夜に疲れをリセットする4種目! 硬いカラダをほぐす「脱力ストレッチ」
翌日に疲れを持ち越さないためには、背骨周辺の筋肉をほぐしてあげるのがポイント。特に終日の座業などで姿勢が悪化しやすい夜に、側屈・進展・屈曲・回線という4つの動きからアプローチしよう。
取材・文/オカモトノブコ 撮影/小川朋央 ヘア&メイク/大谷亮治 スタイリスト/高島聖子 監修/中村尚人
初出『Tarzan』No.827・2022年2月10日発売
中村尚人さん
教えてくれた人
なかむら・なおと/理学療法士として、医療、介護と幅広く臨床経験を積んだのち、ヨガ、ピラティスの国際ライセンスを多数取得。八王子にて〈Studio TAKT EIGHT〉を主宰。
夜に「硬い背骨」をゆるめよう!
まず大前提として「カラダが硬い=関節が硬い」と考えがちだが、実際に硬くなるのは、これを支えて動かす筋肉。つまりカラダの柔軟性は、筋肉の柔軟性とイコールなのだ。
さて。カラダの軸となる背骨の動きには、前に曲げる「屈曲」と後ろに伸ばす「伸展」、横に倒す「側屈」、横にねじる「回旋」の4種類がある。
「なかでも回旋は人体に特有の動きで、老化のバロメーターでもあります。回旋力の低下は、姿勢が丸まって伸展の筋力が衰えるのが大きな原因。その伸展力を高めるには、まず側屈する筋肉を伸ばしておくといい。さらに、伸展したら反対側へ曲げる屈曲の動きもしっかり行うこと。つまり背骨を柔軟にするには、側屈・伸展・屈曲・回旋を順に、満遍なく行うのがコツ」(中村さん)
姿勢が悪化して縮んだ背骨や体幹まわりの筋肉には、じわじわと自体重をかけて、筋膜や腱などの結合組織もほぐせるストレッチが最適だ。
「特に適した時間帯は夜。脱力することで副交感神経の働きも優位に」
背骨をゆるめてリラックスし、疲れはその日のうちにリセットしよう。
① 側屈|体側の筋肉をほぐす
まずは側屈からスタート。ここで伸ばす筋肉は、背骨と骨盤から上腕をつなぐ広背筋や、脇腹の腹斜筋。
- 両足を大きく広げ、前足を真横に開いて膝を曲げる。
- 上体は倒して太腿に肘を乗せる。
- 上の手は頭に当てて肘をいったん押し上げ、遠くへ伸ばす。
- 30秒以上キープして反対側も。
伸展|カラダの前面を伸ばす
続いてのターゲットは、前かがみになりがちな姿勢で収縮したポジションにある大胸筋や腹直筋。
- 両脚を腰幅に開いて四つん這いになる。
- 両手を前に滑らせるようにしながら腕をまっすぐ伸ばす。
- 顔は正面に向け、大きく開いた胸に深く呼吸を送り込むイメージで30秒以上キープを。
屈曲|背面の筋肉をゆるめる
背中や腰が緊張すると、首から骨盤までの背骨全体を支える脊柱起立筋が硬直する。
- 足を揃えてしゃがみ、両手で左右の肘を抱える。
- 腕を下ろしたままお尻をゆっくり持ち上げる。
- 膝は軽く曲げて腕の重みを感じながら、30秒以上キープして筋肉をゆるめよう。
回旋|体幹部を深くねじる
仕上げに行うのは背骨をねじる筋肉のストレッチ。個々の背骨をつなぐ脊柱起立筋や、お腹まわりの腹筋群をまとめてゆるめよう。
- 仰向けで片脚の膝を曲げ、両手で抱えていったんお腹に押し付ける。
- 反対の手に持ち替え、膝を倒して深くねじり30秒以上キープ。
- 反対側も同様に。