北嶋佳奈さん
教えてくれた人
きたじま・かな/管理栄養士。〈Sunny and〉代表取締役。楽しみながら健康維持を目指せる食のアイデアを提案し、手がけたレシピ本は25冊以上。2020年からボディメイクを開始し、ベストボディ・ジャパン2021で3位入賞。
目次
基本ルール① 夜だけ絶食は逆効果。3食きっちり食べる
一日3食の中ではどうしても夕食にボリュームが偏りがち。となると、余分な体脂肪を落とすにはいっそのこと夜絶食すればいい。確かにみるみる体重は落ちるかもしれない。摂取エネルギーの絶対量が減るし、糖質にくっつきやすい水分がカラダから失われるからだ。
「とはいえ、夜の食事を抜くと低血糖状態になり、翌日の朝に普通に食事をしたら血糖値が一気に急上昇します。すると余った糖は脂肪として蓄えられ、低血糖状態に。カラダに負担がかかるうえ、低血糖によるニセの食欲に振り回されるリスクも出てきます」(管理栄養士の北嶋佳奈さん)
これが世に言う血糖値スパイク。目的は体重を減らすことではなく腹を割ること。それにはトレーニングに必要なエネルギーを確保し、血糖値の振れ幅をできるだけ小さくすることが重要だ。ルール1は絶食厳禁、一日3食適正量を食べること。
基本ルール② 主食を1/3減らせば1か月で体脂肪1kg減
カラダを絞る方法として、もはや常識となっているのが糖質制限。主食のごはん、パン、麺類などをカットする食事法だ。体内で持て余した糖質は即、体脂肪に合成されてしまうので、あらかじめ余らせないようにすればいいという考え方。といっても極端な主食オールカットはおすすめできない。
「主食で摂る糖質はエネルギーとしてすぐに使える栄養素。その人の体型や運動量に合った適量を摂る必要があります。腹筋を割るために摂取カロリーを今より減らす必要がある場合は、主食の量をこれまでより3分の1減らすようにしましょう」
たとえばパックごはん1個分は200g。これを3分の1減らすと約130g。3食減らせば1日で210g=327kcal弱のマイナスに。体脂肪1kg分が7200kcalなので、約22日間ごはんを3分の1減らせばクリアする計算だ。ごはん3分の1カットの糖質制限、これなら辛くあるまい?
基本ルール③ 糖質だけでなくアブラにも要注意
「私がボディメイクを始めて思ったことは、糖質ばかりではなく、脂質の摂りすぎも問題ではないかということ。おにぎり1個は約160kcalですが、油は大さじ1.5杯で同じだけのカロリーになります。そんなに食べていないのに痩せないという場合は、脂質を摂りすぎている可能性があるかもしれません」
脂質の量を減らすには調理油の量を調節するだけではなく食材の見極めもまた大事。同じマグロでも中トロより赤身、同じ豚肉でも挽き肉やバラ肉よりもも肉を選ぶという具合。ボリュームが同じなら極力脂身が少ない食材を選ぶのが鉄則だ。
「カラダにいいといわれているサバ缶やエゴマオイルなども要注意です。サバはもともと脂質が多く、エゴマオイルは味噌汁に入れるなど今摂っている油にさらにプラスしてしまうことが問題です」
マヨネーズや乳製品も脂質たっぷり。常食しないよう注意。
基本ルール④ 野菜、穀類、乾物の食物繊維を味方につける
腸活ブームで、もはや第6の栄養素などとは呼ばせない勢いの食物繊維。依然注目を浴びている。
「これだけ注目を浴びているのに、ほとんどの人は食物繊維の摂取量が不足しています。食物繊維は消化されずに大腸まで届くので満腹感にも繫がりますし、ダイエットにはマスト。血糖値の安定化にも役立つので意識して摂りたいところです」
最近では腸内細菌が食物繊維を分解する際に作られる短鎖脂肪酸が脂肪燃焼を促すことも知られている。ますます腹割りに必須の栄養素だ。
「食物繊維の一番の補給源は野菜。冷凍野菜にももちろん食物繊維が含まれています。でも野菜だけで摂るのは大変なので玄米やもち麦、オートミールなどの主食を取り入れたり、切り干し大根などの乾物を上手に利用しましょう」
副菜がマストな理由のひとつは食物繊維にあり、というわけ。
基本ルール⑤ お酒を飲む日はこれまでの半分とする
ボディメイクへの道のりで避けて通れないのが飲酒のコントロール。アルコールそのものというよりつい飲みすぎて判断力が低下し、食欲の歯止めが利かなくなることが最大の問題。
「これまでの習慣からどれだけ減らせるかが重要なので、週4日飲んでいたなら週2日にするというように頻度を半分にすることをおすすめします。お酒好きな人がオールカットしてしまうとストレスになり、ゴールした途端に元に戻ってしまいます。頻度を半分にしておつまみは生、蒸す、煮るといった調理法のメニューを選びましょう」
基本ルール⑥ 小腹が空いたら恐れずに間食を摂る
空腹を感じてもここで間食を口にしてしまったら負け。だからぐっと我慢、する必要はない。
「空腹を感じたときは血糖値が下がっている状態。そこでは敢えて少量の糖質を摂ってもいいと思います。無理に我慢をすると低血糖になり、次の食事で血糖値が跳ね上がってしまうからです。ハイカカオのチョコを2〜3粒、バナナ1本、カフェオレ1杯などで少しだけ血糖値を上げるのもひとつの方法です」
ちなみに、ナッツやチーズなどは脂質過多で少量でもハイカロリーなので注意。それよりも甘みのあるものを少量口にするのが得策だ。