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腹割トレと同時に食事をコントロールすれば、ゴールは近くなる。小誌おなじみの管理栄養士が、望みを叶えるべく“腹割忍者”として秘伝の術を鬼指導。確実に割りたいなら言い訳無用、本気で挑もう。
かわむら・れいこ/管理栄養士、パーソナルトレーナー。栄養と運動両方の専門知識を持ち、ボディメイクを科学する。筋バランスの整った美しいカラダを作るプロとして、幅広い年代のボディメイクをサポート。
“腹を割る”という永遠の課題について、「お腹がフラットになったという条件で、さらに体脂肪を減らして割れて見せるまでなら短期集中も可能です」と、管理栄養士の河村玲子さんは力強くうなずく。
さっそく「腹割時の1日のカロリー数、タンパク質・糖質量の目安」(下記)を設定してくれた。
「体重70kgの男性の場合、通常、1日の摂取カロリーは2000キロカロリー強。そこから今回は約500キロカロリーを引いて1600キロカロリーに設定。糖質は1日合計140g以内に抑え、タンパク質は体重×2〜3倍の140〜МAX210gに。4週間で体重2kgは減るはず。筋トレも行えば憧れのシックスパックも夢じゃないです」
かなり厳しめの設定だが、4分間の運動とともにほんの4週間。腹は割れるのを待っている。“腹割忍者レイコ・カワムラ”が徹底指導する秘伝の食事術を実践すべし。
体脂肪を落とす第一の秘術が、“必殺アブラ斬り”。
「アブラカットは腹割で鉄則。まず調理にオイルは使わない、食材の脂もカット。肉は鶏皮や豚肉の脂身も取り除き、牛肉のサシもこの4週間は我慢してください」
魚の脂も今回はNG。
「アブラはどれも高カロリー。魚も脂が乗ったサバ、サンマなどは避け、鮭、ホッケなどの白身魚に限定」
盲点になりやすいドレッシングは、ノンオイルタイプを利用。
「もしアブラが恋しくなったらМCTオイルを適量、はOKです。主成分の中鎖脂肪酸は、一般の油と異なる経路で吸収され、即エネルギーとして利用されるため、体脂肪に置き換わりづらいといわれています」
アブラ斬りとは真逆に、通常より多めに摂りたいのがタンパク質。
「摂取カロリーを減らすと自然と摂れるタンパク質量も少なくなります。筋肉を減少させないために、タンパク質は意識的に多めに摂るようにしましょう。前述したように体重の2〜3倍の量を目安に」
リアル・タンパク質量は下写真を参考に。鶏胸肉(皮なし)105g=片手に乗るくらい、鮭の切り身110g=1.5切れでちょうど20g。1回の食事で摂る量はこのくらい、と頭に叩き込んでおこう。
摂取カロリーは抑えつつ、運動は続ける想定の今回、「お腹が空きすぎて挫折しそう」と不安を覚えるかもしれないが、「大丈夫です。タンパク質を多めに1日3食・朝昼晩の食事で30gずつ+間食で1回20gをちょこちょこ摂ればひもじくなりません」。そのタイムテーブル例が下記。
体重70kg、合計タンパク質180gの場合
7時 | 朝食 : 30g |
---|---|
10時 | 間食 : 20g |
13時 | 昼食 : 30g |
16時 | 間食 : 20g |
19時 | 夕食 : 30g |
21時 | 間食 : 20g |
就寝前 | カゼインプロテインドリンク : 30g |
「タンパク質を常にカラダに送り込むため、朝7時から21時まで3時間おきに規定の量を摂り、就寝前に腹持ちのいいカゼインプロテインドリンクで締めます。」
糖質量も制限。
「運動も並行して行うことを考えるとある程度のエネルギー源は必要になるため、1日の糖質量の目安は合計130〜140gに。朝と昼の主食で50gずつ、夜は主食は抜く方法だとその範囲内に収まるはずです」
主食は白いごはんやパンではなく、食物繊維が多く腹持ちがいい玄米ごはんや全粒粉パンに。1食で摂っていい糖質50gの量は玄米ごはんは茶碗約3分の2、全粒粉パンは4枚切り1枚(下写真)となる。
「玄米や全粒粉パン以外に、糖質オフのお助け食品も活用を。主食のバリエーションが広がります」
水分を多めにして量をかさ増しする“水攻め”も駆使したいテク。
「玄米ごはんはおかゆに、ほかにも腹割時に摂ってOKな食物繊維豊富な全粒穀物・オートミールを水分を増やしてリゾット風にするのも○」
さらに、この水攻めは主食の糖質をカットする夕食時に威力を発揮。
「夕食はタンパク質素材+野菜がメインになるので、水分でかさ増しすることでお腹が膨らむ鍋や具だくさんスープがイチオシメニュー。1人分用の鍋の素などを使えば、あとは水と具材を入れて煮込むだけの手軽さも夕食にぴったりです」
左に水攻めレシピの一例も紹介。
鍋にキムチ鍋の素1人分と表示通りの湯を入れて火にかけ沸騰させる。冷凍アサリ1つかみほど、切った好みの野菜(豆もやし、ニラ、エリンギなど)各適量を入れる。火が通ったら温泉卵1個を割り入れ、器に盛る。
間食で摂るタンパク質1回20gは、どんなものをチョイスすべき?
「プロテインドリンクの活用はもちろんですが、間食も“嚙む”ことで満腹感や満足感が高まります。プロテインバー、サラダチキンスティック、ちくわなど、手軽に摂れて食べ応えも得られるバリエーションを増やしておきましょう」
ささみを使って自分でプロテインバーを作るのもおすすめ。
「ささみに調味料をまぶして電子レンジで加熱する(下レシピ参照)か、魚焼きグリルがあれば焼くのもおいしいです。作り置きしておけば間食のほか、朝食時にも重宝します」
手作りささみバー(2人分)
筋切りしたささみ4本(作りやすい分量でOK)を耐熱容器に入れ、あれば肉用調味料(おすすめは《お肉やわらかの素®》)適量をまぶし、5分ほど置く。ラップをかけて電子レンジ(600
W)で2分〜2分30秒ほど加熱し、そのまま余熱で火を通す。冷めたら冷蔵庫のチルド室で保存(2日ほど可)。
酵素の力で肉をやわらかくする。塩コショウの味付き。《お肉やわらかの素®》50g 300円前後(編集部調べ)、WEBサイト
腹を割るミッションを短期間でクリアするために、“パターン緊縛”は重要なポイント。
「朝昼晩の食事メニューは型を決め、それを淡々と実行すれば体脂肪は落ちていきますし、食事のたびにあれこれ悩まず済むのでラクです」
最適解が下写真のメニュー。
「朝食はグリーンサラダ×好みのタンパク質+全粒粉パン。昼食は外食なら刺し身か白身の焼き魚の和定食(白米なら2分の1に)+ギリシャヨーグルトでタンパク増し。前述したように夕食は主食抜き&水攻めテクを使ってタンパク素材×野菜の具だくさん汁や鍋にしましょう」
「この短期集中戦の間で体重が思うように落ちないと思ったら、1日だけ糖質を通常(200〜250g目安)に戻す“リフィードデイ”を設け、また翌日から制限。一度エネルギー源を補給することで、もうひと踏ん張りできるようになります」
「腸内環境の状態は、体調や運動のパフォーマンスにも影響します。この4週間は徹底的にアブラをカット、タンパク質を多めに摂る、3時間おきに刻み食いするなど、いつもと違う食事パターンで過ごすため、“腸活”も意識して行ってください」
腸活最強食品はやはり発酵食品。
「大豆のタンパク質が摂れる納豆、植物性乳酸菌が豊富なキムチ、タンパク質を+αで補いたいときに便利なヨーグルトは必須。ヨーグルトの乳酸菌は商品によって配合されている種類が違うので、1〜2週間試して自分のお腹と相性がよさそうなものを取り入れるのがいいです」
3大発酵食品の納豆、キムチ、ヨーグルトは冷蔵庫にストック。昼食を外食でなく家メシにするとき、あるいは間食、また夕食時の鍋や汁の具にも役立てよう。
今回の腹割食事術の中で唯一、制限なく食べていいのが、ビタミン、ミネラル、食物繊維豊富なベジ。
「葉物や緑が濃い野菜ならどれだけ食べても構いません」
たとえばレタス類やベビーリーフ、ホウレンソウ、オクラ、ピーマン、キュウリ、セロリ、ブロッコリーなどは、糖質も少なめで○。
「今はカットホウレンソウや刻みオクラなど、包丁を使わなくてもすぐに使える野菜の冷凍品もあるので活用するといいと思います」
また、野菜とともに積極的に摂ってほしいのが食物繊維豊富なきのこや、昆布やモズクなどの海藻類。
「野菜と海藻類をミックスした作り置き(下写真)は腸活におすすめ。簡単なので試してください」
カロリー:95kcal
タンパク質:13.3g
糖質:1.9g
脂質:0.8g
冷凍ホウレンソウ1袋(200g程度)を表示時間通り解凍しボウルに入れる。汁を少し切ったノンオイルツナ1缶、塩昆布適量を加えて混ぜる。
カロリー:343kcal
タンパク質:24.6g
糖質:12.7g
脂質:16.9g
フッ素樹脂加工のフライパンに鶏挽き肉150g、おろしショウガ小さじ1を入れて炒める。肉に火が半分くらい通ったら千切りにしたニンジンを入れる。しんなりしてきたら麺つゆ(2倍濃縮)大さじ3、生モズク300gを加えて温まるまで炒める。
取材・文/小沢緑子 撮影/大嶋千尋 スタイリスト/高島聖子(河村さん) ヘア&メイク/天野誠吾 料理製作&スタイリング・栄養監修/河村玲子
初出『Tarzan』No.878・2024年4月18日発売