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摂るべき食材がわかる。食で臓器を整える「薬膳」の基本

摂るべき食材がわかる。食で臓器を整える「薬膳」の基本

3000年ほど前に中国で生まれた食事の療法である薬膳は、内臓と季節、食べ物がそれぞれ密接につながっている。食べ物は薬である、という“薬食同源”の考え方をベースに、薬膳では、季節や不調に合わせた食材選びで体調を整えよう。今回はそんな薬膳の“基本”を薬膳料理家のパン・ウェイさんに教えてもらった。

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薬膳料理家 パン・ウェイ先生

パン・ウェイ先生

教えてくれた人

薬膳料理家。北京生まれ。中国に代々伝わる家庭薬膳を継承。東京・代々木公園で料理教室も主催する。テレビの料理番組の出演や薬膳に関する著書も多数。

薬膳の基本的な考え方とは?

薬膳のベースになっているのは東洋医学だが、その東洋医学では人間の内臓全体を「五臓六腑」と表現する。お酒を飲んだときなどに「五臓六腑にしみわたる」などという、あの五臓六腑だ。

五臓とはで、六腑は小腸大腸膀胱三焦。ただし、脾は脾臓を含む消化器全般を表している。

そもそも東洋医学では多くのものを5つに分けることが多い。古代中国の哲学のひとつである「五行相生説」が基本になっているからだ。

薬膳の基本的な考え方とは?

五行相生説とは、宇宙に存在するあらゆるものはの5つの要素に分類され、ひとつの要素が別の要素を生み出す関係にあると考える。木がこすれると火が生まれ、火が燃えると灰(土)になる、といった具合。

内臓もこの5つの要素と関連して考えられている。肝は木心は火脾は土肺は金腎は水。五臓もそれぞれが輪のように影響し合う関係であることを覚えておこう。

五臓

 当てはまる内臓

五季(弱まる季節)

五色五味(摂りたい食材の色と味)

臓肝 青(緑)―酸味
心臓 赤―苦味
消化器系 土用(年4回) 黄―甘味
白―辛味
腎臓 黒―塩味

どのように取り入れたらいい?

薬膳でも基本は5つに分けて考える。一年は春、夏、土用、秋、冬の五季。土用は立春、立夏、立秋、立冬の直前約18日間を指す。

食材は緑、赤、黄、白、黒の5色、味も酸味、苦味、甘味など5つに分けられている。そして上の表のようにそれぞれの臓器に季節、色、味が対応する。

臓器 食材
青(緑) セリ、セロリ、クレソン、ホウレンソウ、水菜、小松菜、春菊、ニラ、ブロッコリー、ピーマン、青魚(アジ、サバなど)
トマト、ナツメ、ニンジン、ビーツ、クコの実、レバー、マグロ、カツオ、鮭、小豆、唐辛子、豚肉や牛肉などの赤身
黄色いパプリカ、カボチャ、ギンナン、サツマ芋、柿、栗、ショウガ、トウモロコシ、ミカン、大豆、豆腐、厚揚げ豆腐、卵黄
大根、レンコン、白菜、カブ、長芋、里芋、玉ネギ、ユリ根、白ゴマ、ニンニク、梨、白米、白身魚(タイなど)、鶏肉、イカ、ホタテ貝
ゴボウ、黒キクラゲ、海苔、モズク、茶色のきのこ類、昆布、黒ゴマ、牡蠣

「なぜ肝は春で緑の食材と酸味なのか、それには理由があります。寒い冬の間はカラダの解毒が進まず、毒素が溜まった状態になります。

立春から始まる春は滞った解毒を進めるために解毒を司る肝臓の働きが盛んになり、負担がかかりやすくなります。そこで解毒に有効な緑の食材酸味で助けるのです」(パンさん)

同じように、暑さに弱い心臓を労るのは赤い食材苦味。さらに季節の変わり目で気温の変化が激しい土用は消化器が弱くなり、秋は乾燥で肺が、冬は寒さによって腎臓が弱くなるなど、それぞれの不調とそれに対応する有効な食材五味がある。具体的な食材は上の表を参考に。

気をつけることはある?

季節に合わせ一年をかけて五臓を強化するのが基本の考え方だが、元気にしたい臓器がある場合は、食材の色と味を取り入れた料理で元気を取り戻すこともできる。ただ、一つ注意してほしいことがある。

「ある内臓を強くしたいからと、その色の食材だけを食べ続けないことです。一日3食で5色の食材をバランスよく取り入れるのが大前提です」

朝昼晩、バランスを最優先し、同じ色と味の料理を連食しないこと。

「そのうえで肝臓のために緑の食材を多めに食べる、心臓のために赤い食材を使った料理を1品増やす、肺を元気にするために白い食材に辛味調味料を合わせて料理を作る、といった工夫をしてください。

五臓はお互いに支え合っているので、偏った食生活は他の内臓に悪い影響を与える可能性もあります」

五臓の中で特に大切な臓器は?

「先ほどもお話ししましたが、あえて挙げるならでしょうか。どちらも解毒を司る臓器です。薬膳ではカラダの中に毒素が溜まると栄養が入っていかないと考えます。つまりまずは出すこと。そのためにこの2つの臓器が重要だと考えます」

食で内臓のメンテナンスをするのはもちろん、これからの季節である冬と春は特に肝と腎を気にかけた食事をしてほしいという。

もうひとつ、勘違いしやすいのが内臓の余熱を取る方法、内臓を温める方法だ。

夏の酷暑のときは冷たい飲み物や食べ物を摂ることが増え、これで熱が取れたと思いがちだが、カラダの表面の熱を取るのと内臓に溜まった余熱を取るのとは違うという。

「内臓の余熱を取るのはウリ系などの夏野菜です。ニガウリやキュウリ、冬瓜やトマト。冷たいものばかり飲んだり食べたりしてもカラダの芯の熱が取れないばかりか、かえって内臓の不調を招きやすくなります」

冬も同様にゴボウや黒キクラゲ、きのこ類などの黒い食材若干の塩辛さでほどよく温めよう。なお、黒キクラゲだが、乾物より生の方がすぐに使え扱いやすいのでおすすめ。

東洋医学でよく聞く「養生」とは?

養生」とは?

内臓を整える車輪のひとつは食、もうひとつの車輪は養生だ。養生とは健康の増進を図ること。両輪揃ってこそ効果が上がる。

「東洋医学では女性は40歳を過ぎると血と気の動きが鈍くなり、カラダが冷えがちになると考えます。男性は昔に比べて食べる量が少ない傾向があり、これも血と気の循環を悪くします。代謝を上げ、血と気の循環を良くするためにしっかり食べて」

また睡眠も大切。春から秋は早寝早起き、冬は冬眠状態に近づけたいので睡眠時間が長くなる早寝遅起きがいいが、起きたら日光を浴びて骨の強化も忘れずに。さらに適度な運動も心がけて。オススメは眠る前のストレッチ。その日の疲れや凝りはその日のうちに取るのが大事だ。

取材・文/高橋環 撮影/谷尚樹 スタイリスト/矢口紀子 イラストレーション/小野寺光子(記事内)、AdobeStock(TOP画像) 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.847・2022年12月15日発売

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