
フェンネル
日本では茴香(ういきょう)と呼ばれるフェンネルは、地中海沿岸が原産と言われ、ヨーロッパでは料理に欠かせないハーブです。人類の歴史の中でもかなり古い時代から栽培されてきたよう。一年生植物のようにも見えますが、多年草で毎年1メートルほど成長します。
主な種類は3つ、大きく育つ根っこ部分を食用にする「フィノッキオ」や、根が大きくならないが香りや甘みの強い「スイートフェンネル」、綺麗なブロンズ色が特徴の「ブロンズフェンネル」と、それぞれ風味や特徴が異なります。基本的にはどのフェンネルも魚料理と合わせることが多いですが、そのままサラダのように食べても、火を入れてパスタと絡めても、フルーツと合わせても美味しく万能なハーブの一つです。
葉っぱや根だけではなく、花も美味しい。いわゆるエディブルフラワーとしての人気も高いんですが、蕾の状態も独特の食感と濃縮されたような甘みがあります。フェンネル・シードはスパイスとして知られていますね。今回使ったスイートフェンネルは、特に甘みが強いので、アニスを思わせるスパイシー感もある。余すところなく使うことができる、すごくポテンシャルが高いハーブです。
こんなふうに使ってみるのはどう?
●「食べる」
鯵とフェンネルのパスタ
ー材料ー(4人前)
・鯵 2尾
・タマネギ 80g
・ウイキョウの葉 120g
・トマトジュース 1缶
・干レブドウ 40g
・白ワイン 30ml
・砕いたアーモンド 20g
・フェンネルシード 2g
・ニンニク 一片
・塩 適量
ー作り方ー
青魚とフェンネルを使った、南イタリアのパスタソースの定番です。今回は鯵をチョイスしました。フェンネルの新芽は柔らかく、そのまま食べられるのですが、硬くなってくると口に残るので下茹でするところから。その茹で汁には、しっかりと味が移っているので出汁として使いたい。それがソースのベースとなります。
●「使う」
フェンネルの茎のお香
―材料―
・フェンネルの茎
枯れて残る茎部分も何かに使えないかと、色々試してみました。燃やした時の香りが燻製にすごく適していたので、そのままお香として使ってもいい。スティックタイプなので、ただ火をつけるだけ。調べてみるとフェンネルの香りには殺菌作用もあるので、空間の浄化としても使うことができます。
ただ、市販のお香のような華やかな強い香りが出るわけではありません。植物そのものを燃やした香りは、いわゆる香料に比べるととても素朴。強い直火で焦がすのでなく、優しく加熱していく事がポイント。グリルする際の焚き付けにもピッタリで、燻製したりとお料理にも活用できます。
8月のハーブスタンドの様子
8月に入り、徐々に夏キノコが出始めました。一足早い富士北麓の秋に向け、果実も徐々に熟し始めます。