たるみ、目や頭の疲れに。自分でできる「顔・頭のストレッチ」厳選9種目
凝った首や背中、腰をストレッチ。でも何だかスッキリしない。そんなときは、こまかい部位に目を向けてみよう。今回は、日々の疲れが溜まりやすく、放置するとたるみや歪み、目や頭の疲れを招く顔・頭の凝り解消に効果的なストレッチを紹介。見た目の若返りに加え、酸素の巡りを促し、パフォーマンスアップ!
取材・文/井上健二 撮影/谷尚樹 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 編集/阿部優子
初出『Tarzan』No.856・2023年5月11日発売
村木宏衣さん
教えてくれた人
むらき・ひろい/エイジングデザイナー。エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務を経て、独自の「村木式」美容メソッドを確立。2018年に自身のサロン〈Amazing♡beauty〉を開設。著書『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)はベストセラー。
目次
若々しくなり、仕事力向上も期待できる
大事なのに、ついついストレッチを怠りがちなのが、顔と頭。
「顔も頭も、表面は筋肉で覆われています。ケアを忘れると凝りやすく、放置するとフェイスラインのたるみや歪み、目や頭の疲れなどを招きます」(エイジングデザイナーの村木宏衣さん)
顔と頭の筋肉に、凝りや緊張が起こる理由はさまざま。たとえば、猫背から肩こりや首こりが生じると、地続きの顔も頭も凝ってくる。また、ストレスが強くて寝ている間に無意識に歯ぎしりをしていたりすると、それが顔や頭に緊張を及ぼすこともある。
ここでは村木さんの数あるメソッドから、目的別に顔と頭のストレッチを9つ厳選してもらった。
「顔と頭がほぐれると、見た目が若返るだけではなく、表情が豊かになり、コミュニケーション能力が上がります。また、凝りが取れて顔と頭の血流が良くなると、脳に供給される酸素の量も増えて、思考が前向きになり、眠りの質もアップ。仕事力向上のためにも毎日の習慣に取り入れてください」
顔・頭のストレッチの基本ルール
- 強くやりすぎない
- 爪を立てない
- 場所を変えて満遍なく
顔も頭もデリケートな部位なので、強くやりすぎないように気をつける。爪は短く切り、爪を立てて皮膚を傷つけないようにする。効果をより引き出すために、場所を変えながらターゲットの部位を満遍なく緩めていく。
① 耳の穴のストレッチ(1方向10秒×5)
側頭部をほぐし、血行を促しながら、頭の疲れを取る
両手の親指を、下から耳の穴にひっかけるように入れて、それ以外の4指で側頭部を軽く摑む。息を吐きながら親指を引き上げ、耳の穴を広げる(①)。続いて後方(②)、斜め後ろ(③)も同様に。真下(④)と前側(⑤)には人差し指を耳の穴に入れて同様に行う。
ポイント:豆腐を崩すくらいのソフトな力加減で行う
② 額のストレッチ(1か所15秒)
ドライアイを解消。目力を強くして、むくみも追放
両手の拳を軽く握り、平らな面を額に当てる。皮膚を1cmほど引き上げ、拳を押し当てて、外向きに小さな円を描きながらマッサージ。上・中・下と3か所ほどに分けて、広い額全体をほぐす。
ポイント:外向きに小さな円を描いて顔全体を緩める
③ 眉のストレッチ(15秒)
老け顔に見せるまぶたのたるみを優しくケアする
両手の人差し指をカギ形に曲げ、平らな面を眉に押し当てる。そのまま両肘をテーブルにつく。頭の重みで眉を圧迫しながら、うんうんと頷くように首を上下に動かしたり、イヤイヤをするように首を左右に動かしたりする。
ポイント:うんうん、イヤイヤと首を小さく振り、筋肉を刺激
④ 耳の穴ストレッチ&ツイスト(左右各5呼吸)
こわばりをリセット。顔も目元も引き上げ
片手の親指を、同じ側の耳の中に下からひっかけるように軽く入れて、それ以外の4指で側頭部を軽く摑む。息を吐きながら親指を引き上げ、4指で頭を摑むように軽く圧をかける。呼吸しながら、指を入れた耳と反対側を向き、深呼吸。左右を変えて同様に行う。
ポイント:親指を深く入れすぎないように注意する
⑤ 咬筋のストレッチ(左右各3か所×6回)
咀嚼筋の緊張を取り、顔の歪みを整える
目尻の真下の頰骨の下に、反対の親指を下からひっかけ、他の4指は軽く握り、人差し指はカギ形に曲げ、平らな面をエラ骨(下顎の骨の出っ張り)に固定。
口を軽く開け閉めして動く太い筋肉(咬筋)の位置を確認し、その縁の凹んだ部分に改めて親指の腹をひっかける。両側から咬筋をしっかり挟んで押さえ、「あ」で口を開き「ぐ」で閉じる。これを6回繰り返す。
頰骨の真下から顎上まで3分割して同様に。左右を変えて同様に行う。
ポイント:「あ」と「ぐ」で口を開閉しながらストレッチ
⑥ 眉毛下制筋のストレッチ(左右各15秒)
表情を穏やかにしてコミュ力アップ
目を閉じ、同じ側の親指を、眉頭の下のくぼみに下から当てる。指を寝かせて骨に沿わせ、眼球を押さないように。反対側の親指と中指で、メガネの鼻パッドが当たる部分を左右から押さえる。
眉頭の親指を押し上げながら、反対の親指と中指で鼻を真下に引っ張る。そのまま、うんうんと頷くように首を上下に動かしたり、イヤイヤをするように首を左右に動かしたりする。左右を変えて同様に行う。
ポイント:うんうん、イヤイヤと首を小さく振り、筋肉を刺激
⑦ リンパ筋のストレッチ(左右各6か所×8回)
滞りがちなリンパを流し二重顎にサヨナラ
顎から2cmほど内側にある骨の際で、顔の中心から1cmほど外側に、反対の人差し指をカギ形に曲げた平らな面を押し当てる。
人差し指をしっかり押し当てたまま、「あ」で口を開き、「ぐ」で閉じる。これを8回繰り返す。エラの出っ張りに向かい、6か所ずつ指をズラしながら同様に。左右を変えて同様に行う。
ポイント:リンパの詰まりを押し流すイメージで行う
⑧ 側頭筋のストレッチ(左右各5か所×10秒)
緊張をオフ。集中力がアップする。嬉しい小顔効果も
両手の親指を同じ側の側頭部に当て、他の4指を後頭部に添える。親指で押してイタ気持ちいいポイントを見つけたら、後頭部の4指を支点に親指で頭皮を前方から後方へズラす。
そのまま「イヤイヤ」をするように、頭を小刻みに左右に動かす。10秒間続けたら、親指を当てる場所を変えて全部で5か所ほど行う。
ポイント:後頭部の4指を支点に頭皮を後方へズラす
⑨ 帽状腱膜のストレッチ(4か所×10秒)
頭皮の血行を促進。育毛環境を整える。脳力活性化にも有効
両手の指の腹を頭皮に当てる。頭蓋骨から頭皮を剝がすように、1〜2mmほど小刻みに左右に動かす。指を当てる位置をズラしながら、生え際から後頭部まで満遍なく行う。
最初に指を当てる位置を変えて4か所ほど行って、頭皮全体の緊張をオフにして柔らかくする。
ポイント:指の腹で頭皮を耕すようなイメージで行う