「ハンドツイスト」でくびれを作ろう!
ダイエット中の外食のコツ。
3ステップで「骨盤が原因の腰痛」を改善。
朝一番のストレッチでカラダを目覚めさせる。
自宅でできる、排便うながしエクササイズで便秘解消!
“膝パカパカ”でヒップのサイドラインを整える。
今日は公園の鉄棒で腹筋を鍛えよう!
代謝を上げるなら「大筋群と埋蔵筋」を鍛える!
  • 公開:

24時間すぐできる「簡単気功」で不調改善!|東洋医学と自律神経②

簡単気功で調える

中国医学の粋を集めた気功も、自律神経のバランスを調える有効なメソッドだ。イメージの捉え方を意識することで、カラダの中では単なる体操で得られない変化が起きて不調の改善に繫がるという。

教えてくれた人

鵜沼宏樹さん/北京で中医学を学び、1989年に中医師となる。北京で研鑽を積み、帰国後は帯津三敬病院を経て、現在は統合鍼灸治療院〈元気〉院長。太極拳や気功に関する著書多数。

イメージの力で調える・簡単気功

中国医学の粋を集めた気功自律神経のバランスを調える有効なメソッド。ハッ!と気合もろとも遠くから人を飛ばす、わけではない。

「気功は運動、姿勢、呼吸、発声、イメージ、意識の集中、ツボ刺激といったいくつもの要素を組み合わせたり、単独で用いる中国独特のメソッドです」と言うのは臨床気功師の鵜沼宏樹さん。

なかでもユニークなのはイメージの捉え方。たとえば、ただ体操で腕を横に伸ばすのではなく、「腕がずーっと伸びて向こうの山に指先が届く」というイメージを持つことで、カラダの中では単なる体操で得られない変化が起きて不調の改善に繫がるという。

「ポイントは頑張らずにリラックスすること。表情筋を緩め、紐の結び目がハラハラとほどけるイメージで行いましょう」(鵜沼宏樹さん)

一日のシチュエーション別簡単気功で、ゆるっと調えるべし。

気功を行うときのポイント
  • 頑張らない
  • 顔の表情を緩める
  • 呼吸に意識を向ける
  • イメージを大切にする

朝|ベッドの中で

朝一番に行う目覚めの気功。踵を突き出す踩蹬功、爪先を上下する健歩功、伸びをしながら腰を振る抜骨式の3つの動きを組み合わせたもの。

朝目覚めたらベッドの中でもぞもぞと行うのがポイント。犬や猫が伸びをするイメージで。筋膜の連携がよくなり、その日一日の膝、背中の好調を維持する効果がある。

踩蹬功(さいとうこう)・健歩功(けんぽこう)・抜骨式(ばっこつしき)

踩蹬功

息を吐きながら片足の踵を太腿の付け根から前に突き出す。息を吸いながら脱力し、今度は逆足。交互に各5回。

健歩功

今度は爪先だけを動かす。片足の爪先を下に、反対側の爪先を上に上げる。交互に10回繰り返し。

抜骨式

両手を組み頭上に伸ばし、手足を縦に引き合いつつ、息を吐きながら魚のように腰を左右に振る。伸ばし切ったら脱力。2回。

昼|ランチの後に

小刻みにカラダを揺することで血流が促され、凝りや痛みが改善する、別名“ブラブラ気功”。重心を前後左右に移動させ、顔の表情を緩めてだらだらと貧乏揺すりをするイメージ。

腕がだるい人は両手を頭上に上げて行ってもよし。人前でやるとヘンな人と思われるので、人けがない場所で行うのがおすすめ。

抖動法(とうどうほう)

抖動法

両足を開いて立ち、全身の力を抜く。膝を振動させて全身を揺する。最も心地よい速さとリズムで1〜2分行う。

昼|会議の前に

息を吸うときには交感神経が働き、息を吐くときには副交感神経が働く。この仕組みを利用し、会議の前に息を吐き切り、副交感神経を活性化してリラックス

腹式呼吸でも同様の効果が期待できるが、慣れていないとかえって力み、交感神経が興奮してしまう。おじぎをすることで自動的に腹式呼吸になるので万人におすすめ。

老叟焼丹(ろうそうしょうたん)

老叟焼丹のやり方①

椅子に浅く腰かける。両手は掌を下に向けて胸の高さに引き上げた姿勢からスタート。口から静かに息を吐き始める。

老叟焼丹のやり方②

ゆっくりと両手を下げつつ口から息を吐き続け、下腹の高さまで両手を下ろしていく。力まずゆったりと息を吐くことがポイント。

老叟焼丹のやり方③

上半身を前傾させ掌を上向きに。両手を前に伸ばして息を吐き切る。鼻から息を吸いつつゆったりと元の姿勢に戻る。5回。

昼|PC作業の合間に

左右のにある肩井というツボの刺激と運動を組み合わせた気功。肩を指で触って硬いと自覚すると、脳からその部分を緩めるよう指令が伝わる。

ツボを押さえたまま肩を動かし、最後に呼吸を意識することでバリバリだった肩の凝りが改善されるはず。長時間のPC作業で肩が重いと感じたときには、いつでもこまめに。

揺肩舒筋法(ようけんじょきんほう)

揺肩舒筋法のやり方①

片手の中指を反対側の肩に置く。ちょうど中指が当たる部分が肩井というツボ。指で押して最も痛みを感じる部分を探す。

揺肩舒筋法のやり方②

ツボを押さえたまま、腕を大きく無理なく回す。背泳のように後ろ回し5回、クロールのように前回し5回、もう一度後ろ回し5回。

揺肩舒筋法のやり方③

最後にツボを指で触ったまま目を閉じて呼吸を意識する。吐く息を10回まで数えたら終了。逆の腕でも同様に。

夜|お風呂で

「あ」という音は驚いたとき、感動したとき、恐怖を感じたとき、気持ちがいいときに無意識に口から出る音。

気功の源流のひとつであるチベット密教では「あ」は宇宙の始まりの音で、すべての感情を解放する作用があると考えられている。とくに、心の中に残っている負の感情を解放させるにはもってこいのメソッドだ。

阿音吐納法(あおんとのうほう)

阿音吐納法

浴槽で、「あー」と発声しながら息をゆっくり吐く。吐き切ったら息を吸い、再び発声して息を吐く。5回。

夜|ベッドの中で

仰向け姿勢でリラックスし、呼吸に意識を向けるというシンプルな気功で、マインドフルネスと同様のリラクセーション法。

呼吸を耳で聴くのではなく、呼吸そのものに寄り添い、あるがままを受け入れる。勝手に呼吸が細く長くなり、意識もとろーんとしてくるはず。「集中する」のではなく、ただ「感じる」ことが大事。

荘子聴息法(そうしちょうそくほう)

荘子聴息法

ベッドの上で大の字になり、掌を上向きにする。眉間と口元をふにゃっと緩めて自然呼吸。そのまま眠ってもよし。

取材・文/石飛カノ イラストレーション/小野寺光子 編集/阿部優子

初出『Tarzan』No.821・2021年10月7日発売

Share
Share