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ダイエット期とバルクアップ期の食事とトレーニングの違いは?(20代男性)

読者から寄せられた質問に、『ターザン』が誇る一流トレーナーがズバリ回答! 筋トレ・ボディメイクの悩みには、日本体育大学体育学部准教授にして現役ボディビルダー、「バズーカ岡田」の異名でも知られる岡田隆先生が向き合います。

岡田隆先生

教えてくれた人

おかだ・たかし 日本体育大学体育学部准教授。柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。「バズーカ岡田」の異名で筋トレなどを各メディアで解説。現役ボディビルダーで2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。著書多数。

今回の質問

ダイエットする時期とバルクアップする時期では食事の摂り方や鍛え方が変わってくると思うのですが、岡田さんはどのようにやっていますか。具体的に知りたいです!(20代男性)

食事の基本は「高タンパク・高食物繊維・低脂質」

一般的にはダイエット期とバルクアップ期で食事やトレーニング内容を変えると思われがちですが、僕の場合、少なくとも食事に関しては年間を通して大きくは変えません

それは、 あまりに大きな変化をつけてしまうことで無意識のうちに生じる精神的、肉体的ストレスを防ぐためで、基本は高タンパクかつ高食物繊維で、脂肪少なめの食事。具体的には鶏肉200g、温野菜、茶碗1杯のご飯。これが1食のベースとなります。

ダイエット期は低脂質、バルクアップ期は炭水化物多め

ただし、バルクアップ期は炭水化物をかなり多めに、ご飯で言えば茶碗2杯以上は食べていますね。そこからダイエットに移行するのですが、炭水化物の摂取タイミングをトレーニング前後に多くし、量は少しずつ減らしてトレーニングでカラダを絞りこんでいます。

そしてダイエット期は、普段以上に低脂肪を意識して鶏のモモ肉を胸肉に変えたり、ホッケのような脂の少ない魚をメニューに加えたりします。

豚バラを豚ヒレに変えると脂質31.7gカット!
豚バラを豚ヒレに

左:豚バラ=35.4g、右:豚ヒレ=3.7g  ※可食部100g当たりの脂質量

鶏もも肉皮アリを鶏もも肉皮ナシに変えると脂質27.2gカット!
鶏皮ありを鶏皮なしに

左:鶏もも肉皮アリ=35g、右:鶏もも肉ナシ=7.8g ※可食部100g当たりの脂質量

油揚げを豆腐に変えると脂質30.1gカット!
油揚げを豆腐に

左:油揚げ=33.1g、右:豆腐=3g ※可食部100g当たりの脂質量 (画像は『選び方でこんなに変わる! 高タンパクで低脂質な食材を追求せよ』より)

一方バルクアップ期は高タンパクで脂質も多く含む全卵を毎食1~2個加えることもありますが、卵黄は脂質が多いのでダイエット期は数を控えるなどしています。そうやって自分なりにベースとなる食事を定めたうえで、足し算引き算でコントロールしていくと混乱しませんし、効果も見えやすくなってくるはずです。

でも、私も20代の頃は全く違う考え方で、バルクアップ期はひたすらに何でも食べていました。相談者も20代ですから、食に対する欲求がかなりあると思うんです。だから無理に僕の真似をしてしまうと、それが逆にストレスになる可能性もありますから、あくまで一つの意見として参考にしつつ、あなたが自分なりに続けられる方法を模索しましょう。

常に限界のウェイトに挑戦

鍛え方についてですが、これも僕の場合は1年中それほど変わりません。よく、ダイエット期は重いウエイトが扱えなくなると言われますが、常に限界の重量に挑んで筋肉を刺激しないとカラダは成長しません。“ダイエット期は摂取カロリーが少ないから力が出ない”ではなく、ダイエット期だからこそバルクアップ期と同じ重量、いやそれ以上の重量を挙げることに意味があるんです。

「ダイエット期は重量が挙がらない」という固定概念は捨てて、毎日限界に挑戦する。いいカラダ作りにはそうしたメンタル面も必要だと思いますよ。

一流の上腕二頭筋POFトレ
シングルハンド・インクライン・ダンベルカールのやり方その1

インクラインベンチの背もたれを起こす。左手にダンベルを持ち、頭からお尻までベンチにつけて坐る。ダンベルを肩の真下に下げた際、肩関節が伸展して上腕二頭筋をしっかりストレッチするように背もたれの角度を再調整(痛みや違和感がある場合は背もたれを起こし気味にする)ココが一流!/二頭筋を痛める恐れがあるので肘は完全にロックさせない。

シングルハンド・インクライン・ダンベルカールのやり方その2

小指から巻き込むようにダンベルを引き上げる。最後に顎を引いて首を曲げて二頭筋をさらに収縮させたら(頸椎反射。同シリーズ「大腿四頭筋」参照)、元に戻す。左右を変えて同様に行う。これを10〜15回×3セット(画像は『上腕二頭筋を鍛える一流のPOFトレ:体重を増やさず鍛える10回×3セット』より)。

最後に注意点をひとつ。カラダを絞って体脂肪が少なくなると、関節周りの脂肪も減って緩衝材となるものが物理的になくなりますので、バルクアップ期には出なかった関節痛が起こることがある。もし痛みが出たら無理せず、様子を見ながらセット数や頻度を減らしてください。ダイエット期ならではの関節のオーバーワークには気を付けましょう!

取材・文/黒田創 イラストレーション/unpis

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