絶対に効かせるロールアウトのやり方|“下ろす”重視の自体重トレ
自宅の自体重トレで鍛えづらいのが広背筋。そこでおすすめはタオルを使った腹筋ローラー的な動き。効率的に筋肥大が狙える“下ろす動作”をゆっくり行うやり方で、確実にカラダを変えよう。ありがちなミスへの処方箋や、レベル別アドバンス種目も紹介。
取材・文/石飛カノ 撮影/山城健朗 スタイリスト/ヤマウチ ショウゴ ヘア&メイク/天野誠吾 監修/白戸拓也
初出『Tarzan』No.852・2023年3月9日発売
広背筋を自宅で鍛えられるロールアウト
背中の下部を広く覆っている広背筋。体積は大胸筋に及ばないが、面積ではなかなかのもの。こちらもまた大筋群のひとつだ。しかも表を鍛えたら必ず裏も鍛える必要がある。でないと大胸筋に肩が引っ張られて猫背姿勢になりがちだからだ。
とはいえ自宅での自体重トレで背中を鍛えるのは難しい。そこでタオルを使った腹筋ローラー的な動きで背筋を鍛える。
ネガティブの動き(詳しくはこちらの記事:効率的に筋肥大したいなら「下ろす動作」を重視すべき)は膝つき姿勢からタオルをできるだけ前に進めていく動き。広背筋の伸びを感じながら床ギリギリまで攻めれば効果は絶大。己の限界に挑戦するつもりでやってみよう。
下ろしたときに伸びる筋肉
トレーニングのやり方
STEP1:まずはベーシックトレを12回×3セット
低負荷高回数の理論に則り、12回×3セットで行う。セット間のインターバルは1分。
基本は3秒でネガティブ動作、フィニッシュで1秒キープして1秒でポジティブ動作を行う。
動きのポイントを意識してネガティブ動作により注力しよう。
STEP2:効かない場合の対処法に取り組む
ベーシックトレがイマイチ効かない理由その1はフォームが正確ではないから。矯正のためのエクササイズを行って再挑戦を。
理由その2は負荷不足。12回×3セットが楽に行えるようになったら4段階のアドバンスト種目に挑戦を。
ベーシック種目
床に四つん這いになり、両手をタオルの上に乗せる。手の位置は肩の真下、顎は軽く引く。胸を張った姿勢で3秒かけてタオルをできるだけ前方に滑らせ、カラダを沈める。
① スタートポジション
② 3秒かけて下す
③ 1秒キープ
④ 1秒で元の姿勢に
ポイント①|動作は常に肩甲骨を寄せた状態で行う
最初から最後まで肩甲骨を寄せた状態で行う。スタートで下に位置していた肩甲骨がフィニッシュでは回旋しながら上に移動。この動きができて初めて広背筋トレになる。
ポイント②|カーペットの上で行うときはクリアファイルで
フローリングの部屋で行うならタオルが有効だが、カーペットの上となると滑りが悪い。その場合はタオルの代わりにクリアファイルを活用。同様の筋トレ効果が得られる。
背中が丸まってしまう場合の改善エクササイズ
改善エクササイズ①|アイソレーション
カラダが丸くなると背中ではなく腹に効いてしまう。膝を軽く曲げて左右の腕を開いて胸を開き、次に親指を内側に入れて腕を前に。15回。胸と肩甲骨の動きを連携させる。
改善エクササイズ②|タオルプルダウン
前後の動きを練習したら今度は上下の動き。床に腹這いになりタオルの端を左右の手で持ち、頭上にセット。タオルを浮かせたまま胸元まで引き寄せる。15回行う。
アドバンス種目
レベル① ボトム・ロールアウト
スタート位置を肩の真下からではなく、肩より前にセット。膝の位置はそのまま、3秒かけてタオルを前方に滑らせ、カラダを床ギリギリまで沈ませる。地味だけど負荷は大。
レベル② ニー・オン・ボックス・ロールアウト
本などの台の上に両膝を乗せて行う。爪先で床を押して踏ん張れない分、背中の力が必要。カラダが沈むときに自体重の垂直方向の負荷も増す。3秒かけてタオルを前方に。
レベル③ 爪先支持ロールアウト
レベル3は、ネガティブの動きでは爪先支持で行い、ポジティブの動きでは床に膝をついて行う。肩の真下からスタートし、爪先支持で3秒かけてタオルを前進させるのだ。
レベル④ ロールアウト・オン・ボックス
最難関種目はネガティブもポジティブもすベて爪先支持で行うロールアウト。3秒でタオルを前進させ、ネガティブのフィニッシュで1秒キープ。1秒で元の姿勢に戻れるか?