腕・太腿・ふくらはぎ! 今から夏前に磨ききるトレーニング
“脱げるカラダ”になりたいが、全身を満遍なくトレーニングするのは大変。ならば、夏のTシャツや短パンからのぞく部位、腕・脚を中心に鍛えよう。見られやすいパーツを磨くだけで、ぐっと印象が変わるはずだ。
取材・文/門上奈央 撮影/山城健朗 ヘア&メイク/天野誠吾 スタイリスト/ヤマウチショウゴ 取材協力/有馬康泰(EVOLVE.代表)
初出『Tarzan』No.813・2021年6月24日発売
脱げるカラダとは?
2015年から雑誌『ターザン』が特集している夏の恒例企画。本当に脱ぐかどうかはさておき、自分自身が満足できるカラダ=「脱げるカラダ」と称して、ボディメイクのメソッドを紹介している。
脱げるカラダになりたいが、くまなく鍛える時間はない!! そんな人が優先的に強化すべきは腕と脚だ。そう、これらはTシャツや短パンなどの夏服から覗く部位。腕でも特に上腕の重要性を、有馬康泰トレーナーはこう語る。
「木の幹から枝にかけてのシルエットのように肩から前腕までのラインをつくれば、見栄えが良く洗練された印象に。肩を鍛える以上は上腕の筋力強化が必須です」(有馬トレーナー)
また有馬さんをはじめ、今回“脱げるカラダアンケート”に回答したトレーナーの大半が、鍛えてあると一目置く部位として挙げたのが脚だった。視界に入りやすい上半身を重視しがちだが、脚まで鍛えることで隙のないカラダに。
「脚の筋肉は一度鍛錬すればそうそう落ちません。機能美を裏付ける脚を今改めて鍛えましょう!」
腕のトレーニング
半袖の袖ぐりが筋肉で張っているとカラダがデカいと思わされる。
「腕にメリハリをつくることで筋肉の隆起が際立つ。かっこよく仕上げるには、上腕の筋肉にフォーカスして鍛えるのがおすすめです」(有馬トレーナー)
上腕を構成する主要な筋肉として、力こぶとなる上腕二頭筋と裏側に位置する上腕三頭筋がある。
「腕を伸ばしている時に収縮している上腕三頭筋により比重を置くことが“太い腕”に仕上げる秘訣です。また正面から見た時に腕の存在感を出すために、上腕二頭筋と上腕三頭筋の境目に位置する上腕筋まで鍛えれば、言うことなしです!」(有馬トレーナー)
① ハンマーカール(週3回・15回×2〜3セット)
ターゲット:上腕二頭筋
上腕二頭筋に加えて上腕筋も鍛えられる。背すじをまっすぐ伸ばした状態で、肘の位置を固定したまま行うことが、ターゲットへの負荷を分散させないコツ。反動を使わず、一回一回丁寧に曲げ伸ばしすること。
- 親指側を上にしてダンベルを両手に握る。
- 脇を締めたまま両肘を曲げ、親指側からダンベルを持ち上げる。
② ディップス(週3回・15回×2〜3セット)
ターゲット:上腕三頭筋
足の位置によって強度調整が可能。膝を曲げて足をお尻に近づけるほどイージーになるので、始める前に足の位置を確認し負荷を決定しよう。筋トレ初心者は足裏全体を床につけた状態で行うのでもOKだ。
- ベンチを背後に置き、両肘を伸ばしたまま手を肩幅の広さにつく。
- 両脚を揃えて伸ばし、爪先を立てる。
- 両肘が直角になるまで腰を真下に落とす。
太腿のトレーニング
前腿にある大腿四頭筋と裏側に広がるハムストリングス。脚の中でも圧倒的に面積が大きいこれらを鍛えるメリットは代謝アップだけでなく、外見においても重要。
「膝のお皿(膝蓋骨)の上にほどよく発達した大腿四頭筋のカットがある脚は映えますね。ハムストリングスも十分な筋肉量があるかどうかで印象は全然違ってきます」(有馬トレーナー)
太腿を鍛え始める前に行うべきは、自分の骨盤の傾きチェック。
「骨盤をフラットに保てている人は少なく、前傾か後傾に分かれるもの。自分の傾向を理解して均整のとれた太腿に仕上げましょう」(有馬トレーナー)
骨盤の傾きをチェック!
座業が多い人に多く見られる後傾タイプは踵重心になりやすく、ハムストリングスが使えていない人が大半。ハムを鍛えよう。反り腰ぎみな前傾タイプは大腿四頭筋の筋量が不十分。普段から骨盤を垂直に立てるという心がけ+大腿四頭筋を鍛えよう。
① ワンレッグスクワット(週3回・左右各15回×2〜3セット)
ターゲット:大腿四頭筋
動作中、片脚立ちができるくらい前脚に全体重をかけながら、上体の前傾姿勢を保つことで、大腿四頭筋に効かせられる。また下ろした状態では後ろ脚の膝を限りなく床に近づけるのが徹底的に追い込むうえで重要。
- 両手にダンベルを持ち、片脚を後方に伸ばして爪先を立てる。
- 前脚の膝を軽く曲げて上体を前傾させる。
- 前傾姿勢を保ちつつ後ろ脚の膝が床スレスレになるまで上体を下ろす。
② ワンレッグデッドリフト(週3回・左右各15回×2〜3セット)
ターゲット:ハムストリングス
腰の位置を固定したままシーソーのように頭と脚を動かして、全身でTの字をつくる。軸脚の膝を少し曲げて行うことで、骨盤の正しい角度を保ちやすい。カラダが硬い人は後ろ脚の膝をやや曲げてもOK。
- 片手にダンベルを持ち、同サイドの脚を後方に伸ばして浮かせる。
- ダンベルを持っていない手を台に軽くついてバランスを保持。
- 床と平行になる位置まで頭と後方にある脚を同時に動かす。
ふくらはぎのトレーニング
スラリとした脚にふくらはぎの筋肉はいるか? 答えは当然YES。
「職業柄、駅の階段を上るたびにふくらはぎを覆う腓腹筋が隆起するのを目にすると、“この人、絶対スポーツマンだ!”と尊敬の念が湧きます(笑)。歩行時に力発揮する筋肉なので、実は侮れない部位です」(有馬トレーナー)
かっこいいふくらはぎを育むうえで意識したいのがフォルム。
「ふくらはぎの高い位置にピークをつくることができれば、適度に引き締まった足首からのメリハリが強調されて見栄えします。また、脚が長く見えるようになり、ワークアウト用の短パンもサマになるはず」(有馬トレーナー)
ワンレッグカーフレイズ(週3回・左右各15回×2〜3セット)
ターゲット:下腿三頭筋
片脚立ちで行うことで全体重がかかるため強度アップ。軸脚の膝を伸ばしたまま行うことが腓腹筋上部に効かせるうえで効果的。バランスディスクは厚みのあるクッションや階段の段差などでも代用可。
- バランスディスクの真ん中に片足の拇趾球付近を乗せる。
- 逆脚の膝を曲げて宙に浮かせたら、手を台に軽くついてバランスを保持。
- バランスディスクに乗せた足の踵を上げ下げ。