腰痛を狙い撃ちする、マッサージガンの使い方
腰痛は固まった筋肉をリリースして骨盤の位置を正すことで改善できる。腰に関連する筋肉の形状にはバリエーションがあるため、部位に合ったアタッチメントを選ぼう。
銃のような見た目のマッサージ器具、「マッサージガン」。先端のアタッチメントの振動により筋肉の弛緩を促し、深層筋までリリースするハンディタイプの電動ギアだ。その効果や選び方などは、こちらの記事(噂の「マッサージガン」。何がいい? どう使う?)紹介した通り。今回は「腰痛改善」を目的としたマッサージガンの使い方を解説する。
患部を丹念に探りながら徹底リリース。
腰痛改善を狙うなら腰以外にもアプローチしたい。
「腰痛持ちは、反り腰ゆえに骨盤が前傾しているため、大腿部前側の筋肉や脊柱起立筋が固まりがち。それに伴い大腿筋膜張筋などの側面も張りやすくなっています。それらの筋肉をリリースして骨盤の位置を正すことが、腰痛の症状の軽減につながります」(友岡さん)
肩とは対照的に、リリースする筋肉の形状や形にバリエーションがあるので、その部位に合ったアタッチメントを選ぶと効果が高まる。
「大腿四頭筋や腸脛靱帯のような大きい筋肉をリリースする時は、満遍なくさするように当ててください。その中で硬さを感じる部分があるはずなので、そこに10秒ほど当てて使うといいでしょう」
範囲が広い脊柱起立筋については、手の届く範囲でアプローチを。
「脊柱起立筋については誰かにやってもらうのが理想的です。ケアする範囲も広がるし、完全に筋肉を弛緩させた状態で振動を受けられるので、筋肉の過緊張が解けて腰が楽になるのを実感できるはずです」
① 大腿筋膜張筋
腸脛靱帯の浅層と深層の間にある。大臀筋の一部を起点とし、股関節の多角的な動きを補助。腰痛に起因する関節可動域の低下を、リリースにより回復。腿の外側の付け根あたりを円状に動かしてリリース。
② 脊柱起立筋
大小さまざまな筋肉の総称で、縦に2本細長く走り脊柱を支える役割を担う。だが長時間の座業などで前屈みの姿勢が続くと、脊柱起立筋が過緊張により張りが悪化。背骨の両サイドを上下に動かしてリリース。
③ 大腿四頭筋
前腿にある4つの筋肉の総称で、股関節を介して骨盤と連結。ここが拘縮すると骨盤や腰椎の動きを阻害して腰痛が常態化。大腿四頭筋は幅が広いので全体的にリリースできるよう横長の円を描くようにケア。
④ 腸脛靱帯
大腿四頭筋の外側に位置し、大腿筋膜腸筋あたりから膝の外側付近まで延びる。腸脛靱帯が張っていると骨盤の歪みを引き起こして腰痛の原因に。筋肉全体を小さな円を描くように少しずつ。
足の裏への刺激は、肩こりにも腰痛にも効く!
肩や腰が不調なら足裏もリリースすべし。
「足裏を縦に走る足底腱膜は足をいい状態に保ちます。そこが硬直すると頭まで繫がる筋膜の緊張に影響を与えるだけでなく、重心のバランスをうまくとれないために姿勢全体が乱れて腰や肩にも余計な負担がかかります」
30秒かけて踵から爪先にかけて放射状に動かすだけでOK。とはいえ、足裏をリリースするのは慣れるまでくすぐったい!?
「面積の広いラウンドやクッションなどのアタッチメントが最初はおすすめ。慣れてきたらブレットやフォークに付け替えると、より効果が深まります」