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血糖値コントロールには「筋力+有酸素トレ」が最強!

血糖値コントロール トレーニング

血糖値が上がる理由のひとつに運動不足が挙げられる。コロナ禍でリモートワークが多くなった昨今、歩くことすら減り、使われない糖が血中を漂う…。これを正していくためには筋力+有酸素トレーニングも一案。複合的にやっていくことが、もっとも有効だ。

血糖値を効率的に下げる運動とは?

里大学北里研究所病院糖尿病センター長・山田悟先生曰く、筋力や有酸素トレーニングを単独で行うより、複合的に行ったほうが効率よく血糖値は下がるという(基となった論文の表を下に引用)。

HbA1cとトレーニングの関係

HbA1cとは赤血球中のヘモグロビンのうち、何%が糖と結合しているかを表す血糖値の指標。高いほど高血糖だ。標準偏差は各人の数値の、平均値からのばらつき具合を示す。筋力や有酸素トレーニングを単独で行うより、同時に行ったほうが3か月、6か月後のHbA1cの数値が減少していることがわかる。出典/ Sigalら(2007), Effects of Aerobic Training, Resistance Training, or Both on Glycemic Control in Type 2 Diabetes

そこで、『ターザン』でもおなじみのトレーナー・澤木一貴さんに、両方の要素を含んだ、血糖値をコントロールするためのトレーニングを考案してもらった。

「高血糖の人にあまりハードな運動は勧められません。だから、低負荷でいろんなバリエーションの運動を組み合わせました。たとえば、ある部分の筋肉を特化して鍛えたり、逆に全身を使ったりという具合にです。こうすることで、筋力と心肺機能を同時に高めていくことができます」(澤木トレーナー)

ここではステップ1〜3までのトレーニングを用意した。進むごとに負荷は上がる。ステップ1には4つの、ステップ2、3には6つのメニューがある。各メニューを30秒続け、ステップ1なら4種目、2、3なら6種目を連続して行っていく。これを1セットとする。

「初めはケガをしないためにも、ゆっくりと動いてください。そして、最終的には1秒で1回、つまり30秒で30回動作を繰り返せるようにしたい。できるようになったら、30秒のレストを挟んで2セット目にもトライ。最終的に3セット無理なくこなせるようになったら、次のステップへと移行。週3回程度、習慣にしてしまえば、カラダが変わっていくのが実感できるはずですよ」(澤木トレーナー)

エクササイズのやり方
  • 全部で3ステップのエクササイズ
  • ステップ1は4種目、ステップ2・3は6種目
  • 初めはケガ予防にゆっくりと動く
  • 慣れてきたら1秒に1動作が目標
  • 3セット(休憩は30秒)無理なくこなせたら次のステップへ
  • エクササイズの頻度は週3回程度

ステップ1|まずは関節の可動域を広げ、カラダを再生させる

血糖値が高い人は、日常的に運動をしていないことが多いはず。ある程度の運動を継続していれば、糖は使われるからである。そして、動かないことで、カラダは錆びついてしまっているのだ。

ひとつは関節である。普通に生活しているだけだと、可動域いっぱいまで関節を使うような大きな動きとは、ほぼ無縁。そのため、可動域が狭くなって、動きの滑らかさも失われてしまう。まずは、これを正したい。しなやかに大きく動けるカラダへと、再生させることが必要だ。

同様に、使わなければ筋肉も衰える。とくに大きな筋肉が集まる下半身は、エネルギー消費のためにも筋力を少しでも回復させたい。そのためにごく軽い運動から始めていこう。

ホリゾンタル・プッシュ&プル(30秒)

ホリゾンタル・プッシュ&プル

  1. 背すじを伸ばして、足を揃えて立つ。
  2. 手のひらを下に向け、腕を肩の高さで前方に伸ばす。
  3. 胸を開いて、左右の肩甲骨を背骨に寄せるように、肘を後方へ十分に引く。
  4. 腕を伸ばして元へ。肩の水平方向の可動域が大きくなる。
ニープッシュスクワット(30秒)

 ニープッシュスクワット

  1. 足を腰幅に開いて立つ。
  2. 尻を後方へ引くようにして、膝が90度ほどに曲がるまで腰を落とす。
  3. 同時に腕を伸ばして、膝の上に手を置く。
  4. 置いた手で、上半身を押し上げるようにしながら、立ち上がる。下半身の強化。
バーティカル・プッシュ&プル(30秒)

ステップツイスト

  1. 腰幅に足を開いて、背すじを伸ばして立つ。
  2. 腕を真横に開き、肘を曲げてやや後方に引き、胸を開いて左右の肩甲骨を寄せる。
  3. 腕を上に向かって伸ばし、元へと戻る。肩甲骨の動きを意識。肩の垂直方向の可動域が広がる。
ステップツイスト(左右各15秒)

ステップツイスト

  1. 腰幅に足を開いて立つ。
  2. 左斜め下方へと両腕を伸ばす。
  3. 右足を前に出すのと同時に両腕を右斜め上方へと上げ、カラダを右方向にひねる。
  4. 体幹だけでなく胸の筋肉も伸ばすように。上体の柔軟性を高める。

ステップ2|機能的に大きく動けるカラダを手に入れる

ステップ1でカラダの錆は落とせただろう。では、次のステップだ。ここでは機能的に動けるカラダを目指す。実は、長らく運動から離れた人には致命的な欠点がある。それは、動作が再現できないということ。試しに昔慣れ親しんだラジオ体操をやってほしい。自分ではできていると思っても、鏡に映してみると、なんと不格好だろうか!

カラダを機能的に使うことができなくなっているのである。その状況から抜け出したい。自分が思った通りに、カラダが動くようになることが重要だから、ここで行うメニューは、バランス力が必要であったり、動きが難しくなっていたりする。

自由自在にカラダを操れれば、動くことが楽しくなる。筋力は向上して、消費エネルギーも増えるのだ。

リバースランジ(30秒)

リバースランジ

  1. 背すじを伸ばして、足を揃えて立つ。手は腰に。
  2. 右足を1歩後方に引き、腰を落とす。
  3. 前の膝が90度まで曲がる手前で、元へ戻る。
  4. 次は左足で。
  5. 動作中、上半身はまっすぐ保つ。前傾しないよう注意。下半身が強化できる。
ベントオーバーキックバック・エルボー(30秒)

ベントオーバーキックバック・エルボー

  1. 膝を緩めて、股関節から上体を深く前傾させる。
  2. 背すじを伸ばし、胸を開く。
  3. 両肘を曲げて背中の上方まで上げる。
  4. 肘を固定して、前腕を腕が伸び切るまで引き上げたら、元に戻る。
  5. 腕だけでなく、姿勢を保つ筋肉にも効く。
ニートゥーエルボー・シングル(左右各15秒)

ニートゥーエルボー・シングル

  1. 右脚を軸にして、左足を横に開いて爪先を床につける。
  2. 左手は腰に、右腕は斜め上方に伸ばす。
  3. 伸ばした肘を曲げて引き下げ、同時に膝を曲げて左脚を引き上げて、肘と膝をタッチさせる。動きの改善。
サイドステップ・スクワット(30秒)

サイドステップ・スクワット

  1. 右手で拳を作り、左手で包み込むようにして胸の前で合わせる。
  2. 左に1歩サイドステップして、尻を突き出すように腰を沈める。
  3. 左足を元の位置に戻しながら立ち上がり、今度は右足で。
  4. 横の動きに対応する筋肉に効果的。
トランクツイスト(30秒)

 トランクツイスト

  1. 中腰になって、背すじを伸ばし、胸を開く。
  2. 左右に腕を振って、上体をひねる。
  3. ひねるときに膝でリズムを取るように、カラダを弾ませながら行おう。
  4. カラダの軸がブレないようにすること。全身運動で心拍数を上げる。
サイドベンド・ハンズアップ(左右各15秒)

サイドベンド・ハンズアップ

  1. 肩幅に足を開いて立つ。
  2. 腕は脇を開いて伸ばす。
  3. 左腕を頭上に上げ、体側の左側を伸ばすように上体を側屈させる。
  4. 左腕の肘を曲げて下ろし、同時に上体を左へと倒す。腹の筋肉、とくに腹斜筋に効く。

ステップ3|カラダを進化させて、日常生活に繋げていく

ステップ1、2までこなしたら、ある程度機能的なカラダになれるし、エネルギー消費も以前と比べれば、確実に増えている。エネルギーが使われる機会が多ければ、血中の糖も少なくなっていくだろう。

では、最終段階。ここで行うことは、ステップ2をさらに進化させたトレーニングだ。たとえば小さい腕の振りが、ダイナミックな動きに変わったり、片側の腕だけを動かしていたのが、両腕を使って行うようになる。これまで以上にバランス感覚筋力が求められるようになるのだ。

ただ、これがこなせれば、日常生活も変わる。喘いで階段を上っていたのがスッと行けるようになるし、ちょっとの距離なら簡単に歩ける。そして、こうした日常的な活動が、血糖値を下げることにも繫がるのだ。

リバースランジ・ハンズアップ(30秒)

リバースランジ・ハンズアップ

  1. 背すじを伸ばして、足を揃えて立つ。
  2. 腕は横に開いて、肘を曲げる。
  3. 右足を1歩後ろへ下げて、腰を沈ませる。
  4. 同時に両腕を頭上へと突き上げる。
  5. 右足を前に出して元へ。今度は左脚で。
ベントオーバーキックバック・フルエクステンション(30秒)

ベントオーバー キックバック・ フルエクステンション

  1. 膝を緩めて、股関節から上体を深く前傾させる。
  2. 背すじを伸ばす。
  3. 手を握り、両肘を曲げて耳の横に。
  4. 腕を伸ばしながら、大きく後方に回して、背中の上まで引き上げる。
ニートゥーエルボー・ダブル(左右各15秒)

ニートゥーエルボー・ダブル

  1. 右脚を軸にして、左足を横に開いて爪先を床につける。
  2. 両腕を斜め上方に伸ばす。
  3. 伸ばした両肘を曲げて引き下げ、同時に膝を曲げて左脚を引き上げて、肘と膝をタッチさせる。動きとバランス感覚の改善。
サイドステップ・スケーター(30秒)

サイドステップ・スケーター

  1. 左手を握り、右手で包み込むようにして胸の前で合わせる。
  2. 背すじを伸ばし、尻を後方へ引くように腰を沈める。
  3. まず、左足を1歩左へステップ。
  4. 元に戻り、今度は右脚で。
ベントオーバートランクツイスト(30秒)

ベントオーバー トランクツイスト

  1. 膝を緩め、上体を股関節から深く前傾させる。
  2. 背すじは伸ばす。
  3. 両肘を後方、肩より高い位置まで引き上げ、
  4. カラダを左にひねりながら、右腕を伸ばして左足の上へ。
  5. 次に左腕で。姿勢を保ち、リズミカルに動くことを覚える。
ニーアップサイドベンドハンズアップ(左右各15秒)

ニーアップサイドベンド ハンズアップ

  1. 肩幅に足を開いて立つ。
  2. 右手は腰に、左腕を頭上に伸ばして上体を右に側屈させる。
  3. 上体を左へと倒し、肘を曲げて左腕を真横に引き下げる。
  4. 同時に左脚を開いて上げ、肘と膝を近づける。腹の筋肉に効く。
  5. 左右15秒ずつ。

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