坐っている間、股関節は屈曲したまま。股関節の動きが悪くなると、腰椎にストレスが加わり、骨盤が過剰に傾きやすく、腰痛が悪化する。
こちらの記事(「腰痛改善のために知っておきたい3つのこと」)で紹介した通りタイプもさまざまな腰痛だけれど、ケアの方法は①リリース、②ストレッチ、③トリガーポイントの3ステップ。以下、順番に試してみて欲しい。
① リリース
初めに、お尻の横の中臀筋、股関節のインナーマッスルである腸腰筋をリリース。腸腰筋のマッサージを左右各20~30秒×1~2セット行う。
- 左側の脚の付け根の股関節(ブリーフの股間のライン)にソフトボール(なければテニスボール)を押し当てて、床でうつ伏せになる。
- 両肘を肩の真下について上体を起こし、ソフトボールに体重をかける。
- 両脚を肩幅でまっすぐ伸ばし、爪先を立てる。
- 肘と爪先で全身を前後に動かしてボールで刺激する。
- 股関節を20〜30秒間マッサージする。
中臀筋は股関節の外転と捻りを担い、腸腰筋は股関節が曲がったままだと硬くなりやすい。中臀筋のマッサージを左右各10回×1〜2セット行う。
- 左側のお尻の横にテニスボールを押し当てて床に坐る。
- 左手でズレないように押さえる。
- 左膝を曲げて立てる。
- 右脚をラクに伸ばす。
- 右手は右の床につく。
- 左膝を左側の床に倒し、元に戻す。
② ストレッチ
腰椎と体側を大きく捻るストレッチで腰全体を心地よく伸ばす。「プレッツェル・ストレッチ」を左右各20〜30秒キープ×1~2セット行う。
- 床で仰向けになり、左膝を股関節の真上に曲げて引き寄せる。
- 右手を左膝の外側に添える。
- 左腕を真横に伸ばし、手のひらを天井に向ける。
- 右脚はラクにまっすぐ伸ばす。
- 右手で左膝を右側に倒し、顔を左側へ向ける。
- 左側の体側全体をストレッチ。
- ゆったり呼吸をしながら20〜30秒間キープする。
次は、股関節を伸展させるお尻の大臀筋をストレッチ。股関節が動きやすくなる環境を整えてやろう。「グルート・ストレッチ」を左右各20~30秒キープ×1~2セット行う。
- 床であぐらをかいた姿勢から、右脚を後ろに伸ばし、爪先も伸ばす。
- 両手を床について上体を前傾。
- 曲げた左脚に体重をかける。
- 両肘を肩の真下についてさらに体重をかけ、左側のお尻の大臀筋をストレッチ。
- ゆったり呼吸をしながら20〜30秒間キープする。
③ トリガーポイント
最後は、太腿後ろ側のハムストリングスをケア。ハムは、大臀筋と同じく股関節を伸展させる。ハムも大臀筋も「バックライン」という筋膜の流れにより、腰痛が発生しやすい腰背の脊柱起立筋とつながっている。そのトリガーポイントを緩めると、腰痛は軽くなりやすい。
ハムストリングスのマッサージ(膝側)を左右各15~20回×1~2セット行う。
- 床に坐り、左膝の裏にテニスボールを挟む。
- 両手で左脛を抱える。
- 右脚はラクに伸ばす。
- 両手で左脛を引き寄せる。
- ハムストリングスとふくらはぎをマッサージ。
- 元に戻して反復。
ハムストリングスのマッサージ(お尻側)を左右交互に15~20回×1~2セット行う。
- 横にした食品ラップの芯(長めのもの)をお尻(姿勢を正して椅子に坐ったとき、座面に触れる坐骨結節の少し前)に当てて床に坐る。
- 両脚を肩幅でまっすぐ前に伸ばす。
- 左右の肩甲骨を寄せ、背すじを伸ばしす。
- 上体をまっすぐに保つ。
- 両腕はラクに構える。
- 片側のお尻を浮かし、反対側の太腿後ろ側に体重をかける。
- ラップの芯でハムストリングスをマッサージ。
- 左右交互にリズミカルに続ける。
股関節と骨盤は表裏一体だから、余力があれば「骨盤の問題による腰痛向けの種目」も行いたい。