股関節の可動域を広げて動くための土台づくり。
こちらの記事で股関節を「ほぐす」ことができたら、続いて取り組みたいのが「ひらく」。
「着手すべきは、股関節をダイナミックに動かすのに重要な可動域の向上。股関節を前後左右に“ひらく”ことで叶います」(澤木一貴トレーナー)
なぜ可動域を広げるには股関節を開くべきか。現代人の生活パターンには股関節の可動域を狭める要因が多いことが、その理由の一つだ。
「スマホやパソコンなどを操作する時間が多かったり、家で過ごす時間が長く運動量が減ると、姿勢の乱れや骨盤の歪みにつながる。股関節まわりの筋肉が固まり、股関節の可動域が狭くなるのは避けられません。エクササイズで習慣的に股関節を開くことで、股関節は適切なポジションに戻り、可動域も広がります」
紹介するひらくメソッドはいずれも外旋・外転に重点を置いている。
「ただエクササイズの大半に内旋・内転の動作も含まれています。股関節の可動域が広がれば、脚全体を大きく動かせるようになり、それに連動して股関節の屈曲や伸展動作もスムーズに行えるようになります」
日常動作や運動において、股関節ひいては脚全体を効率的に使えるようになれば、ケガの予防にも有効だ。
“ひらく”6つのエクササイズ。
① シェルストレッチ(30秒間キープ)
関係する股関節の動き:外転・外旋・屈曲
- 床に座り両膝を開く。
- カラダに近い位置で両足の裏をつける。
- 両脛の下に腕を差し入れる。
- 両腕の力を利用して上体を前に倒して、上半身と太腿を近づける。
- 30秒キープ。
② スプレッドイーグル(30秒間キープ)
関係する股関節の動き:外転・屈曲
- 座って両脚をできる限り大きく広げて、両手はカラダの前につく。
- 両膝と爪先を天井に向けて、上体をまっすぐ保ったままカラダを前に倒したら30秒キープ。
- 常に背すじを伸ばしておくこと。
③ フロッグストレッチ(前後の動き30秒間)
関係する股関節の動き:外転・外旋
股関節外転のモビリティを高めるべく自分の体重を負荷として股関節を前後に動かし、可動域を徐々に広げていく。
- 股関節を開いて両膝を外に向ける。
- 肘〜手を床につけて、スタートポジションをつくる。
- そこから30秒間、股関節を起点にカラダを前後に揺らす。
④ フェンシングストレッチ(左右各30秒間キープ)
関係する股関節の動き:屈曲・伸展
- 両膝立ちの状態から片脚を前に出し、両手は前膝に置く。
- 上体を立てたまま前膝を前方に押し出してキープ。
- この時、後ろ脚の大腿直筋と腸腰筋、前脚側の大臀筋が伸びるのを意識。
⑤ ニーリングハムストリングス(左右各5回)
関係する股関節の動き:屈曲
- 膝立ちになり、片脚を伸ばして踵を床につける。
- バンザイして上体を引き上げてから、股関節を曲げて上体を前に倒して両手で床をタッチ。
- 2秒キープ。
- 元の姿勢に戻り、繰り返し。
⑥ サイドヒップスプレッド(左右各10秒間キープ)
関係する股関節の動き:屈曲・外転
- 両脚を広めに開き、顔の下で両手を組む。
- 膝と爪先を外に向けたら、その方向を保ったまま片膝を曲げて深くしゃがんで10秒キープ。
- 伸ばした脚の内転筋を意識。