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ゆったりペースで走るジョギング。トレーニング要素の強いランに比べて、脚を痛める心配はないし、引き締め、骨や筋肉、臓器の強化に加え、メンタル的にもいいことづくめ。今回は、そんなジョギングのメリットを紹介。
今まで走ったことがない人も、少しは経験がある人も、とりあえず走り始めてほしい。なにも速く走る必要はない。1km当たり7~8km/h、ゆっくりしたジョギングペースで全然OKなのだ。
このスピードなら脚を痛める心配はないし、さらにはカラダもココロも多くのメリットを得ることができる。
そのあたりを順天堂大学スポーツ健康科学部の先任准教授で、同大陸上競技部のチームドクターも務める深尾宏祐先生に解説してもらった。
何より走ることは理屈抜きで気持ちいいし、シューズがあればすぐにスタートできる。いいことずくめのジョグ、始めない手はない。
走りによるメリットの中でもよく知られ、誰もが気になるのが「痩せる」こと。そのメカニズムを深尾先生はこう語る。
「走ることはウォーキングよりスピードが速く、多くの酸素を取り込みながらエネルギーを消費します。ゆっくり長い時間走れば体内の糖質と内臓脂肪がエネルギー源としてバランスよく消費され、効率的に痩せられます。
また走ることによる筋肉運動で全身の基礎代謝を上げられるので、ちょっとした運動でもエネルギーが消費されやすいカラダになります」
あまりスピードを出さず、楽に長く走り続けることで、体内で糖質も脂質も使われやすくなるというわけ。ジョギングが痩せるのに最適といわれるのはこれが理由である。
走り始めは息が苦しくても、20分ほど走るとカラダが軽くなり高揚感に満たされる。ジョガーの多くがこれを経験する。
「走っている最中は体内に酸素を取り込み、血液を通じて全身に回してエネルギーを作り出すわけですが、特に初心者ほど、最初は呼吸が整いにくく、酸素を吐く量に対して吸う量が追いつかずに息がしんどくなりがち。
でも呼吸をリズミカルに繰り返して走っていると、次第に息が整い瞑想のようなリラックス状態になり、脳がクリアになってくる。
また長時間になるほどエンドルフィンというホルモンが分泌され、疲労感を麻痺させることも判明しています。これらが高揚感の原因として考えられます」
脳や神経、内臓や筋肉などカラダの全器官において、しっかり酸素を取り入れないと正常に働くことができなくなる。その能力の指標となるのが、最大酸素摂取量。
「1km当たり約7~8分ほどのジョグペースで走ることで酸素摂取能力が鍛えられ、最大酸素摂取量をキープできる。つまりジョギングにより酸素を全身に送る能力が高まり、各器官を活性化できるのです。
また血管の拡張作用により末梢への血流を良くし、血管弛緩反応を改善することで将来的な動脈硬化の予防も期待できます」
心肺機能が鍛えられることで体力が向上したり、持久力が高まることで代謝アップや生活習慣病予防にもつながる。
もともと筋肉が少ない人や運動不足気味の人にとっては、走ることで下半身を強化できるのも大きなメリット。ジョギング程度の楽なランでも尻や太腿、ふくらはぎなどの筋肉が刺激され、筋肉量を増やすことができる。
よほどスピードを上げるなど特別なトレーニングをしない限りは筋肥大効果は少ないため、いわゆる下半身太りは気にしなくても大丈夫。
「腕を引く動きにより、肩まわりなど上半身の筋肉も刺激できるので、特に初心者にとっては全身の筋肉強化にうってつけです。また、走ることはカラダの上下運動で、着地時に脚の骨に多少なりとも衝撃が加わります。これにより骨代謝に良い影響を与え、強化が期待できます」
取材・文/黒田創 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 取材協力/深尾宏祐(順天堂大学スポーツ健康科学部先任准教授)
初出『Tarzan』No.843・2022年10月6日発売