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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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凝った首や背中、腰をストレッチ。でも何だかスッキリしない。そんなときは、こまかい部位に目を向けてみよう。今回は、スマホやパソコンの使いすぎで、縮こまった手、手指をすっきり伸ばすためのストレッチを紹介。スマートフォンサムや腱鞘炎改善にも!
高林孝光さん
たかばやし・たかみつ/鍼灸師、柔道整復師。〈アスリートゴリラ鍼灸接骨院〉院長。治療家として過去24年間に延べ10万人以上に施術。トップアスリートからの信頼も厚い。著書に『1日7秒手を伸ばしなさい』(ダイヤモンド社)など多数。
目次
日本人は世界でいちばん坐っている時間が長いとか。そうなると心配なのが、実は手と指の状態。
「じっと坐っている間、現代人はつねにスマホやパソコンを触っているので、無意識に手と指を酷使しています。つまり、世界でもっとも坐っている時間が長い日本人は、世界でいちばん手と指を使っているのです。使いすぎた結果、手と指の筋肉と関節が緊張して、短く縮こまっている人が増えています」(鍼灸師、柔道整復師の高林孝光さん)
縮こまった手と指の使いすぎで起こるのが、スマホのスワイプによる親指の痛み(スマートフォンサム)や、手首の腱鞘炎など。もともとはモノを摑むために設計された手と指が、不得手な動作を繰り返すことで生じる。
こうしたトラブルを一挙に解消するのに有効なのが、1日3分で縮こまった手と指をすっきり伸ばすための7つのストレッチ。まず、肩の付け根から腕と手を伸ばすストレッチからスタートしよう。
末端の手と指は冷えやすい。冷たい床に坐ると手と指が余計に冷え、伸びにくい。指をポキポキ鳴らすと関節の負担になるのでNG。手と指にクリームがつくと滑ってストレッチしにくい。クリームを塗るのはストレッチ後。
脇の下に反対の手を添え、肩甲骨を安定させて腕を回しやすくする。腕を伸ばして手のひらを内側に向け、体側に下げる。前回しを7秒間で7回、後ろ回しを7秒間で7回。左右を変えて同様に行う。できるだけ速く回すと、腕の重みと遠心力で手と腕が伸びやすくなる。前後で比べると、手と腕が伸びているのがわかる。
反対の手の人差し指をひっかけ、指を1本ずつ手の甲の方向へ反らして伸ばす。各5秒キープ。左右を変えて同様に行う。前後で比べると指が伸びるのがわかる。
1本ずつ伸ばす時間がないときは、まとめて。胸の前で両手の指を合わせたら、片方の指で反対の指を手の甲の方向へ反らして伸ばす。左右を変えて同様に行う。
手の指と指の間に、反対の親指と人差し指を入れ、“水かき”部分を広げるようにストレッチ。左右を変えて同様に行う。スマホの使いすぎで親指が痛むスマートフォンサム、キーボードの使いすぎによる手首の腱鞘炎には、とくに親指と人差し指の間を広げると効果的。
胸の前で手の指を浅く組み、肘を軽く曲げる。肘を伸ばしながら、手首を内向きに回し、手のひらを正面に向けて、手の指を反らしてテコの原理でストレッチ。
胸の前で片側の前腕を床と平行に上げ、手の甲を天井に向ける。その甲を反対の手で摑み、手首を固定したまま、指先を前腕の内側へ近づけるように手の甲を反らせる。続いて、手のひらを反対の手で摑み、手首を固定したまま、指先を前腕の外側へ近づけるように手のひらを反らせる。各5秒。左右を変えて同様に行う。
片腕を肩の高さで床と平行にまっすぐ伸ばし、手のひらを内側に向け、手の指を開く。手首を内向きに回し、手のひらを外側へ向ける。その手の指を反対の手で摑み、指先を肘に向けるように手の甲をストレッチ。左右を変えて同様に行う。
前腕を床と平行に構えて、手首を反対の手で摑む。手首を横に引っ張りながら、肘を反対方向へ引っ張り、手首をストレッチする。左右を変えて同様に行う。
取材・文/井上健二 撮影/谷尚樹 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 編集/阿部優子
初出『Tarzan』No.856・2023年5月11日発売