1回5分 カラダと心に向き合うWINメディテーション®
無心になることを目的とするメディテーションを軸として、エビデンスに基づいて考案された「WINメディテーション®」。脳を鍛えて身も心も健やかに整える本メソッドで、目的に合わせて脳力を鍛えよう。
取材・文/門上奈央 撮影/石原敦志 ヘア&メイク/武田隼人 イラストレーション/DONA 衣装協力/イージーヨガ
初出『Tarzan』No.850・2023年2月9日発売
兼下真由子さん
教えてくれた人
かねした・まゆこ/2021年に株式会社WINZONE創業。現役アスリートにWINメディテーション®を指導するほか、講師育成など幅広く活動。ヨガインストラクターやパーソナルトレーナーなど多数の資格を保有。
目次
手軽にできて初心者でも変化を感じやすい
座禅を組み、数十分かけて心身を整える。これが一般的な瞑想だろう。
「WINメディテーション®は1回5分、思い立った時にできるのが特徴。野球やサッカーなどの第一線で活躍するアスリートに好評です」と、創始者の兼下真由子さん。一流アスリートに支持される理由とは。
「脳神経に有効とエビデンスのある手法のみ採用しており、脳を鍛えられるからです。WINメディテーション®は脳の前頭前野を活性化させ、大脳辺縁系の活動を抑制。また海馬の密度も高まります。一度やるだけでは変わりませんが、2か月間続けると脳が変化したとの研究報告も」
また、未経験者でもポジティブな変化が出やすいという。
「呼吸法が難しいという方もいるかもしれませんが、これは普段通りの呼吸でOK。“深く吸おう”などと頑張らず、鼻からゆったり息を吸って吐くだけ。あとこの5分間は社会や家庭での役割を一度忘れ、カラダと心だけに向き合うのが大切です」
今回は脳に起因する悩みにアプローチする6つのメソッドを紹介。気になるものから実践してみよう。
3つのポイント
- いつでもどこでも好きな時に
- すべて1セット5分
- 意識せず、自然な呼吸を
WINメディテーション®は脳のここにアプローチ
今回働きかけるのは主にこの3か所。感情や行動のコントロールなどに関わる前頭前野、本能や自律神経などを司る大脳辺縁系、記憶を蓄積する海馬。メディテーションで脳を休ませることで脳への血流が増え、働きが正常に。
記憶力を高める|ボディスキャン瞑想
仰向けで、以下の順に全身をスキャンする感覚で意識を向ける。
足指→足の甲→足裏→踵→足首→脛→膝→太腿→骨盤。腹→胸→鎖骨→腰→背中→肩甲骨。手指→手のひら→手の甲→手首→前腕→肘→上腕→肩。
口を開いて嚙み締めを解き、目の奥の力みも解いて完了。
怒りをコントロールする|丹田呼吸
あぐらを組み、骨盤を立てて背すじを伸ばす。両手の親指と人差し指で輪っかを作り丹田に当て、目を閉じる。
怒りにより丹田から頭部へ上がった“気”が丹田に下がり、地球の裏側にまで沈んでいくのを思い浮かべつつ呼吸。座って行えない時は立って行っても可。
集中力を高める|白毫(びゃくごう)瞑想
あぐらを組み、骨盤を立てて背すじを伸ばす。人差し指と中指を揃えて伸ばしたら、眉間と首の付け根に軽く押し当てる。
この2か所の間に一筋の光が通るのをイメージしながら呼吸を続けることで、頭蓋骨の中心付近にあるA10神経に刺激が入り、集中力アップ。
自己実現力を高める|ゴールメディテーション
あぐらを組み、骨盤を立てて背すじを伸ばす。左手を胸に、右手を丹田のある下腹部に添え、目標を具体的かつリアルにイメージしながら呼吸。
例えば“競技のプロになる”より“国際大会で得点を挙げて歴史に名を残す”など到達不可能に思える目標を立てることが大事。
緊張をほぐす|クロコダイル呼吸
うつ伏せになり、額の下で両手を重ねて顔を横に向ける。脚はやや広めに開いて踵を外へ。吸う息で背中を膨らませてドラム缶のように胴体を太くしたら、全ての息をゆっくり吐き切る。
呼吸するたびに大地と一体化するイメージで行うと、心身のリラックスが深まる。
幸福感を高める|感謝の瞑想
あぐらを組み、骨盤を立てて背すじを伸ばす。両手を重ねて胸の上に置いたら目を瞑り、思い浮かんだ人や全ての物事に「ありがとう」と脳内で声をかける。
顎を軽く上げ、骨盤から頭頂部までピンと伸びた姿勢で行うことで、閉じやすい胸も開き、心持ちも前向きに。