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“スリップインするだけ™”じゃない!《スケッチャーズ スリップ・インズ》快適学。
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カラダに起こる不快な凝りや痛みには筋膜の乱れが隠れているかも。現代人が悩む8つの症状別に、“トリガーゾーン”となっている筋膜をケアして症状を改善する方法を紹介していく。今回は、痛みが出やすい腰まわりをリリースするトリガーゾーンケアを伝授!
腰は、使わなくても、使いすぎてもダメ。デスクワークなどで坐っている時間が長くなり、腰を動かさないと筋膜が固まる。逆に、重たいモノを無理に持ったり、不自然な使い方をしたりすると、筋膜にストレスが蓄積。どちらも毎日のように繰り返されると、腰痛が生じるのだ。
腰痛では、患部の腰ばかりが気になるが、脇腹やお尻の筋膜・筋肉の機能不全も密接に関わる。腰周辺のトリガーゾーンを360度全方位から攻めよう。
床で仰向けになり、腰の下にポール(作り方は後述)を横にしてあてがう。両脚を伸ばし、両腕をバンザイさせて手のひらを天井へ向ける。体重をかけて、ポールが腰に沈み込む感覚が得られるまで押し伸ばす。腰背部全域でトリガーゾーンを探しながら行う。
腰の左側(背骨の両脇にある盛り上がり=脊柱起立筋の左側)にテニスボールをあてがい、壁にボールを押し付けるように体重をかける。両腕はラクな位置に置く。膝を屈伸させてボールを上下に転がしながら、ボールで腰を押し伸ばす。左右を変えて同様に。
床で仰向けになり、腰の下にポールを横にしてあてがう。右膝を引き寄せ、両手で持つ。右膝を胸に引き寄せながら、体重をかけて、ポールが腰に沈み込む感覚が得られるまで押し伸ばす。左右を変えて同様に。
床で仰向けになり、腰の下にポールを横にしてあてがう。両腕を左右に伸ばして手のひらを天井へ向け、両脚をまっすぐ伸ばす。左膝を曲げ、左脚を右側の床に下ろしてカラダを捻り、顔を左側に向ける。体重をかけて、ポールが右の脇腹に沈み込む感覚が得られるまで押し伸ばす。左右を変えて同様に。
床に坐り、左のお尻の下にポールを横にしてあてがう。両膝を曲げて立て、左足首を右膝に乗せる。両手を後ろについて上体を後ろに倒し、左のお尻に体重をかける。ポールが左のお尻に沈み込む感覚が得られるまで押し伸ばす。左右を変えて同様に行う。
肩こりや腰痛、脚のむくみやスポーツ障害といった慢性的な悩みには、筋膜の乱れが隠れているケースも多い。特に乱れが生じている場所には、筋膜や筋肉に毛玉のようなシコリが見つかる。筋膜が厚く硬くなり、滑りが悪くなって周りの血の巡りを遅らせ、低酸素状態に陥っているのだ。これが、いわゆるトリガーポイント。
「トリガーポイント=点と誤解されがちですが、実際は点ではなく面。ある程度の広がりがある“トリガーゾーン”です。だから、指圧のようにピンポイントで強い刺激を加えるのではなく、じっくり時間をかけて面で押し伸ばすのが正解。指圧がプッシュなら、このケアはプレス&ストレッチが合言葉。患部にゆっくり沈み込ませるような感覚が大事です」(鍼灸師の滝澤幸一さん)
プレス&ストレッチには手製のポールと硬めのボールを準備しておくと便利なのでオススメだ。
触るとコリコリと硬く、軽い痛みが走るところ。周辺に響くような痛み=放散痛を伴うことも。これは神経系の誤作動などによるもの。患部から離れた部位に原因のある可能性もゼロではないが、まずは元のトリガーゾーンとその周辺を攻めた方が症状は解消しやすい。
ポールは、食品用ラップの芯にフェイスタオルを巻いて、輪ゴムで数か所固定して作る。ボールはある程度硬さがあるものを選ぼう。
取材・文/井上健二 撮影/山城健朗 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 イラストレーション/Hi there 監修/滝澤幸一(ソル・エ・マーレ鍼灸治療院主宰)
初出『Tarzan』No.830・2022年3月24日発売