噂の「マッサージガン」。何がいい? どう使う?
銃のような見た目のマッサージ器具、「マッサージガン」。肩こり・腰痛を“狙い撃ち”できるというこのギア、一体どう使う?
取材・文/門上奈央 撮影/小川朋央 スタイリスト/高島聖子 ヘア&メイク/天野誠吾 撮影協力/ハイパーアイス 監修/友岡和彦
初出『Tarzan』No.803・2021年1月28日発売
Q1|マッサージガンとは一体何?
先端のアタッチメントの振動により筋肉の弛緩を促し、深層筋までリリースするハンディタイプの電動ギア「マッサージガン」。
「数十年前は医療資格がないと扱えず、マッサージ師や彼らの施術を受けるアスリートなど知る人ぞ知る商品でした」(マッサージガンの使用説明動画なども監修するトレーナーの友岡和彦さん)
コンディショニングや運動前のウォームアップにも使え、セルフケアで大きな効果を得られる。
Q2|何がいいの?
筋膜リリース関連製品が多いなか、マッサージガンが注目されるのはやはりマッサージ効果の高さゆえ。
「テニスボールなどで筋膜リリースする場合、集中的にケアできる利点がある一方、使う間は姿勢を維持する必要がある。でもマッサージガンは全身を脱力させて筋肉がリラックスした状態で刺激できる。リリース後の体感から全然違います」
振動により筋肉の温度が上がり、血行がよくなり筋肉の弾性が出ると、筋肉の拘縮が解けてスムーズに。
Q3|どうやって使えばいい?
「症状が出る部位と原因となる部位は違う。不調の原因となる過緊張の筋肉に振動を与えれば、ゴルジ腱器官などの働きにより弛緩します」
筋肉の端から端まで満遍なく先端部でさすり、痛みを感じる部位があれば10秒ほど当てて次の部位へ。
「振動強度は最も弱いレベルから使い始めるので十分です。物足りなさを感じたら、少しずつ微調整しましょう。使用頻度は低強度であれば1日複数回使ってもOKです」
Q4|ヘッドの使い分けはどうする?
マッサージガンに付属するアタッチメントの使い分けの基準とは。
「《HYPERVOLT》はアタッチメントが計5種類。汎用性が高いのはクッション。広範囲を優しく刺激できる。平らなフラットは全体的に緩められる。ラウンドはフラットより角度がついている分、より深部に入りやすい。さらにピンポイントにケアするならブレット。二股に分かれたフォークは背骨やアキレス腱に挟んで使うのがおすすめです」
Q5|どの商品を選べばいい?
種類豊富なマッサージガン。購入するなら実店舗で選ぶのがベスト。
「振動に対する体感は違うもの。日々使うものなので自分の好みに合うものを選んでほしいです」
またオンラインで買う場合は、重量と付属アタッチメントにも注目。
「携帯して使うか、自宅を中心に使うかで、使いやすい重さは変わるはず。また緻密なケアをしたいならアタッチメントが多いもの、シンプルな操作性が好みなら種類が少なくても問題ないと思います」
Q6|使うとき注意すべきは?
“イタ気持ちいいほどマッサージ効果が高い”。マッサージ全般に抱かれがちなこの誤った認識は、マッサージガンにおいても当てはまる。
「マッサージガンの目的は振動を与えること。押しすぎたり長時間使い続けると鈍痛や揉み返しが起こることも。手を動かしつつ肌に滑らせて、1つのパーツに当てる時間は10秒ほどで十分です」
鎖骨や胸椎などの骨の上には当てないこと。筋肉や筋膜にアプローチできる部位を“狙い撃ち”すべし。