません。テレビの情報を鵜呑みにすると逆効果に繫がることも」(河村さん)

13.1人のメンターを盲信する。

一人のメンターに盲信する

「あるダイエットがブームになると飛びついて痩せ、ブームが下火になったらやめて太る。これを繰り返していくと将来的に病気になる可能性も。1人のメンターを盲信するのではなく複数の人が発信する情報を精査する心構えで」(澤木さん)

14.ジムに長居しすぎる。

ジムに長居しすぎる

「ジムのスタジオプログラムを1日4〜5本受ける方がいますが、滞在時間が長すぎます。プログラムに参加しても疲れて動けないし、フォームも悪い。運動はやりすぎも問題です。ジムやスポーツクラブの滞在時間は1時間程度が適切」(白戸さん)

15.課題を与えると「みんなできてるんですか?」と言う。

課題を与えると理由をつけて言い訳する

「アドバイスをすると『それはみんなできてるんですか?』と聞かれることがあります。自分が平均以下と思われたくない気持ちがあるのかもしれませんが、トレーニングは競争ではありません。自分のためになることならぜひ挑戦を」(白戸さん)

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