骨盤に震源地を持つ腰痛では、体側へのアプローチが有効。腰まわりの体側にある筋肉は、骨盤の傾きをコントロールしている。そこの動きが良くならない限り、骨盤はリセットしにくいからである。
こちらの記事(「腰痛改善のために知っておきたい3つのこと」)で紹介した通りタイプもさまざまな腰痛だけれど、ケアの方法は①リリース、②ストレッチ、③トリガーポイントの3ステップ。以下、順番に試してみて欲しい。
① リリース
まずは脇腹の外・内腹斜筋をリリース。脇腹のマッサージ(ライイング)を左右各10〜15回×1~2セット行う。
- 左脇腹に食品ラップの芯(長めのもの)を当て、床で横向きになる。
- 左腕をラクに伸ばし、右手を胸の前につく。
- 左脚はラクに伸ばし、右脚は曲げて立てる。
- 胸を床に近づけるように体重をかける。
- ラップの芯で左脇腹を押し込み、元に戻る。
脇腹のマッサージ(スタンディング)を左右交互に15~20回×1~2セット行う。
- 両足を腰幅に開いてまっすぐ立つ。
- 両手の親指を左右の骨盤の上に押し込み、残りの4指で腰を持つ。
- 左右交互に上体を左右へ傾ける。
- 親指で脇腹をマッサージする。
- ヘソから下は固定して動かさないこと。
② ストレッチ
脇腹の外・内腹斜筋をリリースしたら、大きな動きで体側全体をストレッチ。左右とも均等に、偏りなく緩めることが大切である。「スプレッドイーグル」を左右各20~30秒キープ×1~2セット行う。
- 床に坐り、両脚をできるだけ大きく広げる。
- 左右の肩甲骨を寄せて胸を張る。
- 左腕を天井へまっすぐ伸ばし、手のひらを内側に向ける。
- 右手を右脚の後ろで床につく。
- 左腕でリードしながら上体を右側へ倒す。
- 右肘を曲げて左側の体側をストレッチ。
- ゆったり呼吸をしながら20〜30秒間キープする。
- 左側の骨盤から肋骨を離すように行う。
体側ストレッチを左右各20~30秒キープ×1~2セット行う。
- 床で仰向けになり。
- 左脚を右脚にクロスさせて、左足を右膝の外に置く。
- 両肘を曲げ、左手で右肘を持つ。
- 左足で右脚を左側へ引っ張る。
- 同時に左手で右肘を左側へ引っ張る。
- 右側の体側全体をC字にカーブさせてストレッチ。
- ゆったり呼吸をしながら20〜30秒間キープする。
③ トリガーポイント
忘れずに取り組みたいのは、仙腸関節と大腿筋膜張筋のリリース。
大腿筋膜張筋は、体側を走る「ラテラルライン」という筋膜の流れに組み込まれており、そのトリガーポイントを刺激すると、骨盤の機能性もアップする。
大腿筋膜張筋のリリースを左右各20~30秒×1~2セット行う。
- 両手に食品ラップ(長めのもの)の芯の両端を持ち、床に坐る。
- 左脚をまっすぐ伸ばし、左太腿の外側にラップの芯を当てる。
- 右脚は曲げて立ててラクにする。
- ラップの芯を強く押し当てながら、左太腿の外側を滑らせて20〜30秒間マッサージする。
仙腸関節とは、腰椎の最下部と結合する仙骨と骨盤が作る関節。ほとんど動かないが、わずかな可動性があり、ここがほぐれると骨盤と腰椎の連携が良くなる。
仙腸関節のリリースを左右交互に10〜15回×1~2セット行う。
- お尻の割れ目とベルトラインの中間エリア(仙腸関節)で、背骨の左右にテニスボールを2個当てて床で仰向けになる。
- 両膝を曲げて立てる。
- 両腕を肩のラインで左右に広げ、手のひらを床に向ける。
- 左膝を胸に向かって引き寄せ、脚の重みで仙腸関節をマッサージ。
- ゆっくり元に戻す。
- 左右交互に行う。
時間に余裕があれば、骨盤とは一蓮托生である「股関節に由来する腰痛向けのメソッド」も、併せて行えたらベスト。