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いつもの食事で、タンパク質は十分摂れている。
国民健康・栄養調査(平成29年)では日本人成人男性(20~59歳、生活活動強度を2とした場合)のタンパク質摂取量(1日当たり)は70gを超えている。
一方、「食事摂取基準(2015年版)によれば推奨量は60gです」と指摘するのは管理栄養士の棚橋伸子さん。推奨量とは全国民の最低限の必要量を満たす量だという。ということは今、我々はタンパク質の必要量を十分に確保できているということが分かる。
白米にだって、タンパク質は含まれる。
だが、減量期には事情が変わる。主たるタンパク源は削減せずに、糖質、脂質の多い食材を減らせば、そこに同時に含まれているはずのタンパク質は当然減っていく。例えば、精白米だって6%強のタンパク質を含む。我々はいろんなものからタンパク質を摂っているのだ。
1日に60g、1食当たり20g前後のタンパク質摂取を死守するには、高タンパク質食品の顔ぶれを知って、余分な脂質、糖質を口にせずに済む調理法を身につける必要がある。
今回取り上げるのは鶏ささみ、鶏胸肉にラム、豚ヒレ肉、牛赤身肉と魚介類。これらの食材を美味しく、飽きずに食すテクニックをご覧いただこう。料理初心者でもできるくらい簡単だ。
1. 鶏ささみ肉の青椒肉絲風
鶏ささみは「加熱前に下味をつけておくことが美味しさの秘密」
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2. 鶏ハムサラダ
鶏胸肉は「ラップとレンジで 旨味を逃がさずジューシーに調理」
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ささみ、胸肉をパサパサにしないコツ
鶏のささみ、胸肉は手ごろな価格で高タンパク・低脂質なダイエッターの強い味方。なのだが、お気楽に加熱してしまうとパサついた硬い肉塊となり果てる。そこで、しっとりと仕上げるコツを2つ伝授する。まず、茹でる場合は茹ですぎない。3分茹でたら火を消し、蓋をして5分間余熱で蒸らすとふっくら出来上がる。次にフライパンで焼くなら塩、コショウで軽く下味をつけて、小麦粉や片栗粉を軽くまぶす。粉の分だけ糖質が増えるといっても、この程度の量なら知れたもの。加熱されると粉がコーティングになって、肉から水分が逃げ出すのを抑え、柔らかくジューシーに仕上がる。ついでに粉の独特の香ばしさが増して、食欲を刺激すること間違いなし。
3. ラムチョップのスープカレー
赤身肉の代表、ラム。「カレーのパンチ力が羊のクセをカバー」
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4. 豚ヒレ肉のソテー 大葉と梅肉のソース
甘辛味のよく合う豚肉には「隠し味、梅干しのクエン酸で疲労も撃退」
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5. ローストビーフサラダ
牛肉は「放ったらかし調理で簡単かつ豪華なメニューが完成」
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赤身肉が上手に焼けたら一人前だ
鶏胸肉、ささみと並んで調理に注意が必要なのが赤身肉。脂肪が少ないせいで加熱しすぎると硬くなって、肉を食べる喜びも半減だ。これをどうやって回避したか? 今回ローストビーフはオーブンを使わず、フライパンで焼いている。弱めの中火で加熱時間は肉1面につき3分程度。表面に美味しそうな焼き色がついたら取り出して、アルミホイルで包んでタオルにくるみ、30分ほど放置するだけ。アルミホイルは熱伝導率が高いから、一見すぐに冷めてしまうかと思いきや、輻射熱を反射して表面の熱を芯までじんわり伝えてくれる。ステーキの場合は、フライパンをよく加熱して大きめの蓋で肉を覆う。返すのは1回だけ。蒸し焼きで、ふっくらジューシーに仕上げる。
6. マグロと海藻のポキ
赤身のマグロが変身。「酒のつまみにもおかずにもなる一品」
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ついでにこの際、脂質、塩分もオフにする
ダイエットをするなら、脂質、塩分との付き合い方も同時に見直してみるのがオススメだ。脂質を減らすと味の刺激が弱くなるので、ともすれば不満を感じがち。そこで、アミノ酸が持つ旨味を引き出す食材の選び方や組み合わせ方を覚えよう。イカと青菜の中華炒めにシイタケを加えたのは、シイタケのグアニル酸とグルタミン酸の旨味を引き出すため。イカにはグリシン、アラニン、プロリン、タウリンなどが豊富。アミノ酸同士が補うことで相乗効果で旨味が増す。塩分については加熱前に小麦粉、片栗粉などをまぶしておくと、衣が調味料と絡みやすくなる分、減塩しても不満を感じにくくなる。また、隠し包丁を入れるなどの工夫でも味はなじみやすくなる。